ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回は2020年10月にマイナーチェンジされた新型アウディA4アバントに試乗してきました。
試乗している間に前回のレヴォーグSTI Sportのことをとっさに思い出したので、比較記事としてお送りします。
日独人気ワゴン対決、勝利するのはどちらか?
どうぞご覧ください!
A4アバントvsレヴォーグ 比較
車名 | A4アバント |
---|---|
メーカー | アウディ |
車種 | ステーションワゴン |
排気量 | 2.0L直4 ターボ |
最高出力 | エンジン249ps |
最大トルク | 370Nm |
サイズ | 全長4760×全幅1845×全高1435 |
燃費 | 12.9km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両価格 | 45 TFSI quattro advanced 609万円 |
車名 | 新型レヴォーグ |
---|---|
メーカー | スバル |
車種 | ステーションワゴン |
排気量 | 1.8L直噴ターボDIT |
最高出力 | 177ps |
最大トルク | 300Nm |
サイズ | 全長4755×全幅1795×全高1500 |
燃費 | 13.7km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両価格 | STI Sport 409万2000円 |
☆今回の比較モデル☆
〇アウディA4アバント45 TFSI quattro advanced
〇レヴォーグSTI Sport EX
①サイズ
《全長》
A4アバント > レヴォーグ
【+5mm】
《全幅》
A4アバント > レヴォーグ
【+50mm】
《全高》
レヴォーグ > A4アバント
【+65mm】
全長はA4アバントがわずかに5mm上回りますがほとんど変わらないといっていいでしょう。
全幅もA4アバントが上でこちらは50mmとだいぶちがいますね。
全高だけはレヴォーグが勝り何と65mmも高いです。確かにレヴォーグを試乗したときの視界はSUVほどではないにせよ高めでした。
一方のA4アバントは着座位置が低めでレヴォーグよりもスポーティーな印象を受けました。
②最高出力/最大トルク
【最高出力】
A4アバント > レヴォーグ
【+31ps】
【最大トルク】
A4アバント > レヴォーグ
【+70Nm】
最高出力・最大トルク共に圧倒的にA4アバントが勝ります。
下位グレードの35 TFSIとの比較だとレヴォーグの方が上です。予測ですが35 TFSIは数値通りレヴォーグよりも非力に感じるのではないかと思います。
走りの詳細については試乗比較コーナーにて。
③燃費
レヴォーグ > A4アバント
【+0.8km/L】
燃費はレヴォーグがいいですね。加えてA4アバントはハイオク仕様、レヴォーグはレギュラー仕様なので、年間の維持費もだいぶ差が出ることでしょう。
④車両本体価格
A4アバント > レヴォーグ
【+199万8000円】
価格は約200万円の差でA4アバントが上回ります。
う~~~ん。そう考えると装備が充実したレヴォーグSTI Sportのコスパの高さが光りますね。さらにレヴォーグは下位グレードを選べば300万代で購入可能です。
A4アバントも35 TFSIのノーマルモデルを選べば484万円で購入できます。
⑤フロントデザイン
ビッグマイナーチェンジが行われたA4アバントの顔つきは従来型よりもさらにシャープでワイルドな面構えとなりました。
大型化され迫力を増したシングルフレームグリルやバンパー両サイドの五角形の大胆なインテークが目を引きます。
きりっとシャープでデザインに一分の隙もない大人のワゴンといった佇まいです。
前にもどこかで書いたかもしれないですが、アウディのデザインはSUVよりもアバントやセダンの方がより魅力を発揮できると個人的には思います。
対するレヴォーグですが、新型になってこざっぱりしたデザインに変貌を遂げ、単体で見るとこちらも十分にかっこいいのですが、やはりA4アバントと比べてしまうとデザインの洗練度や高級感でやや劣ることは否めません。
