ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回は日産の新型スカイラインに試乗してきました。
試乗車は話題のプロバイロット2.0を世界で初めて搭載したハイブリッドモデルでした。
日本を代表するスポーツモデルの歴史を振り返るとともに、最新モデルの走りの実力を試します。
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
スカイライン ハイブリッド試乗
どんなクルマ?
世界初プロパイロット2.0搭載の日本を代表するスポーツセダン!
車名 | スカイライン |
---|---|
メーカー | 日産 |
車種 | セダン |
排気量 | 3.5LV6 DOHC 24バルブ |
最高出力 | エンジン306ps モーター68ps |
最大トルク | エンジン350Nm モーター290ps |
サイズ | 全長4810×全幅1820×全高1440 |
燃費 | 14.4km/L (JC08モード) |
乗車定員 | 5名 |
価格帯 | 435万3800円~616万円 |
車両本体価格 | GT Type P(ハイブリッド) 581万6800円 |
□クルマの概要
スカイラインはクルマ好きなら誰もが知っている日本を代表するスポーツモデルです。
その歴史は古く、初代は1957年に登場しています。
1968年に登場した3代目は箱のような形状からハコスカと呼ばれ、多くのファンを魅了してきました。
ちなみにこのハコスカは最強グレードGT-Rが初登場したモデルでもあります。
続いて1972年に発売された4代目(通称:ケンメリ)は累計販売台数も歴代最高の64万台を達成するベストセラーとなりました。
ちなみにケンメリとはスカイラインのテレビCMに登場していた男女2人がケンとメリーという名前だったことから名付けられたそうです。
上から初代、3代目ハコスカ、4代目ケンメリ
出典:Wikipedia
しかしケンメリの大ヒット以後はライバル車の台頭もあり、スカイラインの販売台数は下がる一方となってしまいます。
ライバル車の多くは1980年代、バブル景気に乗って売れ行きを伸ばしましたが、スカイラインの年間販売台数は6代目が売られていた1984年には10万台を下回っていました。
当時スカイラインはフルモデルチェンジのたびにボディーの拡大と縮小を繰り返してきましたが、開発者は何をやっても回復しない売れ行きに苦悩していました。
やがてバブルが崩壊し、1990年代に入るとミニバンやSUVなどに人気が集中。スカイラインというよりもセダン自体が売れなくなってしまいます。
そんな中、スカイラインは戦略を変更。
11代目から海外では、高級車のインフィニティブランドのラインナップに組み込まれました。
そして現行型の13代目モデルでは、日本国内で売られるスカイラインもインフィニティのエンブレムを装着するようになりました。
世界で販売される高級ブランドのエンブレムをスカイラインに与えることで、イメージアップを図ったわけです。
このあたりトヨタの高級ブランド、レクサスをかなり意識したこともうかがえます。
クルマにあまり詳しくない人の中にはインフィニティーのエンブレムを見て、輸入車と勘違いし、興味を持った人もいたかもしれないですね。
そして2019年7月にマイナーチェンジを受けて登場した現行型では、エンブレムを再び日産に戻しています。
このどっちつかずな展開からもカルロス・ゴーン問題や社長交代などで揺れた日産のドタバタぶりが垣間見得える気がします。
果たしてスカイラインはセダン復権の口火となるのか?
要注目です。
最近の街を走っているクルマの傾向を見ると、カムリやクラウンは中高年に人気でよく見かけますし、輸入車に関してもセダンタイプを選択する人は少なくありません。
そろそろSUVブームも一段落する頃合い (?) なので、セダンが完全復活とまではいかないまでも、シェアを盛り返すことは十分あり得るのではないかと個人的には思います。
レジャーやアウトドアでは大いに威力を発揮するSUVですが、純粋に運転を楽しむという意味ではセダンには及びません。
スカイラインを皮切りに各メーカーから見栄えや走りのいいセダンが登場すれば、今後セダンのシェア復活の可能性もなくはないでしょう。
□エクステリア・インテリア
現行スカイラインがマイナーチェンジで大きく変わった点は日産エンブレム復活に伴って、他の車種と同様にVモーショングリルが採用されたことです。
よくも悪くも今の日産顔になったわけですが、好き嫌いは分かれそうな気もします。
インフィニティー仕様の方が輸入車っぽくてよかったと思っている人も中にはいることでしょう。
個人的には可もなく、不可もなくといったところでしょうか。
サイドビューは抑揚と張りのあるデザインが特徴的です。
こうしてみるとリアにかけてルーフが寝かされていて、最近流行りのクーペフォルムとなっていますね。
リアビューでは伝統の丸目4灯リアコンビネーションランプが復活!
