今年は例年よりも花粉が多く飛んでいるようですね。
花粉症ではないはずですが、くしゃみがよく出るブリプリオです。
今回はトヨタの王道セダン、クラウンに試乗してきました。
当カーレビュー始まって以来の最強スペックとなるV6 3.5Lモデルの圧巻の走りについてたっぷりお届けします。
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
クラウン3.5RS Advance試乗
どんなクルマ?
当カーレビュー史上最強の359ps!
V6エンジン+モーターが生み出すナチュラルで官能的な加速を堪能!
車名 | クラウン3.5RS Advance |
---|---|
メーカー | トヨタ |
車種 | セダン |
排気量 | 3.5リッターV6 DOHC 24バルブ |
パワー | 299ps |
トルク | 356Nm |
システム総合出力 | 359ps |
サイズ | 全長4910×全幅1800×全高1605 |
燃費 | 16.0km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | 690万6600円 |
クラウン
◇RSモデル
3.5 RS Advance
690万6600円
2.5 RS Advance
579万9600円
2.5 RS Advance Four
601万5600円
2.0 RS Advance
559万4400円
※全て税込みの金額
□クルマの概要
「いつかはクラウン」のキャッチコピーで有名なトヨタクラウンはお父さん方の憧れのクルマとしての地位に長きにわたって君臨してきました。
今もその絶対的存在感は変わらないわけですが、時代も変わりクルマ離れの世の中といわれる昨今、王者クラウンにも顧客層の若返りが求められ、先代モデルあたりからデザインの大幅な刷新が行われてきました。
右が大幅刷新を受けた先代の14代目アスリートです。そして左がさらにブラッシュアップされた現行15代目クラウンとなります。
デザインに関してはのちほど述べるとして、14代目から15代目への主な変更点としては
①従来の「ロイヤル」「アスリート」「マジェスタ」を廃止し、シリーズを一本化
②より若い層に訴えかけるスポーティさと品質を追求した内外装に刷新
③3種類の魅惑のパワートレイン
④トヨタ初のコネクティッドカー
⑤TNGAに基づく新プラットフォームの採用
といった点があげられます。
①シリーズの見直し
これまでのクラウンは
□スポーティなスタイルと走りが楽しめる「アスリート」
□プレミアムセダンとしての上質さが魅力の「ロイヤル」
□社長さんやエグゼクティブ御用達の最上級モデル「マジェスタ」
と世界観の異なる3シリーズに分かれていました。
15代目クラウンでは、これらのシリーズ分けを廃止し一本化。
シンプルに「クラウン」という1シリーズ構成となりました。
その背景には「1台で世の中を変える、究極のクラウンを創造する」というトヨタの意思が込められているようです。
一本化とはなりましたが、従来シリーズからの移行措置はなされています。
今回の試乗車3.5LV6モデルを例に取ると、
高級版のマジェスタがG-Executive
最も若い世代を意識したアスリートがRS
落ち着いた雰囲気のロイヤルがS
という位置づけになるようです。
②若返ったエクステリア・インテリア
ユーザーの若返りという使命が託された14台目クラウンではかなり思い切ったデザイン変更が行われました。
アスリートの稲妻形のフロントグリルは当時賛否両論を呼びました。
15代目ではその面影をほのかに残しながらもずっとスタイリッシュで受け入れやすいマスクになったと個人的には思います。
リアもよくなりましたねー。テールランプの形状も今風で、左右4本出しのマフラーが走る意欲を大いに掻き立ててくれます。
14代目クラウン フロント
出典:Gulliver15代目クラウン フロント
出典:MOBY14代目クラウン リア
出典:Gulliver15代目クラウン リア
出典:MOBY
☟写真はブラックと落ち着いた赤色のテラロッサでコーディネートされたインテリア。
激シブですね。ちなみに試乗車はブラックとホワイトの組み合わせでした。
後部座席にも座ってみました。広くてフッカフカ、座り心地もよし。長時間座っていても疲れにくそうですね。
ゆったりとしたトランクルーム。最大で4個のゴルフバッグが収納できるそうです。
さすがはエグゼクティブ御用達!