こうしてみるとグリル形状はいずれも六角形で厚みはちがえど似てるっちゃ、似てますね。
A4アバント 出典:response
レヴォーグSTI Sport
出典:bestcarweb
⑥サイド・リアデザイン
全長はほぼ同じサイズですが、A4アバントの方がサイドの伸びやかさでは勝っている感じがします。
レヴォーグは車高が高いことも影響してか、Cピラーからリアにかけてこんもりとした塊感があるのが特徴です。
A4アバントのリア、フロント同様に新しいデザインのLEDが先進的でクールビューティーなスタイルです。
対するレヴォーグのデザインもすっきりとまとまっていて、フロントよりもリアの方がどちらかといえば好みですね。
A4アバント 出典:response
レヴォーグSTI Sport
出典:bestcarweb
A4アバント 出典:response
レヴォーグSTI Sport
出典:bestcarweb
⑦運転席インテリア
A4アバントの水平基調となるインパネのデザインは従来型と同様ですが、ダッシュボード中央部のディスプレイが全モデルにおいて大型のタッチパネル式に変更され、より見やすく使い勝手も向上しました。
レヴォーグの内装はかなり進化していて、A4アバントに決して負けていません。
特にレッドステッチが目を引くSTI Sportだと高級感もいっそう増し、いいクルマを操っているという感覚に浸れます。
⑧後部座席・ラゲッジ
A4アバントの後部座席スペースも従来型からの変更は特にありませんが、座面から天井までの高さもそこそこあり、大人が余裕をもってくつろげる空間になっています。
レヴォーグは車高で勝るので、よりゆったりとしたヘッドクリアランスが確保されています。
後席の背もたれは3分割式となっており写真のようにリクライニングが可能です。
A4アバント通常使用時のラゲッジ容量は495リッター。後席をすべて前方に倒せば容量を1510リッターまで拡大できます。
強いていえば車高の高いレヴォーグが使い勝手の面では少し有利かなと思います。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗比較を行います!
Coming up Next !!
A4アバント 後部座席
出典:webCGレヴォーグSTI Sport 後部座席
出典:webCG
A4アバント ラゲッジ
出典:webCGレヴォーグSTI Sport ラゲッジ
出典:webCG
A4アバントvsレヴォーグ
試乗比較
今回はA4アバント45 TFSI quattro advanced、カラーはグレイシアホワイトメタリックを用意していただきました。
いざ試乗スタート
早速運転席に乗り込むと、やけに着座位置が低く感じました。シートポジションを調節するとまずまずいいあんばいにはなりました。
それでもレヴォーグよりはドライビングポジションがだいぶ低くスポーティーな印象を受けます。
インテリアはマイナーチェンジ前とほとんど変わっていないとのことですが、旧A5スポーツバックに乗ったときより、質感が高まった気がします。(気のせい?)
相変わらずアウディらしい、一つ一つのパーツが丁寧に作り込まれたクオリティーの高さを感じます。
今回のマイナーチェンジのパワートレインに関する最大のトピックは12Vマイルドハイブリッドシステムが搭載されたことです。
よく見るとトルクは同じですが出力はなぜか3psほど落ちているみたいですね。
アクセルに軽く足をのせると、待ってましたとばかり、すっと車体が前に出て行きます。早速マイルドハイブリッドの効果が表れたようですね。
マイナーチェンジ前のA5スポーツバック(旧A4アバントと同じ2.0Lクワトロモデル)の時よりも明らかに出足のレスポンスは上がっています。
唐突ですが、その時のことを振り返ってみましょう。
アクセルをまずは一踏み。
(う~んやはりな)
A3の時にも感じたのですが、やっぱりちょっともたつく感じですね。
どうしても輸入車には俊敏な反応を期待してしまうのですが、これも穏やかなセッティングが好まれる時代の要求でしょうか?
