ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回は前回に続いて2019年10月24日に発売されたマツダCX-30の1.8Lディーゼル試乗編をお送りします。
同じディーゼルエンジンを積むCX-3との比較を中心にレビューしていきます。
この2台で検討中の方はぜひご覧ください!
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
CX-30 vs CX-3比較
車名 | CX-30 |
---|---|
メーカー | マツダ |
車種 | クーペSUV |
排気量 | 1.8L (SKYACTIV-D1.8) |
最高出力 | 116ps |
最大トルク | 270Nm |
サイズ | 全長4395×全幅1795×全高1540 |
燃費 | 18.4~19.2km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | XD Lパッケージ 2WD 306万9000円 |
車名 | CX-3 |
---|---|
メーカー | マツダ |
車種 | 小型SUV |
排気量 | 1.8L (SKYACTIV-D1.8) |
パワー | 116ps |
トルク | 270N・m |
サイズ | 全長4275×全幅1765×全高1550 |
燃費 | 16.0~16.2km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | XD Lパッケージ 2WD 286万8480円 |
☆今回の比較モデル☆
〇CX-30 XD Lパッケージ 2WD
(ディーゼルモデルのトップグレード)
〇CX-3 XD Lパッケージ 2WD
(ディーゼルモデルの2ndグレード)
①全長
CX-30 > CX-3
【+12.0cm】
全長はCX-30が12.0cm上回ります。同じくらいのサイズかと思っていましたが、けっこうちがいますね。
どちらも取りまわしやすいサイズで運転に不慣れな女性などにも問題なく乗れそうです。
②パワー/トルク
CX-30 = CX-3
同じエンジンを積んでいるので、パワー&トルクは同じです。実際の走りの方はどうなのか?要注目です。
③燃費
CX-30 > CX-3
【+3.0km/L】
CX-30の方が車重が重いにもかかわらず、燃費は3.0km/Lほど上回ります。エンジンがさらに改良され、燃費も上がったということでしょうか?
CX-30の方が全高が少し低いので、もしかすると空気抵抗の具合も関係しているのかもしれません。
④車両本体価格
CX-30 > CX-3
【+20万520円】
グレードは同じLパッケージですが、価格はCX-30が約20万高いです。
CX-30はニューモデルであるとはいえ、この差を見ると少し割高な感じがします。
⑤フロントデザイン
よく似たマスクですが、よーく見るとCX-30の方がグリルが幅広く、形状も異なります。
グリル内のデザインもCX-30はブラックメッシュ、CX-3はメッキのラインが入っています。
やはりワイド&ローなCX-30の方が、よりスタイリッシュに見えます。
出典:kakakumag
出典:webCG
⑥サイド・リアデザイン
サイドビューはCX-30のなだらかなルーフラインとホイールアーチ部とボディー下部の力強いクラッディングパネルが目を引きます。
こうして2台を並べてみると、2015年登場のCX-3はやや設計の古さが垣間見えます。
テールランプは似通っていますが、CX-30の方がやや薄くて小さめですね。
出典:kakakumag
出典:webCG
⑦インテリア
インテリアも全てのパーツがすっきりとまとめられてるCX-30が洗練度で勝っています。
ディスプレイもCX-3のものより一回り大きくなっていますね。
CX-3のアウディ風の丸形エアコンダクトはおしゃれで好みではありますが、さすがに全体的なデザインの古さは否めません。
CX-30運転席 出典:goo-net
CX-3運転席 出典:webCG
⑧後部座席・ラゲッジ
後部座席の居住性は全長で勝るCX-30の方が有利のようですが、写真で見る限り大差はなさそうです。
気のせいかもいれないですが、CX-3の方が座面はやや大きく見えます。
ラゲッジ開口部はCX-30が広くて荷物を積みやすそうですね。
CX-30 後部座席 出典:goo-net
CX-3 後部座席 出典:webCG
CX-30 ラゲッジ 出典:goo-net
CX-3 ラゲッジ 出典:webCG
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗比較に移ります。
Coming up Next !!
CX-30 vs CX-3 試乗比較
①スタート
CX-30の2.0Lガソリンモデルを乗った直後、今度はディーゼルモデルのXD Lパッケージ、カラーは定番のソウルレッドクリスタルメタリックに乗り込みました。
エンジンをかけるとやはり静かですね。スタート音はむしろディーゼルの方が静かなくらいです。不快な振動もほとんど聞こえてきません。
さて注目の出足はどうでしょうか? 期待を込めてアクセルオーーーーン!
