ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回はスカイラインの最強モデル400RとBMW3シリーズの同じく最強モデルであるM340i xDriveとの比較レビューをお送りします。
強力なハイパフォーマンスを誇る2台の日独スピードスター対決!
果たしてどちらに軍配が上がるのか?
どうぞご覧ください!
スカイライン400RvsBMW M340i 比較
車名 | スカイライン400R |
---|---|
メーカー | 日産 |
車種 | セダン |
排気量 | 3.0LV6 DOHC 24バルブターボ |
最高出力 | エンジン405ps |
最大トルク | 475Nm |
サイズ | 全長4810×全幅1820×全高1440 |
燃費 | 10.90km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両価格 | 562万5400円 |
車名 | M340i xDrive |
---|---|
メーカー | BMW |
車種 | セダン |
排気量 | 3.0L直6 DOHC 24バルブ ターボ |
最高出力 | 387ps |
最大トルク | 500Nm |
サイズ | 全長4720×全幅1825×全高1445 |
燃費 | 11.7km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両価格 | 985万円 |
☆今回の比較モデル☆
〇スカイライン400R
〇BMW M340i xDrive
①サイズ
《全長》
400R > M340i
【+90mm】
《全幅》
M340i > 400R
【+5mm】
《全高》
M340i > 400R
【+5mm】
全長は400Rが90mmほど長いですが、全幅と全高はM340iが5mmずつ上回るだけで、大体似かよったサイズといっていいでしょう。
全長が長い分は400Rが多少大きく見えるかもしれません。
②最高出力/最大トルク
【最高出力】
400R > M340i
【+18ps】
【最大トルク】
M340i > 400R
【+25Nm】
最高出力は400R、最大トルクはM340iが上です。
プラマイゼロでパワーはとんとんといったところでしょうか?
実際に乗ってみても大きな差は感じませんでした。いずれも十二分にパワフルであることはまちがいありません。
走りの詳細については試乗比較コーナーにて。
③燃費
M340i > 400R
【+0.8km/L】
燃費は4WDであるにもかかわらずM340iがわずかながらリードです。M340iはもちろん400Rもハイオク仕様です。
④車両本体価格
M340i > 400R
【+422万4600円】
価格はM340iの圧勝。400Rを購入した上で、もう1台そこそこのランクのクルマが買えてしまうほどの差です。
価格だけみれば、同等のパワースペックを持つ400Rのコスパの高さがうかがえます。
多くの評論家がコメントしていますが、M340iの弱点はオプションを入れれば、軽く1000万円を超えるこの価格ですね。
3シリーズで1000万はいくらこのモデルを気に入ったとしても、誰しもが「ちょっと待てよ」といったん踏みとどまってしまうことでしょう。
同じお金を出すなら、上のセグメントにも様々な選択肢があり、悩ましい選択となりそうです。
⑤エクステリアデザイン
400Rは日産エンブレムの復活とVモーショングリルが与えられ、GT-Rを彷彿とさせるいかついフェイスとなりました。
ただノーマルモデルとの外観上の大まかな差異がリアの400Rのロゴと、ドルフィンアンテナがついていないぐらいで、もう少し最強モデルらしい差別化があってもよかったのかなとは思います。
スカイラインの象徴とされる丸形の2連テールライト復活は往年のファンにとってはうれしいポイントです。
スカイライン400R
出典:responseBMW M340i
出典:autoc-one
対するM340iの方もノーマルの3シリーズと比べると、キドニーグリルやリアディフューザーなどが専用デザインとなっているぐらいで普通の人が見たらあまり気づかない程度の違いにおさまっています。
最初はキドニーグリルが随分肥大化したなあ~と思っていましたが、新型4シリーズのご存じビッグキドニーグリルが登場した今となっては3シリーズは普通の見た目に落ち着いたといえます。
フロントデザインは個人的には先代のF30型の方がきりっとしたイケメンで好きでした。
逆にリアデザインは現行のスリムなL字型の方がすっきりとまとまっていて好印象です。
スカイライン400RvsBMW M340i
試乗比較
スタート、市街地、高速の3部構成で2台の比較レビューを行っていきます。
①スタート
スカイライン400R
車名が表す通り400馬力超えということで、クイックな出足を期待しましたが、最初のアクセル一踏みに対して車体が動くまでほんの少しタイムラグがある感じがしました。
だからといって、特にストレスに感じられるというレベルではありません。
なんせ400Rですからね。その名に相応しい俊敏な立ち上がりを期待してしまうのは無理のないところ、、、まあスタンダードモードなのでこんなものでしょうか。
高速でのスポーツモードに期待したいところです。
BMW M340i
対するM340i、こちらもノーマルモードにあたるコンフォートモードで始動。
おおおおおー、さすがはBMW。
アクセル操作に対して敏感にトルクが立ち上がり、車体がスムーズにすっと前に出ます。
この、クルマの動きが「手の内にある感じ」がBMWの真骨頂ですね。
クルマを形容する際によく人馬一体という表現が使われますが、正直なところ「えーっ?そうかあ?」と思えるものも多い中、この表現はBMWにとってまさにどんぴしゃのワードではないでしょうか?
