ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回はコラム風レビュー第4弾、ホンダ初の量産EVホンダe試乗の模様をお送りします。
愛嬌たっぷりのユーモラスな外観、先進的な内装、走りの特徴などについてレポートします。
どうぞご覧ください !
ホンダe 主要諸元
車名 | ホンダe |
---|---|
メーカー | ホンダ |
車種 | EV |
最高出力 | 154ps |
最大トルク | 315Nm |
サイズ | 全長3895×全幅1750×全高1510 |
航続距離 | 259km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 4名 |
車両価格 | アドバンス 495万円 |
ホンダeコラム風試乗レビュー
□偶然にもホンダeはいた
11月某日、「そうだ、ホンダeに乗りに行こう」ふとそう思い立ち以前何度かお世話になったディーラーに出向いた。
到着するとすぐさま若い感じの営業マンが近寄ってきた。以前の担当者とはちがう人だ。
ホンダeの試乗車ありますか?
そういうと相手はちょっとびっくりしたような顔つきとなり、
「あれっ?どっかで噂きかれました?」と返してきた。
噂???いや、特に何も、、、
「そうなんですね。実はついさっき2時間程前、入ってきたばっかなんですよ」
といって、若い担当者は奥の方を指さした。その方角を辿ると確かにその先にホンダeはいた。
ボンネットのセンター部分に充電コネクターが差し込まれている。どうやら食事中のようだ。
ホンダeは明らかに「普通のクルマではないよ」というオーラを放っていた。最近でいえばマツダのMX-30を初めて見た時も同じような印象を抱いた。
へー、それはラッキー! 各ディーラーに必ず1台はあると思っていました。
「いえいえ、とんでもない。試乗車どころか、各都道府県に割り当てられた販売台数は決まっていて、この地域は残り1台です。」
へーー、全く知らんかった。
「持ってますねー、お客さん。最後の1台どうですか?」
「持っている」といえば、RAV4PHVの時も全国的に試乗車が少ない中、乗ることができたし、つい最近では新型レヴォーグの先行試乗会に出くわし、幸運にも予約なしで乗ることができた。
それぞれのシーンを振り返りながら
確かに持っているのかもなあ と独りごちる。
「そうですよー、これも何かの縁ということで、この際ホンダeのオーナーになるってことでどうですか?」
会ってからものの5分も経たないうちに2回もプッシュしてくるとはな。若いのになかなか商売気が旺盛だ。
とりあえずみせてくれるかなあ?
□ガジェット感満載
それにしても愛くるしい表情をしている。
新しいけど、どこか懐かしい、といったまるでレトロと近未来が融合したようなデザインだ。
先頃フルモデルチェンジを受けた同社の軽自動車N-ONEにも共通する愛嬌がある。
このユーモラスな表情は数あるメーカーの中でもホンダしか出せない気がする。
外観を360°一通り見渡した後、運転席に移る。
まず乗り込む前のドア部分が先進的だ。
リモコンキーを持って近づくと、ドアの取っ手がスッと手前に出てきて、それに触れるとロックが開錠される。
設定次第ではスマホを使っての開錠や起動もできるそうだ。
運転席に乗り込むと、前面にひろがる全部で5つの液晶画面がいやが応にも目に入る。
運転席の前にメーター用、中央の2つはナビゲーション地図など様々な情報や画像を映し出すことができる。
まるでアイパッドが並べられているみたいで、やたらガジェット感が強い。
なんならこのクルマ全体がガジェットそのものといってもあながち間違ってはいないだろう。
この感じだとApple好きの今どきの若者にはウケるかもしれない。でもいざ購入となると金銭面ではちょっと難しいとは思うけど、、、
出典:webCG
さらに両サイドにはドアミラーの代わりとなるサイドカメラミラーが2枚設置されている。
ドアミラーがないせいで、視界は格段に広くなるが、カメラミラーを見る際の視点移動が若干気になるところだ。そのあたりは実際に乗ってみればわかるだろう。
ダッシュボードやセンターコンソールには木目調の素材が使われているが、マツダ内装の本杢 (ほんもく) 加飾に比べるとややチープな感じがした。
さあ、そろそろ走ってみるとするか。
□走りは思ったよりしっとり重厚
走る前にまずイメージしたのはリーフやキックスe-POWERの日産電気自動車勢だ。
どちらもEV特有のヌルヌルっとした軽快な出足だったことをよく覚えている。
さて、対するこのホンダeはどうか?
センターコンソールにあるスタートボタンを押してアクセルを踏んでみると、
おやっ?
思っていたのとはちがい、出足に日産勢ほどの軽快さはない。
というかこの手のクルマとしては比較的のそっとした立ち上がりだ。
そのかわりしっとり重厚な乗り味で、コンパクトカーにありがちな安っぽさは全くない。
出典:carview
あれ?
これって減速ブレーキの設定はないのかな?