アウディA5スポーツバック クワトロ試乗! より抜粋
今回のマイナーチェンジで私の声が届いたのかマイルドハイブリッドの恩恵もあり、出足はかなりよくなりました。
もたつきなどはいっさい感じられず、だからといってレヴォーグのような極端な立ち上がりではなく極めてナチュラルにエンジンが吹け上がります。
そのまま公道に出てもぎくしゃくする感じもなく、静かにスムーズに進んでいきます。
アウディ特有のカチット感(剛性感)はありますが、そのフィーリングに強引なものはなく、車体の動きを素直に自然に受け入れることができます。
マツダ車も全般的に同じようなカチット感を伴う乗り味なのですが、相性の問題なのかどうしても強制力が強い気がして不自然なフィーリングを抱いてしまうのですが、このA4アバントに関してはそういった印象は皆無です。なんだか不思議。
バイパスへ向かういつもの交差点の信号が青だったのでそのまま大きくステアリングを切って左折。
おおおおーー! なかなかいい感じでクイックに曲がりますね。
走りがいい分はステアフィールにも大きく影響しているのでしょう。
そして曲がりっぱな、アクセルを少し強めに踏んでプチ加速。
ああああー! いいですね~。
どんなシチシュエーションでも意のままにすっとトルクが立ち上がり、車体が軽快に動いていきます。
カチット感と軽快さのバランスが非常に際立っていますね。
ここまでの評価ではレヴォーグと比べると、走りの質感ではこちらが一枚上という印象です。
レヴォーグの浮遊感を伴う加速も魅力ではありますが、そのあとの動きはA4アバントに比べるといい方は難しいですが、ややがさつな感じがしました。
さていよいよ高速です。思えばこの合流車線で旧型のA5スポーツバックはなかなか鋭い加速をしたのをよく覚えています。
振り返ってみましょう。
やがて今日一番の目的である高速に突入しました。
合流車線でダイナミックモードに入れ、一気にアクセルを踏みます。前回は市街地で、しかもけっこうな交通量だったので、ほとんど踏むことはできなかったです。
(うりゃあああああーーー) という心の声ね。
出足から一気に踏み込めるシチュエーションではだいぶ印象がちがいますね。
アクセルのもたつき感もほんの一瞬ですし、何より252psのパワーにクワトロの威力は絶大です。
右車線へ出て一気に2~3台を苦もなく抜き去りました。
「やればできる子」だったのですね。
高速巡行でもクワトロが効いて、少々スピードが出てもふらつくこともなく、非常に安定しています。
エンジンは飛び抜けて個性的という感じではありませんが、静粛性に優れ、ジェントルな味わいの走りを提供してくれます。
高速での優雅でコンフォート性に富む走りと乗り心地はまさにクワトロの真骨頂、さすがはアウディだなと思わせてくれました。
アウディA5スポーツバック クワトロ試乗! より抜粋
この時と同じタイミングで瞬時にダイナミックモードを選択してフル加速。
はい、はい、はい。
高速では以前と大体同じフィーリングですね。
思いっきり踏み込んだ状態ではマイルドハイブリッドの恩恵はそこまで感じられなかったです。
アウディの場合、他の車種でもそうですが、ダイナミックモードにしたからといってアクセルのレスポンスはそこまで極端に変わりません。
代わりにステアリングの手応えが重たくなって街中よりもカチット感が増します。
ステアリングの重さとクワトロの吸いつくような走りが相まって、直進安定性はめちゃくちゃく高くその点にはいつもながら感心させられます。
こと直安に関してはドイツ3強の中でもアウディが一番ではないでしょうか?
ここで今度はレヴォーグの高速を思い出してみましょう。
100kmを超えたとたんに勢いが尻すぼみとなるクルマも多いが、そういったネガもとくには感じられない。この1.8Lは評判通りのいいエンジンだなと改めて思う。
うん? しかし、なんだろう?(でたぁー)
レベル高く、隙のない走りではあることはまちがいないが、何かが腑に落ちない。
些細ではあるが超個人レベルの違和感のようなものがある。
無理やり難癖をつけているわけではない。
できれば最後まで「いい走りだった」で終わりたいのは山々だ。
しかしあの有名なCMばりに
「こんの~~! そこに刺激や高揚感はあるんか~~?」
と大声で聞かれたら、素直にYESといえないこんの、いや、自分がいる。
一体、なんでなんやろう?
そうか、、もしかすると、、スバル評ではつきものとされるCVTの問題か?
スバリストを初め、運転にうるさいクルマ好きからの指摘が多いとされるCVT。
スバルではリニアトロニックと呼ばれているトランスミッションのフィーリングについてのネガな指摘はよく見かける。
指摘されるのはたいていCVT特有のエンジン回転だけ先行して上昇し、後から車速がついてくる感覚。
トルコンATのようなダイレクトなシフト感をよしとするドライバーにはかなり気になる部分のようだ。
確かにいわれてみれば、新型レヴォーグの場合、浮遊感を伴う加速は圧倒的だが、そのあと車体がスピードにのっていくフィーリングはやや微妙だ。
速いといえば速いが「気づいたらスピードが出てしまっていた」というような味気ない感覚でアクセル操作とクルマの動きがややちぐはぐな気がする。
そこまで速度を出せないワインディングでは気づかなかったが、高速ではもろにそれが露呈した印象だ。
新型レヴォーグSTI Sport EX試乗! インディビジュアルモードを堪能!
