ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回はBMW新型3シリーズに試乗してきました。
BMWの基幹モデルである3シリーズはこの4月にフルモデルチェンジを受け、7世代目になりました。
まずは日本向けに先行導入されたという320i Mスポーツを試しました。
BMWが提唱する「駆け抜ける歓び」は今回も感じられるのか?
その進化のほどはいかに?
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
BMW320i 試乗 どんなクルマ?
新型も「駆け抜ける歓び」は健在、プレミアムスポーツセダンの代表格!
車名 | BMW320i Mスポーツ |
---|---|
メーカー | BMW |
車種 | セダン |
排気量 | 2.0L直4 DOHCターボ |
最高出力 | 184ps |
最大トルク | 300Nm |
サイズ | 全長4715×全幅1825×全高1430 |
燃費 | 15.2km/L (JC08モード) |
乗車定員 | 5名 |
価格帯 | 3シリーズ 452万~632万 |
車両本体価格 | 320i M Sport 583万円 |
□クルマの概要
BMW3シリーズは長きにわたり、Dセグメントのスポーツセダンとして、人気街道を突っ走ってきました。
初代3シリーズは1975年に登場し、その後40年以上にわたって世界中で販売され、世界累計販売台数が1500万台を超えるメガヒットモデルとなっています。
今年4月、8年振りにフルモデルチェンジを受けた新型は7世代目にあたります。
日本国内でもベンツCクラス、アウディA4などと共にプレミアムスポーツセダンとして認知されており、クルマ通の間では開発コードで呼ばれることも多いです。
今回の新型はG20、ちなみに先代モデルはF30と呼ばれています。
このG20では新しいプラットフォームが採用されており、ボディサイズは全長、全幅、ホイールベースがちょっとずつ大きくなっています。
特に全幅は1800mmの大台を超えました。
先代モデルでは日本市場のことも考慮し全幅を1800mm以下にとどめていたようですが、今回は25mmオーバーとなったようです。
現行のクラウンですら日本で扱いやすい1800mmを死守している状況の中、3シリーズの幅拡大をちょっと残念に思うユーザーの方もいると思います。
逆に全幅が拡がったことにより、ワイド&ローの迫力あるエクステリアになったことを歓迎するユーザーも少なからずいるのではないでしょうか。
3シリーズと言えば、その豊富なバリエーションが魅力の一つですが、現時点で導入されているモデルは2.0Lターボで出力ちがいの330iと320i、ディーゼルエンジンを搭載した320dとなっています。
今回の試乗車320iはわざわざ日本市場向けにチューニングされたエンジンを搭載し、本国よりも先行して発売されたそうです。
このことからも、いかにBMWが日本のマーケットを重要視しているかがわかりますね。
さて、いちはやく日本に導入された320iは一体どんな走りを見せてくれるのか?
先代からどれだけ進化しているのか?
試乗コーナーでじっくりお伝えします。
□エクステリア・インテリア
新型BMW3シリーズのデザインは基本的にキープコンセプトであり、バッと見はさほど大きな変化は感じられませんが、よくよく見ると細部は変わっていることがわかります。
まずトレードマークであるキドニーグリルが大きくなって、しかも真ん中でつながったのですね。
ヘッドライトも彫りが深くシャープになりました。
先代(F30)の方がよかったという意見も多いようですが、全幅が広がったことで堂々として見え、車格もワンランクアップしたかのような印象を受けます。
ただし、グリルが大きくなったせいで、グリル下の部分がナンバープレート上部と若干かぶってしまっているのがちょっと惜しいですね。
リアはテールランプの形が逆L字型となり、先代よりもスマートになった気がします。
出典:価格.comマガジン
右が先代F30 左が新型G20
出典:motor-fan
ちなみに今回はグレードがスタンダードかMスポーツのみとなったようで、先代にあったラグジュアリーなどの細かい設定はなくなったようです。
スタンダードモデルは☟下の写真の通り、サイドバンパー部分のビスが横倒しになったようなデザインがちょっと微妙 (?)なので、ほとんどの人がMスポーツを選ぶような気はします。
先代と比較してこのG20は確かにサイズはアップしていますが、見た目も実際に動かしてみた感覚も「すごく大きくなった」とは感じませんでした。
出典:autocar.jp
インテリアはだいぶ変わった印象です。派手さはないですが、直線基調のシンプルで機能的なデザインとなっています。
メーターパネルは12.3インチのカラー液晶タイプが採用され、左にスピードメーター、右にタコメーターがレイアウトされていて、中央にはカーナビのマップが表示可能です。
流行りの先進的なコクピットにはなっていますが、先代のメーターの方が見やすかった気もします。
タコメーターの針が逆に(右から左に)振れる形式となっており、慣れるまでには時間がかかりそうです。
後部座席は全長が長くなった分、居住性は増しています。3分割式のリクライニング機能が備わっており、快適性も向上しています。
トランクルームの容量も5人乗車時で480Lと十分。
足先をバンパーの下にかざすだけでトランクを開け閉めできるので、両手に荷物を持っているときなどは便利ですね。
運転席・後部座席・ラゲッジ
出典:webCG
□動力性能・燃費
新型3シリーズのラインナップは今のところ
330i (2.0Lガソリンターボ)
320i (2.0Lガソリンターボ)
320d (2.0Lディーゼルターボ)
となっています。
それぞれのスペック(最高出力・最大トルク・燃費/WLTCモード)は以下の通りです。
□330i
258ps・400Nm・13.2km/L
□320i
184ps・300Nm・13.1km/L
□320d
190ps・400Nm・15.3km/L
ちなみに今後追加されていくモデルは
システム合計出力292psを発生するプラグインハイブリッドモデルの330e
最高出力387psの3L直6ターボを搭載する最上級モデルM340i
上記モデルの予約はすでにスタートしており、9月下旬の納車が予定されています。
さらにおなじみのツーリングモデル (ワゴン)もドイツ本国では発表されていますので、日本への導入時期などの詳細も近々報じられると思います。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
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BMW320i 試乗レビュー
今回はBMW新型3シリーズ320i Mスポーツ、カラーはモデルカラーにもなっている新色のポルティマオ・ブルーを用意していただきました。
いざ試乗スタート!