往年のファンにとってはフロントマスクよりもスカイラインのアイデンティティーをより感じられる部分ではないでしょうか。
出典:response
外観よりも気になったのはインテリアの方ですね。
2014年に登場しているので、全体の設計や雰囲気が古いのは仕方ないとして、助手席側グローブボックスの湾曲した形状が何となくいただけない感じでした。
後部座席は実際に座ってみましたが、大人が長時間十分にくつろげる空間でした。足元のスペースはもちろんヘッドクリアランスも問題なかったです。
後部座席後方に走行用バッテリーを積載している関係でトランクはやや狭く、奥のスペースがなんだかデコボコした形状となっているのが若干気になります。
トランクスルーもないということなので、長尺物を積み込むには適していないようです。(ガソリン車はトランクスルーが全グレード標準装備)
運転席・後部座席・トランク
出典:response
□動力性能・燃費
スカイラインのパワートレインは
●3.0LV6ターボ
●3.5LV6ハイブリッド
●400R 3.0LV6ターボ
の3種類。
グレードはV6ターボとハイブリッドがそれぞれ3グレード、最強グレードの400Rで計7グレードとなっています。
それぞれのスペック(最高出力・最大トルク・燃費/WLTCモード)は以下の通りです。
●3.0LV6ターボ
304ps・400Nm・10.0km/L (WLTCモード)
●3.5LV6ハイブリッド
306ps(68ps)・350Nm(290Nm)・14.4km/L (WLTCモード)
※( )はモーター出力・トルク
●400R
405ps・475Nm・10.0km/L (WLTCモード)
400Rは3.0Lターボの出力を大幅にチューンナップしたハイパフォーマンスモデルとなりますが、それにしてもスペックが際立っていますね。
国内のセダンではトップレベルであることはまちがいなさそうです。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
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スカイライン ハイブリッド
試乗レビュー
今回はスカイラインGT type P、カラーはブリリアントホワイトパールを用意していただきました。
いざ試乗スタート!
スカイラインのコクピットはシートの座り心地もよく、適度な包まれ感です。
インテリアはマイナーチェンジ前とあまり変わっていないようで、ちょっと設計の古さを感じます。
この試乗車は500万超のクルマなので、もう少し運転する気にさせる内装だといいかなと思いました。
エンジンスイッチを押してもハイブリッドなので、エンジンはかからないですね。
そのままアクセルにゆっくり足を乗せます。
(アレレ….)
俊敏な出足を期待していたのですが、けっこうもっさりしています。
モータートルクでもって案外グワッと前に出ていくかと思いきや、どちらかといえば穏やかな出足ですね。
同じハイブリッドでもトヨタのカムリ、クラウンの2.5Lの方がクイックなスタートでした。
公道に出て、前にスペースができたので、少し強めにアクセルを踏んで加速してみました。
(ありゃまあ….)
スペックに見合った程の加速感はないですね。このかったるさはもしやエコモードなのでは?
と思い、確認してみたのですがスタンダード(ノーマル)モードでした。
モーターを積んでいることもあり、車体の重さをかなり感じます。
カムリやクラウンのハイブリッドもそれなりに重さを感じましたが、それらは重厚感というポジティブな印象で、走り自体はスムーズで力強いものでした。
その時に比べると、このスカイラインの走りはネガティブな印象ですね。重さが明らかに走りをスポイルしている感じです。
ただし乗り心地・静粛性については問題なく、ハイブリッドだけあって、静かで落ち着いた乗り味でした。
高速に乗り、それまで我慢していたスポーツモードを試します。
(あっちゃあああ….)