クラウン 運転席
クラウン 後部座席
クラウン トランクルーム
出典:webCG
③3種類の魅惑のパワートレイン
15代目クラウンのパワートレインは以下の3つです。
V6 3.5Lハイブリッド
システム総合出力/359ps
エンジン最大トルク/356Nm
燃費/16.0km/L (WLTCモード)
直4 2.5Lハイブリッド
システム総合出力/226ps
エンジン最大トルク/221Nm
燃費/20.0km/L (WLTCモード)
直4 2.0Lターボ
最高出力/245ps
エンジン最大トルク/350Nm
燃費/12.4km/L (WLTCモード)
※3.5LはレクサスのフラッグシップセダンLSと同じエンジン
※2.5Lは以前試乗したカムリと同じエンジン
やはり3.5Lのスペックが突出して目立っていますが、2.0Lターボもなかなかハイスペックな予感。
3つの中で最もスポーティーに振ったモデルとも言われているので、試乗が楽しみです。
燃費では2.5Lが最も優秀です。2.0Lターボはエンジンのみなので、当然他2モデルよりも燃費の数値は劣ります。
出典:トヨタ公式サイト
★④⑤の項目については2.0Lターボモデル試乗編でお伝えします。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよクラウン試乗です。
Coming up Next !!
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クラウン3.5RS Advance 試乗レビュー
今回の試乗車は3.5RS Advance、カラーはホワイトパールクリスタルシャインを用意していただきました。
運転席に乗り込み、パワーシートを自分のポジションに調整してスタートスイッチオン。
ハイブリッドなのでV6エンジンはまだ眠ったままなのか、きわめて静かな立ち上がりです。
幾分緊張気味にアクセルに足を乗せます。
出足はターボではないので即座に反応とはならなかったですが、クラウンのキャラクターらしく静かで厳かなスタートです。でも決して鈍いわけではありません。
そのままゆっくりと公道へ出ました。背の低いセダンですがAピラーがけっこう開いていて視界も良好です。
ハンドルが思いのほか軽く、高級車にありがちな重々しい雰囲気は微塵もありません。
高級車でありながら、一般人にもちゃんと門戸を開いているフレンドリーさを感じさせます。さすがはクラウン。
「運転しやすいですね」そのままの感想を伝えると、
「クラウンは日本人専用設計なので、代々幅1800mmを守り続けているんですよね」
と担当者。
レクサスのLSなどは欧州でも販売されているのでボディーサイズも巨大ですが、クラウンは日本人専用に作られているクルマなので、国内の道路やパーキング事情などもきちんと加味されているというわけです。
市街地ではそこそこ交通量が多かったので、スピードは大体50~60kmのストップ&ゴーの連続でした。
この状況ではクラウン内部に潜むモンスターは沈黙したままで、じっと駆け出すタイミングをうかがっている感じです。
しばし街中を走ったあと、お待ちかねの高速タイムです。
高速入り口への上り坂はちょこんとアクセルを踏むだけでクラウン3.5RSは当然のごとく一瞬で上がっていきます。
クラウンのRSモデルには下の7つのドライブモードがあります。
上からスポーツS+、スポーツS、ノーマル、コンフォート、エコ、カスタム、スノー
(ちょっと多過ぎへん?)
「まずはノーマルでいきましょう」
モード切り換えの確認をしようと思ったところで、こちらのはやる気持ちを抑えこむかのように担当者が言いました。
「あとでスポーツS+を試して、ちがいを感じてもらいたいので」
なるほど、無論異存はありません。
さていよいよ本線突入。緊張の一瞬ですね。
レーンチェンジしたところで、神のお導きか、前方が空いて十分に踏めるほどのスペースが生まれました。
(よっしゃいったるでーーーーーー!)
〔アクセルオーーーン〕
☆☆☆モンスター光臨!!☆☆☆
(ぬぉぉぉぉぉおおおおおおーーーーー!) 〔感極まる心の声〕
これはとてもノーマルの加速とは思えませんね。鳥肌立つ衝撃の速さです。
今こうして書いていても思い出して鳥肌がプレイバックするほどです。
6気筒NAエンジンが生み出すパワフル&ナチュラルな加速は不自然に加給された速さとはちがって、なんていうか、うそいつわりのない加速とでもいいましょうか。
普通の速いというレベルは踏んだときに「グワッ」と加速するのですが、この3.5RSは例えるなら「グワッグワッグワッ」とつまりは3倍速の疾走感を味わうことができます。
踏み続ける限りどこまでも伸びていく余力を感じますね。
残念ながら踏み続けることは法が許しませんが、心地よき余力の温存を楽しむだけでも圧倒的な優越感に心が震えます。
このモンスターモデルで一度でいいから、ドイツのアウトバーン(速度無制限道路)などを走ってみたいものです。
一旦出口を降りて、反対車線に入る前の信号待ち。このあと折り返しに入ります。
「スポーツS+でいきましょうか」と担当者
「了解です!」〔待ってました〕
反対車線に上がり、本線合流、今日はツいてますね。こちらの車線も車は少なめでまたしても目の前に大きく視界がひろがります。
(さてと、もうイッチョいっとくかーー!)