より抜粋
上記のようにレヴォーグの高速試乗では浮遊感を伴う出足後の加速で図らずも走行フィーリングに得体の知れぬ違和感を感じてしまったわけですが、
A4アバントを操りながら、まさにそのことを思い出している自分がいました。
結論として、レヴォーグに感じたような違和感はこのA4アバントには全くなかったです。
加速からスピードに乗るまでよどみなく、しっとりなめらか、クワトロが生み出す接地感の高いジェントルな走りをたっぷり披露してくれました。
値段の差もあるから当然といえば当然ですが、やっぱり高速でも走りはワンランクもツーランクも上ですね。
そこに高揚感はあるんか~?(ここで再び天の声)
答えは「ある」と思います。
このA4アバント、べらぼうに速いというわけではなく、パワー的にはスペックが示す通りだと思うのですが、何よりマイルドハイブリッドが加わったことで劇的に走りのフィーリングがよくなりました。
しっとり気持ちよく、100kmくらいでずっとアクセルを踏み続けていたいと思わせるくせになりそうな乗り味を持ってますね。
直近ではレクサスIS300hと甲乙つけがたい出来だといえるでしょう。
下位グレードの35 TFSIは乗るまでもなく、少し値は張りますが、走りにこだわるなら断然こっちでしょうね。
かなり印象はよかったので、A4アバント単体記事でもよかったのですが、レヴォーグの時に感じた違和感をとっさに思い出し、勝手に頭の中で比較していた感じです。
とはいえ、レヴォーグも先代に比べるとその差をぐぐぐっと縮めるぐらいの大幅な進化を遂げているのはまちがいありません。
どちらかといえば、将来登場するであろう2.4Lモデル(ハイパフォーマンスモデル)と比べるべきですかね。
パワー&トルクはまちがいなくレヴォーグが上回ってきますので、あとは1.8Lで感じた違和感のようなものがどれだけ払拭されるかが試乗の焦点となりそうです。
2.4Lが投入され、乗ることができた暁には改めて比較したいと思います。
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A4アバントvsレヴォーグ【総評】
※トータル10点を2台の車に配分して評価
総合評価
A4アバント 52点 > レヴォーグ 48点
外観 | A4アバント/6 レヴォーグ/4 |
---|---|
内装 | A4アバント/5 レヴォーグ/5 |
速さ | A4アバント/6 レヴォーグ/4 |
広さ | A4アバント/5 レヴォーグ/5 |
静かさ | A4アバント/6 レヴォーグ/4 |
乗り心地 | A4アバント/6 レヴォーグ/4 |
燃費 | A4アバント/5 レヴォーグ/5 |
取りまわし |
A4アバント/5 レヴォーグ/5 |
コスパ | A4アバント/4 レヴォーグ/6 |
人気度 |
A4アバント/4 レヴォーグ/6 |
【総評】
A4アバントが僅差で勝利。1番大きいのは走りの質感である。A4アバントはあらゆるシーンで見た目同様に隙のない走りだった。決して派手ではないが、ドイツ車らしいカチッとした乗り味とアウディらしい質の高い走行性能を随所で感じさせられた。
レヴォーグの浮遊感を伴う出足も魅力的だが、そのあとの気持ちよさが持続するフィーリングがもう一歩。とはいえ国産を代表するワゴンとして、このセグメントのドイツ車とも十分に渡り合える実力を持っていることは疑いない。近い将来登場するであろう2.4Lに大いに期待したい。
◇新型レヴォーグSTI Sportの記事
◇アウディA5スポーツバックの記事
も、ぜひご覧ください☟
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回は新型アウディA4アバントと新型レヴォーグSTI Sportの比較をお送りしました。
走りのちがいはありますが、いずれも魅力的なワゴンでした。SUVばかりでなく、ステーションワゴン人気がこの2台によって高まってくるとクルマ選びも一段とおもしろくなりそうですね。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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