少しはレスポンスが高まるものの劇的な変化は感じられないですね。
スポーツにした途端、性格が180度変わることを期待したのですが、もろくも崩れさりました。
スカイライン史上最強のスペックということで、かなり期待したのですか、プロパイロット2.0を含む安全装備ばかりが注目され、肝心の走りについて、このハイブリッドに限っていえば、正直なところイマイチですね。
3.0Lガソリンモデルは予測するにもっと軽やかで速いと思います。
1番試したいのはもちろん400Rなわけですが、残念ながら2モデルとも試乗車はなく、現状では導入の予定もないとのことでした。
試乗車もディーラー負担ということですから、まあ仕方ないですかね。
なんせ1番高いグレードで600万を超える高級車なわけですから、そう簡単に試乗車を入れることはできないみたいです。
しょうがない、あんまり興味はないけど、
プロパイロット2.0でも試してみっか!
と思い、その旨を担当者に告げると、このバイパス(無料区間)には対応していないとのことでした。
聞けば、首都圏などは別として全国的にもまだまだ試せる箇所は限られているのだとか…。
肝のプロパイロット2.0がまともに使えないとなると、このハイブリッドを求める理由は???
とうっすら思ってしまいましたが、もちろんそんなことは口には出しません。
一応プロパイロット2.0いわゆるハンズフリーの自動運転についての私なりの見解ですが、
正直アダプティブクルーズコントロールがあれば十分かなと思います。
手放しができるのはまあラクっちゃラクでしょうが、結局は普通に運転しているのと同様の注意を払う必要があるわけで、それなら手を添えていてもいいんじゃないかと。
手を放している方が、かえって手持ち無沙汰だし、慣れないうちは落ち着かないんじゃないかと思うわけです。
実際、今回の試乗もそんな先進機能よりもスカイラインの最新の走りを試しにきたわけで、最初からあまり興味はなかったですね。
この先、自動運転の技術はどんどん進んでいくことでしょうが、その分運転する楽しみは減っていくような気がして、なんだか複雑な心境ではあります。
いずれにせよ400Rは難しいとしても、3.0Lガソリンモデルは何とか探し出して、今度こそ真のスカイラインの走りを試してみたいものです。
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◇新型ノートe-POWERの記事を書きました!
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◇他の日産の記事も
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スカイライン ハイブリッド試乗【総評】
総合評価/64点 (100点満点中)
外観 | ★★★ |
---|---|
内装 | ★★★ |
速さ | ★★★ |
広さ | ★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★★ |
燃費 | ★★★ |
取りまわし |
★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★ |
スカイラインハイブリッドはこんな人に向いている
●世界初の自動運転機能を使いこなしてみたい方
●スカイラインという名のクルマに一度は乗ってみたい方
スカイラインのハイブリッドモデルに乗ってみて、正直このモデルに限っていえば、プロパイロット2.0がなければ、普通のクルマだなと感じた。
これだとライバルと目されるカムリやクラウンに走りや燃費の面でもちょっと勝てないかな?という印象。
おまけにプロパイロット2.0もまだまだ場所を選ぶ (あくまで私が出向いたディーラーでの見解ではあるが)ということなら、ますます購入価値も薄れる気がする。
こうなると俄然3.0Lガソリン、400Rに期待がかかる。せめて3.0Lには試乗して、クラウンの2.0Lモデルや輸入車などとも比較してみたいものだ。
ライバル車… クラウン、カムリ、レガシィB4、欧州Dセグメントなど
おわりに
今回は新型スカイラインをご紹介しました。
興味のあった3.0Lガソリンモデルや400Rには乗ることができず、話題のプロパイロット2.0も試せずで、消化不良な試乗となってしまいました。
まあ、こんな時もあるさ。
いつか他のモデルに乗れたあかつきには、今回の鬱憤を晴らしたいと思います。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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