ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回はBMW M235i xDrive グランクーペに試乗してきました。
BMW初のコンパクト4ドアクーペ。
2シリーズにグランクーペがラインナップされることを待ち望んでいたファンの方も多いのではないでしょうか?
そのトップモデルであるM235i試乗の模様を例によってコラム風に綴ってみました。
どうぞご覧ください !
BMW M235iグランクーペ 主要諸元
車名 | M235i xDriveグランクーペ |
---|---|
メーカー | BMW |
車種 | クーペセダン |
排気量 | 2L直4 DOHC 16バルブ ターボ |
最高出力 | 306ps |
最大トルク | 400Nm |
サイズ | 全長4540×全幅1800×全1430 |
燃費 | 11.9km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | 665万円 |
BMW M235i コラム風試乗レビュー
□BMW期待のブランニューモデル
2020年7月某日、BMWディーラーのKさんからM235iグランクーペの試乗車が入ってきたとの連絡をもらい、早速出向いた。
営業のKさんとは以前ディーラー主催の試乗会に参加した時にクルマ談義で大いに盛り上がり、意気投合した仲だ。
その時以来、目ぼしい試乗車があれば連絡をもらうようにしている。
彼はまだ20代であるにも関わらず、BMW以外のメーカーのモデルにも見識は深い。
もちろんBMWを筆頭に推してはくるが、他メーカーのモデルでも気に入ったものは「いいですよねえ」と褒めたたえ、自社のものでもお気に召さぬモデルにはけっこう辛口な批評を下す。
そんな彼のクルマに対するありのままの姿勢が気に入った。
当日ディーラーに出向くと、Kさんは急な商談が入り同乗できなくなった旨を詫びた。
Kさんと話ができないのは残念だったが、その代わり小一時間好きなところを乗り回してよいという許可をもらった。
以前アウディA5スポーツバックで同じような状況となり、その時は詳しくないエリアだったため、何かあってはならぬと緊張の連続だったが、今回は慣れ親しんだ道が多いエリアなので、その点は心配ない。
お言葉に甘えて存分にM235iを楽しませてもらうとするか。
しかも普通のモデルではなく、Mパフォーマンスモデルなのだから、ラッキーなことこの上ない。
スタッフの女性にガレージに案内されるとスナッパー・ロック・ブルーというやや緑がかった艶やかなカラーのM235iが待ち受けていた。
ブランニューモデルなだけあって、コンパクトなサイズの割りには独特の存在感を放っていた。
最近はSUVでもちょうどいいサイズ系が流行ってきているが、クーペセダンタイプのこのモデルもまたありそでなさそな微妙なサイズ感である。
フロントはBMW最新のデザインコンセプト通り、キドニーグリルが大きくなったアグレッシブな顔つきだ。
またこのトップモデルは高級感漂うメッシュグリルとなっていてノーマルモデルとの差別化が図られている。
3シリーズでも同じことがいえるが、小ぶりなサイズのキドニーグリルがついた前の2シリーズの顔の方がバランスが整っていて個人的には好ましく思える。
やはり全体的にちょっとグリルが肥大化しすぎだろうか?
新型4シリーズの超特大版まで突き抜けてしまえば、また印象もガラッと変わってくるかもしれないが、、、
サイドはワンモーションで描かれたなだらかに傾斜していくルーフラインが流麗で美しいプロポーションを際立たせている。
しかし4シリーズや8シリーズのグランクーペなどと比べると全長の関係でやや伸びやかさに欠け、ことスタイリッシュさに関しては上級モデルには若干及ばないと感じた。
一方上級モデルにも共通する最新デザインのテールエンドはセクシーな雰囲気でこちらは前のモデルよりも好印象である。
2シリーズグランクーペはこれまでにない、隙間をついたボディスタイルでまた新たな客層を呼びそうな予感を十分にさせるモデルだ。
□市街地・高速・ワインディングを試す
女性スタッフに見送られ、M235iに乗り込み出発。
以前にMモデルには乗ったことはあるが、Mパフォーマンスモデルはこれが初めてだ。
コクピットも現行の3シリーズなどと同様に最新のデザインが採用されている。
タコメーターが逆になっているのには少し慣れが必要だ。
インテリアは従来から比べるとそれなりに洗練されてはきたが、やはりメルセデス・ベンツ、アウディに比べるとやや地味で質感も多少トーンダウンするのは否めない。
そのマイナス分を走りのインパクトで補えるかが注目だ。
せっかくなので、市街地・高速・ワインディングを一通り試した。
まずは市街地走行。
意識したのは以前に試乗した同じハイパフォーマンスモデルにあたるメルセデスAMG CLA45 S 4MATIC+だ。
ただしCLA45は421ps・500Nmという2.0L最強のスペックでパワーではM235iを大きくリードする。
正確にはその下に位置するCLA35(306ps・400Nm)が直接のライバルとなるだろう。
加速はさすがにスペック通り力強い。踏めば450Nmものトルクがもりもりと沸き上がり、車体をグイグイと前に押し出す。
0-100km加速4.9秒を誇る、レスポンスに優れたリニアな加速感はCLA45よりも強力に思えた。
ただし乗り心地はかなりハードである。
18インチのランフラットタイヤは路面のインフォメーションをあますことなく、コツコツと伝えてくる。
運転好きな人にはたまらないかもしれないが、乗り心地のよさを重視する人にはやや不向きで、その意味では乗る人を選ぶキャラクターではある。
この点もCLA45と共通するポイントだ。
短い距離をスポーティーに走るのには適しているが、長距離となるとこの硬さがジャブのように効いてきて、ちょっと疲れるかもしれない。
実際1時間近く乗った後、クルマを降りる頃には初めてのクルマということを差し引いてもけっこうな疲労感があった。
もう少し落ち着いて悠々と走りたいなら、ノーマルの218iでもいいかもしれない。
全幅は先頃のクルマとしては短めの1800mmに押さえられているので非常に取り回しやすい。
ブレーキはいわゆる「かっくんブレーキ」とまではいかないがハイパフォーマンスモデルらしくよく効く部類である。
さておまちかねの高速タイム。
市街地ではややじゃじゃ馬感の強いM235iだったが、高速ではどうか?