思えば先代の320iにも過去に試乗した経験があります。ずいぶん前の話しですが、非常に軽快な動きをするモデルだったことを覚えています。
エンジンをかけて自然にステアリングに手をかけました。
(おーーーっと)
まずはステアリングのブッとさにたまげました。
この太さは好みが分かれるところでしょう。ドライブ気分がアガるので、個人的には嫌いじゃないです。(もう少し細くてもいいけど)
逆に細すぎると、ハンドルカバーををつけたくなってしまいます。しかしこのハンドルには市販のものはたぶんつかないでしょうね。
そんな野太いステアリングの感触を確かめながら、アクセルに足を乗せます。
(おーーーっと)
非常にクイックなレスポンスですね。足を乗せた瞬間に車体がスッと前に出る感じです。
この感覚は久しぶりな気がします。
(ボルボXC60以来かな)
公道に出て60Kmぐらいで軽く流します。
ステアリングが太いこともあってか、どっしりとした安定感がありますね。
軽快さと重厚さがうまくコラボした絶妙な乗り味に思えます。
このクルマは純正の18インチタイヤを履いていて、Mスポーツサスペンションなのですが、乗り心地は思った以上にしなやかでいいですね。
路面のコンディションによってはコツコツと音や振動を拾いますが、ショックをうまく吸収している感じで全く不快ではないです。
320iは日本向けに先行導入されているので、もしかしたら足回りも日本人好みの味付けにチューニングされているのかもしれないですね。
(新型、なかなかええやんか)
なんて考えながら、走りに浸っていると、まだ若そうな担当者がおもむろに話し始めました。
「3シリーズ、今のところ苦戦しているんですよね」
「えっ! そうなんですか?走りもよくなっているのに、意外!?」
「今回はラグジュアリーの設定がないのが痛いです」
確かに先代のF30ではスポーツ、モダン、ラグジュアリー、Mスポと様々なデザインラインから選択できる設定となっていました。
ラグジュアリーはその名の通り、見た目もちょっと高級感があり、足回りもMスポに比べて穏やかなセッティングだったと思います。
「Mスポだと硬いんですかね。ぼくはこの感じがちょうどいいですけど」そう言うと、
「私もそう思いますが….万人向けではないのでしょうね」
走りを重視したBMWのスポーティーなテイストは現代のクルマ離れの世の中において、徐々に消費者のニーズにマッチしない状況になってきているのか?
実際、3シリーズはここ数年、宿命のライバルであるベンツCクラスに押され気味であるとのことです。
やはり今の日本ではスポーティーよりもコンフォートが求められるのか?
ならばコンフォート性やラグジュアリーさには定評のあるベンツやアウディがウケるのもうなづけます。
「BMWはエンジン屋なので走りはいいんだけど、しゃかりきすぎてちょっと疲れる印象ですかね」
「長距離のお出かけをするとしたら、行きははりきって運転するけど、帰りは疲れて奥さんに『代わって』ってなる感じです」
「その点、アウディはコンフォート性能が高いので、疲れにくく『行きも帰りも運転するぞー!』という気にさせられるんですよー」
ここで唐突に先日のアウディA3試乗の際、クルマの知識量がハンパないUさんとのやりとりを思い出しました。
この3シリーズ、正直かなり印象はいいのだけど、やっぱり長距離運転すると疲れるのだろうか???
