ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回は「新型M3&M4の巨大キドニーグリルはダサい?ダサくない?」と題しまして、以前書いた新型4シリーズ記事の続編をお送りします。
新型4シリーズを実際に見た感想と新型M3&M4とのデザイン比較(主にグリル)をコラム調で綴ってみました。
どうぞご覧ください !
新型M3&M4コラム風試乗レビュー
□ハロー! ビッグキドニーグリル!
1月某日、BMWのKさんに新型4シリーズの試乗車がないか問い合わせたところ、試乗車はまだないが展示車ならあるとのことだったので、早速ディーラーに足を運んだ。
新型4シリーズといえば、大型のキドニーグリルで話題は持ちきりだ。筆者も以前にこの話題を取り上げ、記事にした。以下はそれの一部だ。
昨今では確かに大型のグリルが流行りではありますが、由緒あるBMWのキドニーグリルでよくも悪くもここまでやるか?というのが私の率直な感想でした。
実際、ネットの評価を見ても「かっこいい」や「イケてる」というよりも「ダサい」とか「ブタ鼻のよう」とか「マスクしてるみたい」といった否定的な意見の方が目立っていました。
BMW新型4シリーズの巨大キドニーグリルについて考察! より抜粋
上記の通り巨大キドニーグリルのコンセプトモデルが発表された当初、世論の声は賛否両論だったが、実車が上陸するとSNSなどでは「実際に見るとダサくない」とか「思ったよりもイケてる」とかいう好意的な意見もチラホラみられた。
かくいう筆者もおそらく実車をみれば、同じような印象になるのではないかと予想していた。
Kさんとしばし雑談を交わした後、クルマの準備ができたとのことで、外に出た。
さて、いよいよご対面の瞬間である。
ドドドドドーーーーン
(新型4シリーズ登場の効果音)
目の前に現れた褐色の巨体。このモデルはM440ixDriveだ。
なぜなのかは不明だが、日本にはいきなりトップモデルから上陸となったようだ。
このクルマのスペックは以前試乗したことのあるM340ixDriveと同じなので、大体走りの想像はつく。
残念ながら今日は試乗はできないので、このデザインをじっくり吟味したい。
まずは否が応にも話題の巨大グリルに目を奪われる。
で、でかい
いざ目の前にしてみるとやはりとてつもなくでかく見え、予想以上のインパクトである。
正面から何枚か写真を撮ったが、ジャングルに潜む猛獣にギロっとにらまれているようで、その威嚇的な視線に身がすくむような気さえする。
確かに写真で見るより実物はいい気がする、、、がしかし、
このグリルにはなんだかとってつけたような違和感がありはしないか?
そんな疑念が沸き上がってきた直後、
「どうですか?新型の4シリーズは?」
と、Kさんが誇らしげな笑みをたたえて早速聞いてきた。
彼はずいぶんとこの新型の顔つきを気に入っているようだ。
あっ、あー。(我に返る)
い、いいですね。(汗)
やっぱり写真で見るより、実物は全然かっこいい。
実際そういう風に思うだろうと想定していたので、あらかじめ用意していた言葉が自然に出てしまった感じだ。
しかし心中ではいいのか悪いのか今の時点では決めきれない半信半疑の自分がいた。
こちらがそんなことを考えているとは露ほどにも思わないKさんは共感を得ることができて、、、
「ですよね。ですよね。めっちゃかっこいいですよね。○○さんならきっとそういってくれると思ってました!」
とはしゃいだ感じでいった。
その無邪気な様子を見ていると、
(そうだよな、これはかっこいいのだ)
と無理にでも納得しようとする肯定派の自分が現れた。
(とってつけたかのような違和感があるのは単純にまだ慣れていないだけだ)
と肯定派の自分がもう半分の自分にいい聞かせようとする。
とりあえずフロントマスクの是非はさておいてKさんに促されるまま、サイドからリアに回ってみる。
サイド・リアビューには全くもって隙がない。
サイドは先代よりも、流麗なクーペフォルムに一層磨きがかかっているし、リアも8シリーズっぽくて3シリーズよりも断然オシャレだ。
(うん、やっぱりこれはいい、まちがいないわ、シナリオ通り実車を見て納得だ)
肯定派が一気に優勢となる。
♪これでいいのだ~。これでいいのだ~。
しまいには頭の中にバカボンのテーマが流れた。
新型4シリーズクーペ
出典:response
そして再び前に回って、もう一度フロントグリルをおそるおそる見る。
DOKKAAAAANNN!!!
(知る人ぞ知る車田正美的効果音)
う~ん? やっぱりこの顔は、、、どうよ???
おっと、ここで否定派の自分が登場。こちらはとってつけた感がどうしても振り払えないようだ。
再び半信半疑の渦に押し戻された。
そのあと、運転席に座って内装を確認したり、エンジンをかけてアクセルをふかしたりと、ひとしきりM440iを鑑賞させてもらった。
内装もゴージャスだし、伝家の宝刀である直6完全バランスエンジンのマフラー音も相変わらず官能的な音色を奏でている。
だが、こちらをギロッと威嚇してくるこの顔つきはどうだ?
このデザインは完全バランスなのか?
