車の芳香剤はむせるので基本使わないブリプリオです。
今回はマツダCX兄弟の末弟にあたるCX-3に試乗してきました。
CX-3は兄弟の中で一番コンパクトなボディーなので、小気味よく扱いやすいのが特徴だと言えます。
昨年の5月にビッグマイナーチェンジがなされ、内外装、エンジン、足回りなど大幅な改良が行われました。
パワーアップしたCX-3は一体どんな走りを見せてくれるのか?
その実力に迫ります。
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
CX-3試乗 どんなクルマ?
排気量1.8Lにパワーアップ! きびきびとした走りや扱いやすさは兄弟随一!
車名 | CX-3 |
---|---|
メーカー | マツダ |
車種 | 小型SUV |
排気量 | 1.8L (SKYACTIV-D1.8) |
パワー | 116ps |
トルク | 270N・m |
サイズ | 全長4275×全幅1765×全高1550 |
燃費 | 16.0~16.2km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | XD Lパッケージ 2WD 286万8480円 |
CX-3(クリーンディーゼルモデル)の主なラインナップを紹介 ☟
CX-3
◆クリーンディーゼルモデル
2WD・4WD
XD Exclusive Mods (特別仕様車)
2WD (286万8480円)
4WD (309万4480円)
XD L Package
2WD AT/MT (283万6080円)
4WD AT/MT (306万2080円)
XD PROACTIVE S Package
2WD AT/MT (272万8080円)
4WD AT/MT (295万4080円)
XD PROACTIVE
2WD AT/MT (263万0880円)
4WD AT/MT (285万6880円)
※CX-3には他の車種と同様、ガソリンモデルもあります。
□クルマの概要
CX-3はマツダSUVシリーズの最もコンパクトなモデルです。2015年に発売され、昨年(2018年) の5月にビッグマイナーチェンジが行われました。
CX-3が属するコンパクトSUVは、世界的なSUVブームの中でも最も競争が激しいカテゴリーです。
ライバルにあたるトヨタC-HR、ホンダ ヴェゼルは随時販売台数ランキングの常連で好調なセールスを維持しています。
輸入車に目を向ければ当ブログでも紹介したBMW X2やアウディQ2などの存在感も大きく、そんな国内外の強力ライバルひしめく中、CX-3はセールス面で苦戦を強いられてきました。
さらに上にCX-5、CX-8と優秀な兄弟たちがいて、予算的に少し手を伸ばせばCX-5が買えてしまうということもあり、余計に萎縮してしまった感もあります。
昨年行われたマイナーチェンジではそんな状況を打開すべく内外装の見直しや排気量アップを中心に大幅なテコ入れが行われました。
エクステリアはフロントグリルやピラーガーニッシュを一新し、これまでのカジュアルな雰囲気から上級モデルと同様に上質な雰囲気に生まれ変わりました。
インテリアも上位グレードでは高減衰ウレタンを用いた新シートやインストゥルメントパネルにはスエード調の素材が採用されるなどの刷新が行われました。
また排気量は従来の1.5Lから1.8Lにパワーアップし、同社コンパクトカーのデミオとの差別化が図られました。
パワーアップを遂げた走りについては試乗のコーナーでバッチリお伝えしたいと思います。
□エクステリア・インテリア
CX兄弟の顔を見比べてみましょう。
同じ鼓動デザインですが、微妙に顔つきが違いますね。
CX-3は末弟なので、ちょっと幼なさが残る感じ、CX-5は思春期真っ只中のすました感じ、CX-8は成人式を迎えた大人の風貌。
ついでにアテンザは威厳ある父、デミオはCX-3より下の妹で末っ子といったところでしょうか。
CX-3 出典:webCG
左からCX-5 CX-8
出典:オートックワン
リアの雰囲気もお兄さんたちとほぼ同じデザインですね。個人的にCXシリーズはリアの方により高級感を感じます。
CX-3 出典:webCG
左からCX-5 CX-8
出典:オートックワン
インテリアも上質かつ機能的にまとめられた抜かりなしのマツダデザインですね。エアコンの丸型吹き出し口はアウディのそれにそっくりです。
後部座席はボディーサイズの関係でそこまで広いというわけではないですが、このクラスの平均的な居住性でしょう。
座ってみたところ、これまでの試乗モデルと比べて極端に差があるということはありません。ラゲッジも同様ですね。
CX-3 運転席
CX-3 後部座席
CX-3 ラゲッジ
出典:webCG
□動力性能・燃費
