「新車の香り」っていいですねのブリプリオです。
今回はホンダの上級ミニバンオデッセイハイブリッドに試乗してきました。
同じハイブリッドシステムを搭載するCR-Vやステップワゴン(スパーダハイブリッド)などの試乗も振り返りながら、レポートしていきます。
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
オデッセイハイブリッド試乗
どんなクルマ?
現行モデルは存在感薄めだが、燃費はクラストップの上級ミニバン!
車名 | オデッセイハイブリッド アブソルート |
---|---|
メーカー | ホンダ |
車種 | 上級ミニバン |
排気量 | 2L直4 DOHC 16バルブ |
最高出力 | エンジン 145ps モーター 184ps |
最大トルク | エンジン 175Nm モーター 315Nm |
サイズ | 全長4830×全幅1820×全高1685 |
燃費 | 25.2km/L (JC08モード) |
乗車定員 | 7名 |
車両本体価格 | 393万6400円 |
オデッセイの主なラインナップを紹介 ☟
オデッセイ
◇ハイブリッド車
HYBRID
383万6400円 (FF 7人乗り)
375万円 (FF 8人乗り)
HYBRID ABSOLUTE
393万6400円 (FF 7人乗り)
385万円 (FF 8人乗り)
HYBRID ABSOLUTE・EX
415万円 (FF/7人乗り)
◇ガソリン車
ABSOLUTE
332万6400円 (FF 7人乗り)
324万円 (FF 8人乗り)
344万円 (4WD 8人乗り)
ABSOLUTE・EX
354万円 (FF 7人乗り)
365万3600円 (4WD 8人乗り)
※全て税込みの金額
□クルマの概要
オデッセイと言えば、ミニバンながら全高が低めの乗用車のようなプロポーションで人気を博したエポックメイキングな車です。
特に低いフォルムが衝撃的だった3代目は若い世代にも受け入れられ、年間10万台近くを売り上げるヒットモデルでホンダの中核車種となりました。
下の写真が3代目オデッセイですが、今でもたまに見かけますね。
3代目オデッセイ 出典: Wikipedia
現行の5代目は平成13年11月に発売開始。
背の低い乗用車的ミニバン路線を改め、全高を15cmほど上げての登場となりました。
これは超低床プラットフォームの採用により、全高を高めてもオデッセイらしい走りを実現できるとメーカーが判断したためだそうです。
また過去にホンダのラージクラスのミニバンにはエリシオンというクルマも存在し、トヨタアルファード、日産エルグランドと共に3大ラージミニバンとして位置づけられていました。
しかしエリシオンは他2台の人気に押され、販売も低調だったことからホンダはオデッセイ5代目へのモデルチェンジにあたり、オデッセイとエリシオンを統合。全高も2台の中間となる約1,700mmとしました。
こうして登場した5代目オデッセイですが、普通のミニバンぽくなり、オデッセイらしさが失われたことで離れてしまったユーザーも多かったのかもしれません。
2015年の国内登録台数は1万5834台ということで、ホンダ車におけるオデッセイの存在感は徐々に薄くなっていきました。
その状況へのテコ入れとして2016年に投入されたのが今回の試乗車であるオデッセイハイブリッドです。
オデッセイハイブリッドには以前の記事
(プリウスvsインサイト試乗比較)でも紹介したホンダ独自のSPORT HYBRID i-MMDというシステムが採用されています。
以下、その説明となります。
環境性能と走りを両立するため、駆動用と発電用の2つのモーターを搭載。
3つのドライブモードを賢く使い分け、あらゆるシーンで高効率な走りを実現しています。
SPORT HYBRID i-MMDはTHSⅡのような動力を振り分ける機構はなく、エンジンとモーターを完全に切り離すことができ、発電モーターからは電力のみ駆動モーターへ供給されます。
その結果、シーンに応じて、エンジンのみまたはモーターのみの走行が可能となります。
2つのモーターとエンジンを独立して動かせるという自由度が高いシステムによって、あらゆるシーンで高効率な走りを実現しています。
オデッセイハイブリッドはEVさながらの走りもさることながら、ノーマルモデルの燃費は26.0km/L(JC08モード)と上級ミニバンとしてはトップクラスの驚異的な値を実現しています。
さらにホンダセンシング(安全装備)がほとんどのグレードに標準装備されており、安全性にも力が入れられています。
ラインナップはノーマルモデルのオデッセイ ハイブリッドとドレスアップモデルのオデッセイ ハイブリッド アブソルート、さらに最上級グレードのハイブリッド アブソルートEX の3タイプでそれぞれにパワートレインの差はありません。
オデッセイハイブリッドは投入後1カ月で月間販売目標台数の4倍以上となる9000台を受注するなど巻き返しを図り、デビューした当初はハイブリッドがオデッセイ全体の72%を占める存在となったようです。
□エクステリア・インテリア
オデッセイの外観は先述の通り、従来モデルから全高をアップし、普通のミニバンフォルムとなりました。
顔つきも他のホンダ車にも見られるヘッドライトとグリル一体型のシンプルで精悍なイメージとなっています。
ライバルとされるアルファードやエルグランドなどに比べると押し出しはそこまで強くなく万人受けするデザインと言えるでしょう。
悪くはないですが、どうしても過去のフォルムへの未練をひきずってしまいますね。
エリシオンとの統合ということなので、エリシオンの面影も少しは残せばよかったのにと思ってしまいます。
ちなみにその昔、エリシオンにも試乗したことがあるのですが、3LV6モデルはとてもパワフルでしたね。人気はイマイチでしたが、けっこう好きな1台でした。
オデッセイ ハイブリッド
出典:webCG
インテリアもこれといった特徴のないオーソドックスなものですね。さすがに初登場から5年以上が経過しているので、デザインの古さは否めません。
最上級グレードアブソルートEXパッケージにのみ設定のある2列目キャプテンシート。
オットマン(脚のふくらはぎを乗せる台)は付いているようですが、ライバルほどの豪華さはないでしょうか?