6気筒エンジンを積んでいるので、鼻先にはそれなりの重さを感じますが、それをものともせず、骨太のトルクで持って軽々と進んでいきます。
出足の俊敏性や力強さはトルクで勝るM340iの方が一枚上といえそうです。
②市街地走行
スカイライン400R
公道に出て、改めてアクセルを強めに踏み込むと今度はレスポンスよく、グワっとトルクが出て背中がシートに張りつくほどのG (以下、張りつくG)を感じました。
実は最近のハイパフォーマンスモデルではこの「張りつくG」をあまり感じなくて、物足りない気もしていましたが、400Rはひとたびスピードにのれば刺激的・官能的といってもいい過ぎではない加速力を披露してくれました。
この時点で以前乗ったハイブリッドモデルとは見た目は変わらないけど中身は明らかに別物ということがわかります。
19インチの大径タイヤを履いていて、サスペンションもそれなりに締め上げられてはいますが、乗り心地もそこまで悪くはないです。
アクセルにちょこんと足をのせて巡行している分には穏やかな普通のクルマといった雰囲気です。アクセルを踏めば一瞬にして狼に豹変しますが、、、
ただしこの車格としては内装の質感が今一歩なことが多大に影響して、走りの上質さやドライバーをその気にさせるフィーリングには今一つかける印象です。
ハイブリッドモデル試乗時も以下のような感想を述べていました。
スカイラインのコクピットはシートの座り心地もよく、適度な包まれ感です。
インテリアはマイナーチェンジ前とあまり変わっていないようで、ちょっと設計の古さを感じます。
この試乗車は500万超のクルマなので、もう少し運転する気にさせる内装だといいかなと思いました。
新型スカイライン ハイブリッド試乗!
より抜粋
BMW M340i
これまで3シリーズはエントリーモデルの320i、ディーゼルモデルの320dと乗ってきましたが、どちらも硬めのセッティングだったことをよく覚えています。
特に320dに関しては320iを超える予想以上のハードな乗り味に珍しく閉口してしまったことをよく覚えています。
ちょっと振り返っておきましょうか。
対する320dですが、乗り始めてすぐ
「硬っ!!」と思わず口にしてしまいました。特に荒れた路面というわけでもなく、いたって普通の道なのですが、コツコツ、コツコツと振動が細かく伝わってきて、
♪コツコツとアスファルトに刻む足音を踏みしめるたびに、おれはおれであり続けたいそう願った…..
と、昭和の名曲が頭をよぎったくらいです。
320dのステアリングも320iと同じくぶっとくて、走る気持ちを高ぶらせる感じではありますが、何でしょう?