1.8LとなったCX-3のパワーは105psから116psに向上しています。
従来より力強い走りが期待できますね。ちなみに最大トルク270N・mは従来から変わっていないようです。
燃費は以下の表(マツダ公式サイトより抜粋)の通りです。
CX-3の燃費は一般的であるJC08モードではなくWLTCモードで表記されています。
以下、燃費の表とその説明となっています。(引用部分)
燃料消費率(国土交通省審査値)※2
[2WD(FF)] [4WD] WLTCモード
燃費※316.0~
16.2km/L15.2km/L 市街地モード
(WLTC-L)※312.4~
12.9km/L11.9~
12.0km/L郊外モード
(WLTC-M)※316.7~
16.9km/L15.9km/L 高速道路モード
(WLTC-H)※318.0~
18.2km/L17.0~
17.2km/L出典: マツダ公式サイト
マツダは、2017年6月28日、同社のコンパクトSUV「CX-3」へガソリンエンジン車を追加するとともに、「WLTCモード」の認可を取得したと発表し、CX-3ガソリンエンジン車のWebサイト上でWLTCモードの燃費表記を開始しました。
WLTCモードとは、これまでクルマのカタログに表記されていた「JC08モード」に代わる燃費測定方法のことです。
従来のJC08モードでは燃費の値は1つだけが表記されていましたが、WLTCモードでは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」と3つの走行モードによる燃費とそれらを総合した「WLTCモード」の4つの燃費が表記されるため、ユーザーはそれぞれのクルマの使い方にあわせた実際の燃費をイメージしやすいというメリットがあります。
出典: 価格.comマガジン
漠然としたカタログ数値よりもわかりやすく、リアリティーがありますね。今後は他社にも同じようにWLTCモードを導入してもらいたいです。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
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CX-3試乗レビュー
今回の試乗車はディーゼルモデルのトップグレード(特別仕様車除く)のXD L Packageを用意していただきました。
運転席に乗り込むと、これまでのCXシリーズ同様の上質感がこの末弟モデルからもきちんと伝わってきますね。
助手席の担当者にエアコンの吹き出し口がアウディっぽいと指摘すると、
「そうですね。だいぶヨーロッパを意識しています」と笑みをたたえながらの誇らしげな返答が返ってきました。
今のところ、このディーラーで毎回別の営業担当者にあたっているのですが、皆さん一様に自信に満ちた態度ですね。CXシリーズを初めとする業績の好調ぶりがうかがえます。
とてもいいことだと思います。営業マンに自信なさそうに対応されると、こちらもやる気が失せますし、お客さんの購買意欲も低下しますからね。
というわけで、いざ試乗スタート!
アクセルを踏むと、予想以上に車体が反応よくスッと動き出しました。
これまでの一連のディーゼルモデル試乗では、正直出足がすこぶるいいという印象は受けませんでした。
ディーゼル特有の分厚いトルクが立ち上がるまでに一瞬のタイムラグがあり、アクセルより微妙に遅れてスタートするといった印象でした。
(いったんスタートしたらグワッと飛び出しますけどね)
しかしこのCX-3は車重が軽いこともあってか、他のモデルよりも出足がよく、街中へ出てからもとてもきびきびとした走りを見せてくれました。
この軽快さは兄貴たちの時にはあまり感じられなかったですね。
アテンザを含めた上級車種では軽快感よりもむしろ重厚感の方が際立つ印象でした。
その意味でCX-3の走りは対照的と言ってもいいくらい軽快で、ストレートに「運転が楽しい」です。
1.5Lモデルには乗ったことがないのですが、まちがいなく排気量アップの恩恵が出ていると思われます。
その代わり兄貴たちに比べて、エンジン音がブォォォーーンンンという具合にかなり騒々しいですね。
楽しくてついアクセルを踏んでしまうのですが、踏めば踏むほどにエンジンの音も比例して騒々しさを増していきます。
停車中のカタカタ音(ディーゼル特有の振動)もけっこう気になるレベルです。
そのあたりを担当者に問うと「上級モデルに比べると遮音性が低いからです」との答え。
「なるほど!」すとんと納得がいきました。
振り返ってみれば、CX-5よりはCX-8、CX-8よりはアテンザという具合にグレードが上がるごとにエンジンの静粛性も上がっていったような気がします。
CX-3は当然コンパクトSUVですからボディー剛性の面では上級モデルに劣るわけです。したがってエンジン音もより大きく聞こえるというわけですね。