3列目シートはさすがにLサイズのミニバンなので、十分機能しそうですね。
オデッセイハイブリッド 運転席
オデッセイハイブリッド
アブソルートEX
2列目キャプテンシートオデッセイハイブリッド
3列目シートオデッセイハイブリッド ラゲッジ
出典:webCG
□動力性能・燃費
オデッセイハイブリッドのパワーユニットは2L 直4 DOHC 16バルブエンジン。
最高出力はエンジンが172ps、モーターが184ps、最大トルクはエンジンが175Nm、モーターが315Nmです。
そこそこ力強いスペックですね。
これは以前試乗したステップワゴン(スパーダハイブリッド)、CR-V(ハイブリッド)と全く同じスペックとなります。
そのあたりもふまえた上で、試乗レビューを行います。
ハイブリッド アブソルートの燃費は上級ミニバンではトップクラスの25.2km/L(JC08モード)を誇っています。
※ハイブリッドのノーマルモデルは26.0km/L。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
スポンサーリンク
オデッセイ ハイブリッド試乗レビュー
今回はハイブリッド アブソルートHonda SENSING、カラーはプラチナホワイト・パールを用意していただきました。
今回は以前にCR-Vを試乗した時と同じディーラーでした。
見覚えるのある営業担当者は今回もバタバタと忙しいようで、CR-Vの時と同様に単独試乗となりました。
今回は同じパワーユニットを載せたCR-V、ステップワゴン(スパーダハイブリッド)の試乗も振り返りながら、レビューを進めます。
というわけで、試乗スタート!
立ち上がりは過去2台(CR-V、スパーダ)と同様にとても静かでスムーズでした。
公道に出て、アクセルを踏み込むとEV走行のなめらかさがこのオデッセイにもしっかりと備わっていました。
しかし、過去2台と比べると幾分フットワークが重い気もします。
理由の一つとしておそらくこのアブソルートが3車種の中で最も車重が重いことが考えられます。以下各車の重さです。
オデッセイハイブリッド(アブソルート) 1900kg
CR-V 1700kg
スパーダハイブリッド 1820kg
一番軽いのはCR-Vですが、加速においてはスパーダハイブリッド が最も印象的でした。
一般道に出て交通量も少なかったので、少し強めにアクセルを踏むといきなりガツンとGがかかり、シートに背中を押しつけられました。
「えっ?これミニバンだよね?」と思わず独り言。
セレナe-POWERもそこそこ鋭い出足だったと記憶していますが、まちがいなくそれ以上の加速感ですね。あっという間にメーターは70kmオーバーです。
一般道ゆえに、それ以上はスピードを出せませんでしたが、踏めば踏んだだけどんどんいってしまいそうな快足ぶりです。
出典:ステップワゴンスパーダ試乗! ブリプリオのブログでカーレビュー
より抜粋
スパーダハイブリッドは別のエリアでの試乗だったのですが、とにかく加速が俊敏でミニバンとは思えない走りを披露してくれました。
ただし多人数乗車の場合はどうか?という点についてはその状況になってみないと何とも言えませんが….。
2つめの理由としてシステムの古さがあげられます。この3台の中で、最も古いのがオデッセイ、次にステップワゴン、CR-Vの順になります。
同じハイブリッドシステムではありますが、ニューモデルが出るたびにおそらく細かい点が改善されているはずです。
新しいモデルほどエンジン・モーターだけでなくその他の部分も品質が向上している可能性は高いので、それが加速感や乗り心地などに影響していることは十分に考えられます。(あくまで推測ですが)
やがて市街地からいつもの高速に突入しました。
アクセルを徐々に踏み込みます。加速のフィーリングや乗り味は決して悪くはないです。
しかしここへきて何か物足りない気がします。
「あれれ?この感じは….? もしかしてCR-Vの時と同じかも….」
その時の記憶が脳裏をよぎります。
悪くはないけど何か物足りないなあと思いながらも一人黙々と走ります。
そうこうするうちにバイパスへ。
交通量は多くもなく少なくもなく普通程度。
レーンチェンジ後すかさずスポーツモードにして爪先に徐々に力を加えるとそれまでのEVモードからスピードが上がることでエンジンモードに切り替わりました。
確かに走りはパワフルです。加速もそこそこよく、モーター主導の走りはそれなりに滑らかなのですが、この期に及んでも正直あまり気持ちよいとは思えなかったです。
CR-Vの時とほぼ同じ感想ですね。
少しちがうのは高速でオデッセイの方がエンジンのかかりが早く、頻繁にかかり、なおかつエンジンのうなる音が少々耳につくいうことくらいです。