思わずそう問い正したくなった。
さてさて、いささか腑に落ちない気分だったが、ご対面もここまで。
帰り際、Kさんがお約束の一言をかけてくる。
「○○さん、ぜひ買ってくださいよー」
ははははは、(苦笑い)
そうですね。
これはマジでほしいです。
心とは裏腹にまた口が勝手に回った。
□新型M3&M4衝撃の登場
それからしばらくは他のクルマの試乗などをして、新型4シリーズのことはしばらく忘れていた。
というより「あまり考えないようにしていた」というのが正確かもしれない。
ただ確実に巨大グリルへの疑念に基づくモヤモヤした思いは心の中に存在した。
しかしそのモヤモヤを一気に解消する出来事が起こった。
M440iのさらに上に位置するM3&M4の新型モデルが4シリーズ同様に巨大キドニーグリルを装着して登場したのである。
新型M3&M4 出典:webCG
この姿をネットで目にしたときは別の意味で衝撃だった。
なぜなら、この新型M3&M4では巨大グリルが妙にしっくりおさまっていたからだ。
同時に先に見たM440iがなぜダサいのか、(おっと! 失礼)、ダサくみえるのか、実車を見たときの例の違和感の正体がわかったような気がした。それについてはのちほど触れるとしよう。
それにしてもこのM3&M4はめちゃくちゃイケてるではないか。
縦長のキドニーグリルが車体にうまく調和していて、長渕剛の名曲ではないが、何の矛盾もない。
同じフォルムを持ちながらも、M440iとは全く印象が異なる。
これは一体なぜなのか?
ここからはそのあたりを3つのポイントを上げて徹底検証していきたい。
その①
ボンネットとグリルの一体感
ボンネットとグリルの一体感こそがM3&M4がかっこいいと思える最大の理由だと思われる。
ボンネットの先端の凹凸(エアアウトレットというらしい)から自然にグリルに直結する造形がスポーティーで、迫力満点の戦闘的なフロントマスクをかたち作っている。
対するM440iはグリル回りの縁取りのせいでグリルがボンネットと完全に独立しているように見えるので、とってつけたような違和感を抱かせる。
その②
グリルが黒で統一され、余計な模様がない
ポイント②も①に次いで大きな要素である。グリル内がブラックで仕上げられていることで、より引き締まった感じが増す。
逆にM440iのグリル内には余計な(といっては失礼だが)模様が点在する。
あのセリウムグレイのブツブツ感はM340iでは高級感を醸しだす結果となったが、このM440iでは図らずもグリルのとってつけた感を際立たせる結果となったようだ。
その③
単純にグリルがでかい
これは意外と気づきにくい点かもしれないが、明らかにM3&M4のグリルの方がM440iよりも縦方向にでかく強烈なインパクトを放っている。
M440iのグリルもけっこうでかく見えるが、M3&M4ほどではなく、大きさもやや中途半端だったかもしれない。
最初にお披露目されたコンセプトモデルに対する世間の否定的な反応にメーカーサイドがひよったのか、若干こぶりになっての登場となったようだ。
以上の考察からM3&M4のフロントマスクについては、風向きが180度変わった評価となった。
基本的には同じフォルムであるが、ディテールが少しちがうだけで、評価もがらりと変わるので、クルマのデザインとは不思議なものだ。
個人的にはM3を購入すれば、さらに特別感が増すと考える。
なぜなら新型M4が基本的に4シリーズのデザインを踏襲しているのに対し、新型M3はもとの3シリーズとは全く別物の顔となったからだ。
先代M3はF30型の3シリーズがベースとなっていて、いろいろと手が加えられ、迫力は増してはいるが顔自体は同じだった。
新型M3はMパフォーマンスモデルであるM340iと比べても存在感は圧倒的に勝る。
Mモデルを所有しているという優越感も大いに感じられることだろう。
M340iに比べると当然価格は高くなるが、断然こちらがおすすめである。
新型M3 出典:webCG
M340i 出典:autoc-one
もちろん、もう一方のM4もえげつないほどかっこいい。
もしかするとM440iを見てデザイン面で二の足を踏んでいた人もこの新型M4なら納得のできではないだろうか?
しかし乗り心地はまちがいなく、M440iがいいだろう。
最近のMパフォーマンスモデルはMモデルにも劣らぬ動力性能を持ちながら、Mほど過激ではなく、快適性をも重んじたモデルとしての位置づけが明確となってきた。
しかしそれを考慮した上でもやはりM4を選びたくなる。
筆者は以前M5に試乗した経験があるが、確かにやんちゃな雰囲気ではあるものの、街乗りから高速まで特に問題なくこなせると感じた。
とはいえ、Mモデルなので、こちらも価格は一気に跳ね上がる。
廉価モデル420i の特別仕様車で“M4スタイルバージョン”なんてのが30万増しぐらいで出てくれれば、検討の余地はありそうだ。
まずありえないと思うが、、、。
新型M4 出典:webCG
とりとめもなくなってきたので、そろそろまとめに入ろう。
ともかく新型M3&M4の巨大キドニーグリルを主軸に置いたデザインはハンパなくかっこいいし、何より個性的だ。
4シリーズだけだと「これってどうよ?」と半信半疑に陥ったのは事実だが、新型M3&M4の電撃的な登場で「これはいい」と賞賛する人も少なからずいるはずだ。
他モデルに加えて、この縦長デザインが加わったことはBMWにとっても大きな強みとなるだろう。
ライバルであるメルセデス・ベンツのAMGやアウディのRSモデルなどと比べても、今のところデザイン面では頭一つ抜けた印象ではないだろうか?
機会があれば、是非試乗もして、走りの実力の程をじっくり確かめたい。
新型M3&M4 出典:webCG
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おわりに
今回は「新型M3&M4の巨大キドニーグリルはダサい?ダサくない?」をお送りしました。
初めて新型4シリーズにご対面した時には???となってしまいましたが、新型M3&M4で一気に大逆転。
答えはダサくない、なんて次元じゃなく、めちゃくちゃにかっこいい!
この迫力満点のマスクとマッチョボディにめろめろといった感じです。
今後、この巨大キドニーグリルはどんなクルマに採用されていくのかBMWの動向に注目ですね。
これからも各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!!
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