高速入り口の上り坂に入った瞬間、待ちきれずスポーツモードに切り替える。
アクセルのツキがよくなり、太いステアリングもよりいっそう重さを増すとM235iはあり余るパワーで持って急坂をもろともせず颯爽と駆け上がる。
これはまちがいなく劇的系スポーツモードだ。
最近の試乗でつくづく感じていたのが、やんわり系スポーツモードが主流となりつつあること。
ノーマルモードとの差があまり感じられないので、実際購入した後は使わないんじゃないかと勘繰りたくもなる。
その点さすがは走りのBMWだ。
刺激的な音の演出がまた心憎い。
俊敏なアクセルレスポンスにリンクする野太いエキゾーストノートを響かせながら、本線突入後も荒馬のようにしゃかりきに加速していく。
また速度が高まるにつれてよりフラット感が強まり、安定したクルージングをみせる。もしかすると上質さでは3シリーズを凌ぐかもしれない?
しかし、、なんだろう?
まちがいなく速いのだが、これが気持ちよいか?と問われれば少し首をかしげざるを得ない。
直列4気筒が主流になったとはいえ、いまだBMWの代名詞である直列6気筒エンジンと比べてしまうと、いささかガサツな乗り味でデリケートさに欠ける気がするのだ。
同じ4気筒エンジンを積むCLA45でもやはり同じことを感じた。
6気筒エンジンはシルキーシックスと形容されるだけあって、もっとなめらかで懐の深い加速を見せる。
「懐の深い」という言い回しも抽象的で、その気持ちよさを的確に言い表すのは決して容易ではないが、実際乗り比べてみたらそのちがいは明確だ。
伝統の6気筒+FRセダンをこよなく愛してきたユーザーにとってはこのFFベースのニューカマーにはやや不満を感じるかもしれない。
そんな思いを抱きながら、高速を下り峠道へと向かう。
峠道のワインディングコースへ入ったとたん、M235iは一段と生き生きし、いよいよその真骨頂をみせる。
市街地ではややギアのつながりなどぎくしゃくする場面も見られたが、ここではまさに水を得た魚のような走りっぷりだ。
連続するコーナーでもハナ先がすっと入り、ラインをきれいにトレースして小気味よく曲がっていく。アンダーステアーもさして気にならない。
世のモータージャーナリストの多くは「よく曲がる」という表現を頻繁に使うが、詳しくない人からしたら「クルマは曲がって当然じゃん」 と思うかもしれない。
しかしBMWに乗るとこの「よく曲がる」という感覚が本当にしっくりと腑におちる。
切れ味鋭いハンドリング、路面に吸いつくようなしなやかな動き。
これぞまさしく「駆け抜ける歓び」だ。
ワインディング試乗を終え、ディーラーへ帰還する道すがら、このクルマはどういった層に向いているか?考えてみた。
刺激的な加速とハードな乗り味を持ったこのモデルに似つかわしいのは、やはり走り好きの独身男性、または子育ても一段落し、やっと自分好みのクルマを選べるようになった中高年世代だろうか?
いや、もちろんそれもそうだが、このモデルにはクルマにあまり興味のない昨今の若い世代にこそ試しに乗ってみてほしい。
余計なお世話であることは百も承知で、、、
このクルマをワインディングなどに持ち込んで自分の手で操ってみれば、クルマは見た目だけじゃないということに気づき、クルマの魅力に一気に目覚めるきっかけとなるかもしれない。
BMW M235i試乗【総評】
総合評価/74点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★ |
広さ | ★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★ |
燃費 | ★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★★ |
ライバル車…メルセデスAMGCLA45、同CLA35 など
◇BMW新型5シリーズ530eの記事を書きました!
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◇新型M3&M4の巨大キドニーグリルについての考察記事を書きました!
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◇スカイライン400RvsBMW M340i xDriveの記事を書きました!
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◇メルセデスAMG CLA45の記事も
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◇他のBMWの記事も
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おわりに
今回はBMW M235i xDriveグランクーペをご紹介しました。
いつもよりも長めに試乗することができ、BMWの優れた走行性能を改めて実感することができました。
2シリーズグランクーペには今年の8月に218d(ディーゼルゼデル)も追加されたようなので、機会があればまた乗ってみたいです。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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