先ほど述べた通りCR-Vが最も新しいバージョンと考えられるので、最も古いオデッセイよりもシステムが改善されていたのだと推測できます。
悪くはないのですが、これは言うなれば相性のよしあしみたいなものですかね。
それ以降はトヨタのハイブリッド車にもいくらか乗る機会があり、もちろんシステムもスペックもちがうわけですが、トヨタの方がハイブリッドシステムに関してはフィーリングが合うように思います。
やはりそのあたり国内元祖ハイブリッドメーカーに一日の長があるということでしょうか。
しかしホンダ車の中でも新型インサイトは別でした。
インサイトは同じSPORT HYBRID i-MMDが採用されていますが、エンジンは1.5Lなので、オデッセイ、スパーダ、CR-Vよりはスペックで劣ります。
しかし走りや乗り心地は圧倒的によかったですね。
インサイトの車重の軽さ、セダンならではの低めのドライビングポジションなどが多分に影響していると思われます。
あと内外装も高級感があり、トータルバランスに優れていました。
というわけで、オデッセイハイブリッドの走りに関してはCR-V同様、これといって特筆すべきものはなかったですが、普通に使う分には何ら問題ないですし、大きいサイズのミニバンなので、居住性やユーティリティーなどにはとても優れているというのが結論です。
しかしながら、オデッセイと言えば「走りのよさ」をイメージされる方も多いと思います。
スポーティーさでは2.4Lガソリンモデルの方がおそらく勝っているはずなので、走りに重きを置く方にはそちらをぜひ試していただきたいです。
また現行モデルが発売されて5年以上が経過していますので、2019年中ではないとしても、近い将来フルモデルチェンジされる可能性は大いにあると思います。
低い乗用車フォルムの復活も、もしかしたらあるのではないでしょうか? 期待して待ちたいです。
◇他のミニバンの記事も
☟ぜひご覧ください!
スポンサーリンク
オデッセイ ハイブリッド試乗【総評】
総合評価/72点 (100点満点中)
外観 | ★★★ |
---|---|
内装 | ★★★ |
速さ | ★★★ |
広さ | ★★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★ |
コスパ | ★★★★ |
人気度 |
★★★ |
オデッセイ ハイブリッドはこんな人に向いている
〇燃費のよい上級ミニバンに乗りたい方
〇Mサイズミニバンよりも広さや快適性を求める方
〇オデッセイという名前のクルマにこだわりたい方
普通のミニバン姿となったオデッセイはトヨタのアルファードやエルグランドなどと比べると外見はやや見劣りする印象だ。
ただし燃費は他車に比べても十分に誇れるアドバンテージだろう。この部分は多人数乗車や長距離移動が多い場合は見逃せないポイントとなる。
本編にも述べた通りだが、走りを重視するならぜひ2.4Lを試すべきだ。
昔のオデッセイのスタイルを熱望する方はそう遠くはないはずのフルモデルチェンジを待つのも一考。ただし市場ではSUVが強くステーションワゴン的なニーズは薄くなってきているので、次期オデッセイが昔に戻るという保証はないが….。
なんていってたら、たまたま見つけたのが下の写真のモデル。
ホンダ車のオプションパーツやステップワゴンなどにラインナップされるコンプリートカー「ModuloX」の開発を手掛けるホンダアクセスが東京オートサロン2018に出展した「オデッセイ クロスクルーザー」という名前のクルマらしい。
ラージミニバンのオデッセイにSUVの要素を盛り込んだクロスオーバーモデルのようだ。なかなか、ゴツくてかっこいいじゃないの。
これなら昔の姿に戻る必要もなく、むしろ今の時代にマッチしているようにも思う。これが次期オデッセイでもいいんじゃないだろうか。
いずれにせよ市販化が実現すれば、きっと注目されることだろう。
出典
ライバル車… アルファード、ヴェルファイア、エスティマ、エルグランド
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回はホンダのオデッセイハイブリッドをご紹介しました。
これだけの大きさで、燃費25.2km/Lはなかなかのものですね。
ハイブリッドミニバンをお求めの方はぜひ試乗してみてください!
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
★ホンダの他の記事も
ぜひご覧ください!!
☟記事が「おもしろかった」「ためになった」場合はバナーをクリックいただけると、とてもうれしいです。