そんな思いがふと去来しましたが、もちろんそんなことを助手席の担当者に打ち明けるわけにもいかず、
「売れ行きの具合では、案外ラグジュアリーが追加されるかもしれないですね」
とあたりさわりない対応で会話をいったん締めくくりました。
気づけば、高速入り口への交差点まで来ていました。
(試乗に戻ろう、今はこの320iに集中すべし!)
高速に上がり、本線合流。
「スポーツモードに入れてもらえますか?」やり方がわからなかったので、担当者にお願いしました。
担当者がすぐさまモードを切り換えるとギアがスムーズにダウンし、野太いステアリングもよりリニアな感触に変わります。
サスぺンションがフワーッと浮き上がるような感触はいつものことながらたまらないですね。
アクセルを踏むと4気筒とは思えない心地よいサウンドと共に、エンジンがなめらかに吹き上がります。
このあたりは走り屋のBMWならではのにくい演出です。
「184馬力でも十分ですね」
「トルクが先代よりもまして300Nm出てるんで、実際だいぶ力強くなってます」
確かに。これなら一つ上の330iを試すまでもないかも?とさえ思わせるほど軽快でパワフルな走りです。
高速でも、ちょうどいいあんばいの乗り心地は全く損なわれることはありません。
(これなら長距離も疲れないかもな….)
考えてみれば、疲れやすい・疲れにくいも人それぞれですからね。それを一般論で考えるのはナンセンスかと….。
疲れやすい人はクルマがどんなに高性能でも疲れるでしょうし、逆に疲れにくい人は車種に関係なく何時間でも走れるスタミナを持っていることでしょう。
高速を下りて、ディーラーへの帰り道も320iは終始小気味よい走りをみせてくれました。
唯一気になったのはレーンキープアシストの精度。
精度が悪いのではなく、よすぎる!
ちょっとでも白線をはみ出そうものなら、強制的に矯正を受け(シャレのつもりはない)、中央に引き戻されます。
(ちゃんと運転せーよー)
とハンドルさばきの不安定さを指摘されているようで、少々わずらわしい気もします。
まああまりにも気になるなら、設定をオフにしておけばいいみたいですけどね。
上級モデルの330iはよりパワフルになるでしょうが、オプションの19インチタイヤを履けば乗り心地もさらに硬くなることが予想されます。
それを考えるとやはり基本スポーティーでありながら、適度にコンフォート性能を兼ね備えたこの320iが今のところベストなのでは?と思えます。
ディーラーを出て帰り道で気づいたのですが、
そう言えばスポーツモードの上にもう一つスポーツ+があったやんか!
(あの担当の人、気をつかって、途中で切り換えてくれたらよかったのに….)
スポーツでも十分楽しめましたので、さらにスポーツ+があるなら、走りに関しては何ら不満はないことでしょう。
もちろん上を見れば、きりがありません。
すでに予約がスタートしている最上級モデルM340iはBMW伝家の宝刀ストレートシックス(V6エンジン)搭載で何とその馬力はぶっとび必至の378馬力!
ライバルに苦戦を強いられていても、さらにパワフルな超ハイスペックモデルを惜しげもなく、投入してくるところにBMWのBMWたる所以(ゆえん)がありますね。
◇BMW新型5シリーズ530eの記事を書きました!
☟ぜひご覧ください!
◇新型M3&M4の巨大キドニーグリルについての考察記事を書きました!
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◇M235iグランクーペの記事を書きました!
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◇320iと320dの比較記事を書きました!
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◇他のBMWの記事も
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BMW320i 試乗【総評】
総合評価/80点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★ |
速さ | ★★★★ |
広さ | ★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★★★ |
人気度 |
★★★★ |
BMW新型3シリーズ320iはこんな人に向いている
〇見た目も走りもしっかり進化した3シリーズに乗りたいという方
〇BMWのデザインや走りが大好きという方
〇現状F30(特に320i)に乗っている方で乗り換えるかどうか迷っている方
新型3シリーズのバリエーションは豊富。やはり売れ筋は日本試乗向けの320iだろう。
長距離を乗る人でディーゼルのフィーリングがOKなら320d
家に充電設備を備えている人は330eが望ましい。経済性もさることながら、0-100Km加速5.9秒という性能も何とも魅力的!
お金に余裕があって、BMWといえば直6(ストレートシックス)というコアなファンには0-100Km加速4.4秒を誇るM340iもあるが、そのお値段は1000万に到達する勢いで過剰と言えば過剰か?
とりあえずスタンダードな320iの走りが予想以上によかったので、ライバルであるベンツcクラス、アウディA4にもおいおい乗ってみて、また比較したいと思う。
ライバル車… メルセデスベンツCクラス、アウディA4、プジョー508、ジャガーXE など
おわりに
今回はBMW新型3シリーズ320iをご紹介しました。
この新型でも「駆け抜ける歓び」をたっぷり堪能することができました。
これから発売されるPHEVやV6モデルもとても楽しみですね。
機会があれば、ぜひ試乗してみたいです。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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