(もっさり~~~)
あらららー、期待はもろくも崩れさり、もっさり重めのスタートとなってしまいました。マツダ3の2.0Lガソリンの時とほぼ同じ印象です。
先に乗った20Sの印象がよかったので、余計にかったるく感じたのかもしれません。
ここで過去に乗ったCX-3の試乗を振り返ります☟
CX-3
アクセルを踏むと、予想以上に車体が反応よくスッと動き出しました。これまでの一連のディーゼルモデル試乗では、正直出足がすこぶるいいという印象は受けませんでした。
ディーゼル特有の分厚いトルクが立ち上がるまでに一瞬のタイムラグがあり、アクセルより微妙に遅れてスタートするといった印象でした。
(いったんスタートしたらグワッと飛び出しますけどね)
しかしこのCX-3は車重が軽いこともあってか、他のモデルよりも出足がよく、街中へ出てからもとてもきびきびとした走りを見せてくれました。
この軽快さは兄貴たちの時にはあまり感じられなかったですね。
アテンザを含めた上級車種では軽快感よりもむしろ重厚感の方が際立つ印象でした。
その意味でCX-3の走りは対照的と言ってもいいくらい軽快で、ストレートに「運転が楽しい」です。
今思い出しても、CX-3のディーゼルモデルはこれまで試乗したマツダ車の中でも一番軽快な動きだったと記憶しています。
それに対してCX-30の方ですが、同じパワートレインとは思えないほど、出足はかったるいですね。こんなにも差が出るなんて、ほんと不思議です。
先のマツダ3試乗ではディーゼルの方が印象がよかっただけに、大崩れはないと思っていたのですが、実際に試してみないとわからないものです。
さらにディーゼルに乗って走り出した途端、ガソリンではなりを潜めていたカチッと感が復活し、マツダ3ガソリンの時と同様にまたしても強制的にギブスをはめられたかのような気分になりました。
公道に出て踏み増してみると、他のディーゼルモデル同様にトルクがググっと立ち上がり、それなりの力強さはみせてくれます。
ただこれまたガソリンほどの伸びやかさ、なめらかさはないですね。
音や振動の部分は軽減されていて、とても優秀なのですが、その分走りにディーゼル特有のザラッとしたにごりのような感触がつきまといます。(ザラッと感)
マツダ車全般における走りの設定は、出足はあえて穏やかにして、踏み増すごとに手応えが出てくるようにセッティングされているという記事をどこかで読んだ記憶があります。
マツダの公式サイトを見ても以下のように記述されています。
『人馬一体とは何ですか?』と聞かれたら、『安全・安心です』と私は答えます。まず、それが大事です。人馬一体というと、サーキットや山道をギュンギュン走るようなことを想像されがちですが、マツダが考える人馬一体とは、お客様に安全で安心なドライブを提供したいということが根幹にあります。
クルマに乗るすべての人に安全・安心をもたらすことを目指しています。
人間がクルマを操作する限りにおいて、クルマを自分の体の一部のように動かせる一体感こそ、積極的にクルマを楽しむ充実した生活につながっている、それがマツダの目指す理想のクルマでなのです。事業開発本部 副本部長談
マツダ公式サイトより抜粋
この記述からもわかる通り、マツダの人馬一体の思想とは何はさておき、まずは安全・安心第一ということです。
もちろん安全性が大事なことは百も承知ですが、私が考える「人馬一体」とは「ドライバーがクルマを意のままに操れる感覚」すなわちどんな状況からでもほしいと思ったトルクが立ち上がり、クルマがまさに意図した通りに俊敏に動くイメージです。
上の談話の中にも「クルマを自分の体の一部のように動かせる一体感」とありますが、マツダの場合、これは決して「速さや俊敏さ」には直結しないようです。
あくまで心地よい操作感や乗り味へのこだわりであるという印象です。
私の勝手な解釈では「マツダの人馬一体」というコンセプトはクルマ作りに対する様々なこだわりから生まれたクセの強い乗り味に顕著に表れていると考えます。
これまでの試乗でもその独特の乗り味にドライバーを順応させるような意志がクルマから伝わってきました。
走り出した直後はこのフィーリングに違和感を感じるのですが、試乗が終わる頃には「これがあたりまえ」と思わせるような不思議な感覚があります。
もちろんこの乗り味にどっぷりハマる人も現に多く、CX-5やCX-8が売れ行き好調でSUV人気を牽引していることがその証といえます。
しかし、そのクセの強さゆえに、例えばシェア1位のトヨタのように万人受けするクルマ作りではなく、マニアックな方向性であると強く感じます。
あらら、話がずいぶんそれてしまいました。次にいきますね。
②市街地走行静粛性
CX-3
その代わり兄貴たちに比べて、エンジン音がブォォォーーンンンという具合にかなり騒々しいですね。
楽しくてついアクセルを踏んでしまうのですが、踏めば踏むほどにエンジンの音も比例して騒々しさを増していきます。
停車中のカタカタ音(ディーゼル特有の振動)もけっこう気になるレベルです。
そのあたりを担当者に問うと「上級モデルに比べると遮音性が低いからです」との答え。
「なるほど!」すとんと納得がいきました。
CX-3試乗では、遮音が今一歩で静粛性にやや難があったのをよく覚えています。
その点CX-30は最新モデルということもあって、お兄さんたち(CX-5・CX-8)にも全く劣らない静けさと上質さを持っています。
ディーゼルモデルのみでの比較では
①少々騒々しいが、きびきびと軽快に走るCX-3か?