ちょっとディーゼルっぽいですかね。
もちろんディーゼルなので、ディーゼルっぽいのは当たり前なのですが、さっき述べましたようにディーゼルらしからぬディーゼルが昨今多い中、この車はエンジン音といい、ステアリングからぶるぶると微妙に伝わってくる振動といい、コツコツと拾うアスファルトからのインフォメーションといい、全てがディーゼルそのもの。
これぞまさしくザ・ディーゼルという感じです。
もちろんディーゼルを求める人はディーゼルらしい豪胆さや無骨さを嗜好するという人も多いわけで、それはそれでいいのですが、「ディーゼルとは思えない走り」がなんとなく評価される昨今ではちょっと評価が下がるかもしれません。
日常域の速度で乗ってみても、乗り心地は320iよりも明らかに硬いですね。走りのフィーリングもどちらかといえば、重たい印象です。
この時点で320iの方が断然いいなあという思いで乗っていました。
BMW3シリーズ 320d vs 320i G20型試乗比較! より抜粋
上記の通り、320dの硬さは尋常ではなく、普段「これは無理やわー」なんてそんなに思わないのですが、この時ばかりは「ちょっと無理かも」と思ってしまいました。
さてM340iの方ですが、3シリーズの最強モデルであり、387馬力500Nmというあり余るパワーを押さえ込むため足回りも一層ガチガチに固められているのかと思いきや、肩すかしをくらうほどに穏やかなセッティングとなっていました。
おまけにBMWの直6ですから、走りのなめらかさや気持ちよさは当然お墨付きです。
トップモデルらしく、駆け抜ける歓びも最上級レベルです。
市街地でも400Rに負けじと、静かでしなやかな走りを見せてくれました。最新のメーター機器や高いボディ剛性も影響して上質感では400Rを一歩も二歩もリードしています。
先代の6気筒モデルにも乗ったことがあるのですが、その時感じられたシフトショックもほとんど感じられないですね。
先代モデルの低速から徐々にシフトアップしていく感覚もけっこう好きだったので、あまりにもなめらか過ぎて少しさみしいくらいです。
市街地のせいぜい60kmぐらいの走行では、2台のパワーの差は変わらないですね。勝負は高速に持ち越しましょう。
③高速走行
スカイライン400R
おまちかねの高速タイムです。すかさずスポーツモードに入れ、スペースをうかがって加速を試みます。
お約束通り、足が硬めとなり、ステアリングも重たく手応えを増しました。
この400Rは日産が世界に先駆けたダイレクトアダプティブステアリング(DAS)を採用しているのが、一つの特徴となっています。
日産のサイトではこのDASについて、
ステアリングの動きからドライバーの意図を読み取り、ドライバーのステアリング操作を電気信号に置き換えてタイヤを動かし、タイヤ角度とハンドル角度、操舵力を独立して制御するテクノロジーである。
と説明されています。
先進的な技術である一方で動画などをみると操舵フィールに違和感があるという意見も散見されます。
そのあたりはよくも悪くもぴんとこなかったですね。
高速なので、ゆるめのカーブぐらいしかなかったですが、ステアリングを切ったときの応答性や直進安定性も特に問題なかったです。
それでもそれがすごくいいか?と問われれば、いたって普通で、ハンドリングの切れ味はやっぱりBMWには叶わないという気がしました。
ヤバいのは加速ですね。深く踏み込んだ時の後輪がホイールスピンを起こすほどの瞬発力は絶大な魅力です。
エンジンもV6らしく上までよどみなく回り、回転数が高まるごとにヴォリュームを増す甲高いエンジン音もなかなかに官能的で、やる気を増幅させてくれます。
高速でも「張りつくG」はかなりのものでした。ちゃんと前を向いていないと首を持っていかれそうなパワフルぶり。羊をかぶった狼は確かにいましたね。
ただこの「張りつくG」に関しては好みが分かれるところですね。もしかするとこの過剰ともとれるレスポンスに一抹のこわさや不安を感じる人も中にはいるかもしれません。
あと繰り返しになりますが、内装の雰囲気がいまいちなことがドライバビリティーを損なっているので、そのあたりは改善の余地ありかなと思います。
BMW M340i
さてM340iの高速です。こちらもすぐさまスポーツモードに変えて挑みました。