でも勇ましい音ではありますが、決して不快な音というわけでもないので、これはこれで走りを掻き立てられて好きという人もけっこういるのではないかと思います。
加えて乗り心地についてもドイツ車を意識したのか、単に車格の問題なのか、他のモデルよりも若干固めな印象を受けました。
いつものバイパスタイム突入。
いつもバイパスにのると、すかさずスポーツモードを試すのが恒例となっていますが、マツダのディーゼルモデルにはスポーツモード的なものはないので、ちょっと寂しい気はします。
高速でも軽快さときびきび感は相変わらず変わりません。エンジン音と乗り心地を除けば、特にパワー不足も感じませんし、なかなか元気です。
ただし、兄貴たちと比べるとボディー剛性は低下するので、高速安定性はレベルダウンするのかなと感じました。
速さ自体はこれまでのBMW X2には及びませんが、アウディQ2(1.0Lモデル)とはいい勝負になるのではないかと思いました。
国産ではヴェゼルにはまだ乗っていないので、よくわかりませんがC-HRにはわずかながら上回っている印象でした。
(※速さについてはあくまで個人の感想です)
兄貴たちがファミリーユース中心の車とすれば、CX-3は独身の若者がパーソナルユースで気ままにドライブを楽しむのに相応しい気がします。
またCX-5、CX-8は車幅が1800cmを超えており、都会の繁華街や駐車場では扱いにくい面もあると思います。
その点CX-3は身軽でパワーもそこそこあるので、雑多な街中では威力を存分に発揮してくれることでしょう。
おまけ
すでに発売されていますのでご存じの方も多いと思いますが、以前話していたガソリンの新しいエンジンを搭載したモデルがCX-5とCX-8に追加でラインナップされました。
この日はあいにく試乗車がなかったので、試すことはできなかったのですが、用意でき次第連絡してもらうとう約束をして試乗を終えました。
ニューモデルに試乗できましたら、またレビューしますので、どうぞお楽しみに!
◇MX-30のコラム風試乗レビューを書きました!
☟ぜひご覧ください!
◇CX-30とCX-5の比較記事を書きました!!☟ぜひご覧ください!
◇CX-3とXVの比較記事を書きました!!☟ぜひご覧ください!
☆★これまで書いたマツダ車関連全ての記事です★☆
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CX-3試乗【総評】
総合評価/72点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★ |
広さ | ★★★ |
静かさ | ★★★ |
乗り心地 | ★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★ |
CX-3はこんな人に向いている
〇街中をきびきびとストレスなく走りたい方
〇ディーゼル好きで少々騒々しくてもいいよという方
〇マツダのSUVに乗りたいが、予算的にCX-5、CX-8はちょっと厳しいという方
CX-3のマツダにおけるポジショニングは確かにむずかしいところだ。
兄弟が横並びに並んでいると、どうしても大柄で見栄えする兄貴たちに目がいってしまう。
CX-3も末弟ながらそこそこのお値段はするので、コンパクトなモデルを求めてきた人はひとつ下のデミオに気を奪われることもあり得るだろう。
おまけに外には強力ライバルたちが立ちはだかっているし….
しかしながら、CX-3の魅力はやはりコンパクトなサイズでデイーゼルモデルが用意されていること。
その燃費・維持費の安さはライバル車に比べても大きなアドバンテージとなるはずである。
スタイリングは申し分なく、マイナーチェンジで軽快な走りも身につけたので、今後の巻き返しが期待される。
ライバル車… トヨタC-HR、ホンダ ヴェゼル など
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回はCX兄弟の末弟CX-3をご紹介しました。
乗ってみた率直な感想は「軽快で楽しい」に尽きます。
競争が激しいカテゴリーということはそれだけ各社力を入れてくるので、選ぶ方も「これもいいなあ、待てよあれも捨てがたい」となり、車選びをより楽しめると思います。
このカテゴリーを考えている人はぜひCX-3も候補に入れて、試乗してみてほしいです。
他の車を考えていた人も
「あっ!?これなかなかいいやん!」ってなるかもしれないですよ。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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