②静かだが、もっさりフィーリングのCX-30か?
といったところでしょうか。
①と②のよいとこ取りをしたのが、CX-30のガソリンモデルといえそうです。
③高速走行
CX-3
いつものバイパスにのると、すかさずスポーツモードを試すのが恒例となっていますが、マツダのディーゼルモデルにはスポーツモード的なものはないので、ちょっと寂しい気はします。
高速でも軽快さときびきび感は相変わらず変わりません。エンジン音と乗り心地を除けば、特にパワー不足も感じませんし、なかなか元気です。
ただし、兄貴たちと比べるとボディー剛性は低下するので、高速安定性はレベルダウンするのかなと感じました。
高速でのCX-30の様子はというと、出足が悪ければ、全体的な印象も芋づる式に悪くなるもので、重たいフィーリングは変わらなかったですね。
静粛性については、さすがにエンジン回転が増すとそれなりの音は入ってきますが、CX-3ほどの騒々しさではなかったです。
このモデルはスポーティーに走らせるというよりはのんびりとクルージングをこなすという性格のようです。そのあたりはお兄さんたちと共通しています。
乗り心地や直進安定性などはガソリンモデルと同様にレベルが高いと感じました。
PART1のガソリンモデルもひっくるめてまとめると
ディーゼルを買うならCX-3
ガソリンを買うならCX-30
見た目重視ならCX-30
コスト重視ならCX-3
となりそうです。
いずれにせよCX-30を買うなら、圧倒的に走りのフィーリングで勝るガソリンがおすすめです。燃費も数値上はディーゼルとそこまで変わらないです。
長距離が極端に多いという方以外はガソリンモデルを買う方がこのクルマのよさをより享受できると思います。価格も安いですしね。
余談ですが、この先CX-50に続いて、CX-50のクーペ版にあたるCX-50も出るのでは?
あるいはCX-5がCX-50に変わって発売されるのでは?
というまことしやかな憶測もあるようです。
マツダは明らかに欧州を意識してブランド戦略を展開しているだけに、十分あり得ますね。
仮にCX-50がCX-5とは独立して発売されるとすれば、
BMWにおける、X3に対するX4、X5に対するX6のようなモデル展開ですね。
現行のCX-5は前から見るとかっこいいですが、全長がミドルサイズSUVとしては短く、やや詰まった印象なので、CX-30のように高さを下げてワイド&ローにすれば、なかなかクールな仕上がりが期待できそうです。
ついでにパワートレインも一新されれば、今よりもさらに売れるかもしれないですね。
現状ではあくまで憶測レベルなので、新たな情報を待ちたいところです。
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◇MX-30のコラム風試乗レビューを書きました!
☟ぜひご覧ください!
◇CX-30とCX-5の比較記事を書きました!!
☟ぜひご覧ください!
◇CX-30 (2.0Lガソリン編) の記事も
☟ぜひご覧ください!
☆★これまで書いたマツダ車関連全ての記事です★☆
☟ぜひご覧ください!
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おわりに
今回はマツダの新型SUV、CX-30をご紹介しました。
マツダの他のモデルではディーゼルを推すことが多いのですが、CX-30に関しては断然ガソリンの方をおすすめします。
まあ感じ方は人それぞれなので、検討中の方は両方とも試乗して判断するのが一番です。
このCX-30を皮切りにクーペSUV戦略が進んでいきそうなら、この先マツダの動向からますます目が離せないですね。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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