スポーツS+に入れたとたんレスポンスが一段と上がり、そのままアクセルを踏むと、車体がフワーッと前に出ていきました。
ノーマルでも十分でしたが、スポーツS+はさらに切れ味鋭く浮遊感がハンパないです。
前が詰まってきたので、レーンチェンジしてさらにアクセルに力を込めます。
(キィーーーーン! うほほ~~~い!)
〔懐かしのアラレちゃん風心の声〕
まるでジェットコースターのような官能的な刺激に体中からアドレナリンだのドーパミンだのが出まくりです。この走りを所有できたなら、なんて贅沢なことでしょうか。
加速ばかりが目立つ中、ハンドリングも相当優秀です。ゆるやかなカーブに差しかかっても3.5RSはスピードを落とさずきれいに曲がっていきますね。
日産のプロトパイロット的なアシストが特についているわけではないですが、手を添えていればクルマの意志で勝手に曲がっていく感じです。
しばらく巡航し、駆け抜ける歓びに浸っていると、
「次の出口で降りましょうか」と担当者の無情な声
まだまだ乗っていたいという気持ちはもちろんありましたが、それをグッと抑え、やむなく高速を降りました。
市街地にもどるとモンスターは再び臨戦態勢の状態に戻っていきました。
モンスターが身を潜めたあと、こうして走っていると本当に普通のクルマです。
これまでの試乗で印象のよかったシビックハッチバックやレヴォーグはターボが効いて常にせわしない感じを受けましたが、クラウンは普段はやさしく、肝心なときに勇ましくなるまさに大人のセダンです。
若い層から中高年のユーザーまで幅広く楽しめるクルマですね。
ディーラーに戻ってエンジンを切ると、勝手にシートが下がって降りやすくしてくれます。最後までいたれりつくせりです。
降りるのが名残惜しそうな感じにしていると、
「今度2.5Lモデルも用意しますんで、よかったら乗り比べてみてください」と担当者が言ってくれました。
「ぜひ、お願いします!」
固く約束を交わし、高揚した気分を残しながら今回の試乗を終了しました。
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クラウン3.5RS Advance【総評】
総合評価/86点 (100点満点中)
外観 | ★★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★★ |
広さ | ★★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★★★ |
燃費 | ★★★ |
取りまわし |
★★★★ |
コスパ | ★★★★ |
人気度 |
★★★★ |
クラウン3.5RS Advanceはこんな人に向いている
〇お金に余裕があって、絶対的な速さを手に入れたい方
〇日本人専用の伝統ある高級セダンに乗りたい方
〇レクサスよりもコスパで勝る高級セダンに乗りたい方
クラウンのRSモデルでどれがほしい?と問われたら、そりゃあ迷わず3.5Lと答えるだろう。しかしどれを買うか?という実質的な検討となれば話は大きく変わる。
軽く1千万円を超えるレクサスLSよりは安いとは言え、本体価格で600万超え、オプションを抑えたとしても700万近くになることは避けられない。
クルマ離れの時代に見事に浮世離れしたクルマである。だがこのエンジンは本物だ。時代には大いに逆行しているけれど。
2.5Lでは約110万、2Lターボで130万の価格差。でも一番安い2Lターボが買える時点でそこそこお金持ちであるはずなので、人によっては「どうせなら一番いいやつがほしい」という気持ちになるかもしれない。
あと110~130万出せばこの官能的なエンジンが手に入ると考えれば、検討の余地は大いにある。(でも無理は禁物)
おそらく2.5Lでも2.0ターボでも動力性能は十分であることは想像にかたくない。
他のモデルも試乗した上で、またの機会にクラウンの最終的な感想をまとめたいと思う。
ライバル車… 日産フーガ、メルセデス・ベンツCクラス、BMW3シリーズ、 アウディA4など
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回はトヨタの王道セダン、クラウンをご紹介しました。
3.5LV6モデルの走りは本当にしびれました。
ダウンサイジングターボが主流となっている今、とても貴重な1台ではないかと思います。興味ある方はぜひご試乗を!
引き続き、2.5L、2Lターボにも試乗して、クラウンマスターを目指したいと思います。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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