リーフやキックスe-POWERは減速(回生)ブレーキを使ったワンペダル走行がメインだ。
アクセルを離すと設定によってはわりと強めに減速するので、最初は違和感を覚えるが、慣れてくるとこれが次第に癖になる。
特にキックスe-POWERはワンペダル走行の進化を如実に感じることができた体験だった。(詳しくは過去記事をご覧いただきたい)
「たぶん、パドルで切り替えれますね」
担当者の助言通り、パドルシフトを操作してみると減速が効き、ワンペダル走行ができるようになった。
減速の程度は3段階まで切り替えれるようだ。
一番強い設定でもかっくんかっくんするほど極端な設定ではなく、まずまず自然なフィーリングで走行できた。
「シートがソファみたいで快適ですわ」
後部座席に乗った担当者がおもむろにそういった。
確かにこのシート(☟画像)なら長時間乗っても疲れない気がする。あっ、でも航続距離の具合でそんなに長くは乗れないか、、、
出典:webCG
心配したサイドカメラミラーはやっぱりちょっと視点移動が必要で慣れるまでには時間がかかりそうな気配だ。
その代わりAピラー付近の視界はすこぶるよく、曲がる時の死角もかなり少ないように思われる。
「そこを左に曲がってもらうと少し加速できる道に出ますんで、、、」
担当者の指示通り、左折すると視界が開け、確かに郊外の飛ばせそうな直線に出た。奇跡的にクルマも近くには見当たらない。
「遠慮なくどうぞ」
ではお言葉に甘えて、、
例によってスポーツモードに切り替え、アクセルを踏み込むとあっという間に法定速度をオーバーする勢い。
スタート時に軽く踏んだ時のもたつき感を帳消しにするスムーズで豪快な加速をホンダeはみせた。
この加速感は以前乗ったリーフe+に勝るとも劣らない印象だ。
EVながらFRであることが効いているのだろう、背中を押されるGもそこそこ感じられる。
しかもボディーがどっしりと安定していてスピードにのってもフラフラする印象は微塵もなく、とてもコンパクトカーの走りとは思えない。
超刺激的とはいかないまでも、このかわいい見た目でこれだけ走るなら羊の皮をかぶった狼といえなくもないのではないか?
モーター加速は鋭く、EV特有の無音でいつのまにかスピードが出ている、といった普通のクルマにはない感覚を味わえる。
めっぽう速いと噂のテスラやポルシェタイカンにもいつかは乗ってみたいものだ。
これまで体験したことのない異次元の加速にきっとアドレナリンが出まくることだろう。
このホンダeもそんなスーパーEVほどではないにしても「お主、かわいい顔してなかなかやるやないか」といった感じ。
街乗り中心とのことだが、低速でのフィーリングはわりと重めなので、真価を発揮するのはむしろ高速クルージングではないか?
しかし高速では思いっきり電費を使ってしまうので、航続距離が259km~283kmと短いホンダeには不利なシチュエーションだ。
街乗り中心ということなら、もう少しきびきびとしたフットワークだったらよかったのに、、、。
そのあたりは訴求ポイントと走行フィーリングがちょっとちぐはぐな印象を受ける。
そんなことを考えながら無言で走っていると、後ろで退屈したのか担当者が話しかけてきた。
「EVとか興味あるのですか?」
(あるから乗ってみてるんだけどね、、、)
まあ、それなりに。
テスラとか一回乗ってみたいですね。
「ああ、いいですよね~。ぼくはレクサスのNXに乗るのが夢です」と彼は唐突に宣言した。
(いきなりやな? それもEVちゃうんかい、、、しかも他社だし、、、)
えっ? てことはホンダ車以外に乗ってもいいってこと?
思わずタメ語になった。
「別にしばりはないので、、、でもさすがにレクサスで出社して、ホンダのクルマを売るというのは他のスタッフの手前やりにくいでしょうけど、、、」
そうかぁ、考えてみれば、何に乗ろうと勝手だわな。
マクドナルドで勤めてたってモスバーガーは食べるやろうし、、、(イマイチな例え)
不思議とこれまでクルマ営業の人は自社のクルマに乗っているのが常だったので、それが当たり前だと思い込んでいた。
もしかしたら「自社のクルマでないとだめ」なんていう発言はこの節パワハラにあたるのだろうか?
しかし仮に他社のクルマに乗るのがOKだったとしても営業中にお客の前で堂々とレクサスがほしいというのもどうかと思わないでもないが、、、
まあでも「クルマに興味がない」とか「クルマは走ればそれでいい」という考え方に比べれば、よっぽどいいわとおっさんは思うのであった。
いつか夢がかなうといいね。
「あざます、きっと乗ってみせます!」
(なんか今までにないパターンだ)
さてホンダeである。
まとめるとガジェット感満載のなかなか魅力的なモデルだが、ちょっと価格がお高いのとやっぱり航続距離が短いのが気になる。
いくら街乗りメインといっても、せめて300kmは余裕で走ってほしいところ。
450万も出せばそこそこのクルマが買えるので、メインというよりはセカンドカー的な感じでお金持ちが買うのかもしれない。
最新のi-Phoneを持つ20代で起業した若手IT社長が通勤の足(片道30分くらいの)として使うといったイメージがありありと目に浮かぶ。
♪クルマはあくまでも快適に暮らす道具。
♫クルマに乗らないと いけない ワケではないぜ Yeah!
もちろん車内に流れているBGMはこれだ。
ホンダe試乗【総評】
総合評価/76点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★ |
広さ | ★★★ |
静かさ | ★★★★★ |
乗り心地 | ★★★★ |
燃費 | ★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★ |
人気度 |
★★★★ |
ホンダeはこんな人に向いている
◎普段の足として使えるガジェット的なセカンドカーがほしい。
◎街乗り中心でEVに興味のある方。
◎人とはちがうとにかく目立つクルマに乗りたい方。
ライバル車…リーフe+、ノートe-POWER、キックスe-POWER など
MX-30
日産電気自動車勢の記事も
☟ぜひご覧ください!
おわりに
今回は話題のEV、ホンダeをご紹介しました。
現在ホンダeは、すでに第一期分の販売台数に達したため、受付を一時停止しているとのことです。
このクルマをきっかけとしてEV時代の幕開けとなるか?
これからの動向に注目したいです。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
ホンダ車関連全ての記事です。
☟ぜひご覧ください!
☟記事が「おもしろかった」「ためになった」場合はバナーをクリックいただけると、とてもうれしいです。