エンジン音が一気に勇ましくなりますね。400Rの甲高い音とは対照的にBMW直6の重低音サウンドが心地よく響きます。
このあたりのドライバビリティーはさすがですね。
走りは互角といってさしつかえない2台ですが、ドライバーをその気にさせる演出はBMWの方に一日の長があります。
スポーツモードを選択すると乗り心地はややハードになり、路面からの突き上げもあることはありますが、そこはよくいわれる「角が取れた丸い感触」というやつで路面の凹凸やつなぎ目などをうまくいなしていきます。
BMWの車種はクルマが手の内にある感覚とハードでありながら、角の取れた決して不快ではないダイレクトな乗り味がどの車種にも共通して感じられるアドバンテージといえますね。
400Rに比べて思ったのは、このM340iの場合、意外にも「張りつくG」が薄いことです。
後ろから気押されるような強制感はなく、クルマがドライバーのアクセルやステアリング操作に対してあくまで忠実に反応することで自然で安心感のある速さを生み出しています。
そのためスピードが出ていてもこわいとか、不安といった要素はほとんどありません。
このあたりのフィーリングが直6のいわゆるシルキーシックスと呼ばれるゆえんでしょうね。
最新の駆け抜ける歓びは単に速いだけではなく、安心感と上質な気持ちよさの上に成り立っているように感じられます。
最近ではV8エンジン搭載モデルの出来もすばらしく、直6のフィーリングをさらに味わい深くさせた極上の乗り味・走り味を備えているようです。
試乗車を探すのはなかなか難しいとは思いますが、このV8エンジンを採用する8シリーズのM850iや5シリーズのM550iなどにもぜひとも乗ってみたいです。
スポンサーリンク
スカイライン400RvsBMW M340i 【総評】
※トータル10点を2台の車に配分して評価
総合評価
400R 47点 < M340i 53点
外観 | 400R/4 M340i/6 |
---|---|
内装 | 400R/3 M340i/7 |
速さ | 400R/5 M340i/5 |
広さ | 400R/5 M340i/5 |
静かさ | 400R/5 M340i/5 |
乗り心地 | 400R/5 M340i/5 |
燃費 | 400R/4 M340i/6 |
取りまわし |
400R/4 M340i/6 |
コスパ | 400R/7 M340i/3 |
人気度 |
400R/5 M340i/5 |
【総評】
M340iが6ポイントの差をつけて勝利。パワーは互角だが、走りのなめらかさ、気持ちよさ、そしてクルマとの一体感という観点でBMWが一枚上だったといえる。唯一の弱点は価格だろう。乗り心地は硬めだが、同じ3シリーズの320iや320dでも十分な性能を持っているので、いろいろ悩んだ末に「こっちでいいか」となってしまう気もする。
その点、コスパでみれば400Rは優秀。このハイパフォーマンスモデルを500万円台で買えるというのは内外装のネガを差し引いても十分におつりがくる。この2台のうちどちらかを買うとなったら、お金に余裕のある人は別だが400Rを選ぶ人が多いのではないだろうか?
また400Rは意外にも若者世代に人気があるという。格好いいだけでなく走りのよさがクルマを買う基準として復活するなら、これほど喜ばしいことはない。
◇関連記事もぜひご覧ください☟
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回はスカイライン400RとBMW M340iの比較レビューをお送りしました。
400Rは欧州プレミアムセダンに対抗できる貴重な国産モデルです。性能は肉薄しているので、内外装に不満がなければ、選ぶ価値は十分あると思います。
M340iは価格が高いのがたまにきずですが、1度乗れば、その上質でなめらかな乗り味・走り味に酔いしれることでしょう。
興味のある方はぜひご試乗を!
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
☆★☆Back Number☆★☆
☟記事が「おもしろかった」「ためになった」場合はバナーをクリックいただけると、とてもうれしいです。