はじめまして。ブリプリオと申します。
みなさんは「男はつらいよ」という映画をご存じですか?
40代以上の方は大体ご存じかと思いますが、若い人は知らない方が多いかも知れませんね。
この映画、2019年で公開50周年を迎える、娯楽映画の超大作なのであります。なんとそのシリーズ合計は怒濤の48作品。ギネスにも認定された、後にも先にも類を見ない日本映画が誇る、モンスターシリーズなのであります。
この記事では「男はつらいよ」シリーズの大大大ファンであるブリプリオがこの映画についての紹介とファンになったきっかけをお話しします。
映画「男はつらいよ」の紹介
「男はつらいよ」記念すべき第1作目は1969年 (昭和44年) 8月に公開されました。以来、1年に2回、夏(お盆)と正月の風物詩として、1997年 (平成9年) までに全48作品が公開され、日本人の心をとらえて離さない、人気シリーズとしての地位を確立しました。
監督は山田洋次、主人公「寅さん」こと車寅次郎を演じるのは日本を代表する喜劇役者、故・渥美清。その他妹さくらを演じる倍賞千恵子、その夫ひろし役の前田吟、寅さんのおじ(おいちゃん)役の下条正己、おばちゃん役の三崎千恵子など、そうそうたる俳優陣がストーリーを大いに盛り上げてくれます。
上記のレギュラーキャストに加え、毎回ゲスト女優をマドンナとして迎え、寅さんとの恋の顛末や時には寅さんがマドンナに恋する若者への恋愛指南役となって、ストーリーが展開されるのが大きな特徴です。
中でも4回に渡って出演しているリリー役の浅丘ルリ子、3作品にそれぞれ別個の役で出演している竹下景子はマドンナの代名詞的存在で、彼女たちが出た作品は全て、ファンからの評価も高い人気作となっています。
主人公車寅次郎は自らをフーテンの寅と名乗るヤクザな男。定職を持たず、1年中テキ屋稼業を続けながら、旅から旅への旅ガラス。シリーズ第1作目は車寅次郎がはるばる故郷葛飾柴又に帰ってくるシーンから始まります。
妹さくらとの20年ぶりの再会に寅次郎は狂喜するも、さくらは突然の腹違いの兄の登場に戸惑いを隠せない様子。翌日寅次郎はさくらの見合いに出席しますが、酒を飲んで悪酔いしてしまい、せっかくの縁談話をぶち壊してしまいます。それがきっかけでとらやの面々と大喧嘩をした寅次郎は再び柴又を出て旅に出ます・・・・
そうこうするうちにさくらはとらや裏の印刷工場で働くひろしから愛の告白を受け、再び縁談話になりますが、親代わりとして妹のことを心配する寅次郎は当然いい顔をせず、またしても話がこじれていくのですが・・・さて結末はいかに・・・・?
この第1作目の倍賞千恵子演じる「さくら」がめちゃくちゃチャーミングなんですよねえ。
今の時代では単に「顔がかわいらしい」女優は五万といますが、さくらのように一目見ただけで、心が動かされるような女優はなかなか見当たりませんねえ。(昭和生まれのおっさんから見るとですよ。)
さくらの美貌がシリーズ長期化の一役を担ったことは間違いないです。当時の若者もおそらくさくらの演技に相当はまったことでしょう。
この第1作目には1作目にして、「男はつらいよ」のエッセンスが全て含まれています。もちろんこの第1作目の成功によって、シリーズが長期化したことは言うまでもありません。
「男はつらいよ」との出会い
私が初めて「男はつらいよ」を劇場で見たのは大学生の時でした。
もちろんそれまでにも「男はつらいよ」が年2回公開される国民的映画であるという認識はありました。
しかし当時はまだうら若かったもので、じいさん、ばあさんが見るバタ臭い映画であるという何となくの偏見を持っていたことも確かでした。実際、劇場に足を運んだのも、本命は同時上映の「唐獅子株式会社」を見るためでした。(この映画の内容については全く記憶にありません)
1本目の唐獅子株式会社が終わり、ひまを持て余していた私は「おもしろくなかったら出ればいいや」くらいの気持ちで2本目の男はつらいよを見始めたわけですが、映画が始まるやいなやストーリーにどんどんひきこまれていきました。
そして一発で寅さんの大ファンになりました。恋に落ちるのと同じ感覚です。あっと言う間の107分間でした。終わってみれば、最初の偏見などいっぺんに吹き飛び、今までに味わったことのない壮快な気分とせつなさを含んだ、心地よい感慨を胸に抱きました。それほどまでに私は車寅次郎に魅せられたわけです。
その時見た作品は第38作目の男はつらいよ「知床慕情」でした。これは比較的晩年の作品なのですが、長きにわたるシリーズゆえのマンネリ化を打破した改心の名作だったのです。
後で周辺の作品を見ても、この38作目の出来ばえは突出しており、ファンの間からも高い評価を得ています。そのようなすばらしい作品を最初に見れたことが、本当に運命的な出会いだったなあとしみじみ思います。
ゲストに黒澤映画で有名な三船敏郎、マドンナは人気の高い竹下景子ですから、おもしろくないわけがありません。渥美清と三船敏郎の共演というのは、当時ではもうこれ以上ないというマッチアップで話題になったようです。実際、映画での二人の掛け合いはもう絶品のひとことです。
おわりに
「男はつらいよ」について、ご理解いただけましたでしょうか?
「この映画はぜひ若い人に見てもらいたいです。」と私は何年も言い続けていますが、時代が進めば進むほど、その気持ちは強くなります。地球が温暖化するのと比例して、世の中がどんどん無機質な感じになり、人々の人間らしさが次第に薄れていっていると感じるからです。
寅さんの喜怒哀楽に満ちた生きざまを見て、何かを感じ取ってほしいなあと老婆心ながら、思うのであります。
百聞は一見にしかずですので、最近面白い映画がないなあ。と感じているそこのあなたに、ぜひ見ていただきたいです。
私は以前から、自分の生涯のライフワークとして、このシリーズが私に与えてきた影響を何らかの形で残したいと切望してまいりました。
今回遅まきながら、ブログを始めるに至り、このブログに「寅さん」と歩んできた道のりを残すしかないと強く思い、筆を取った次第であります。
これだけの人気シリーズですから、「男はつらいよ」ファンの方はたくさんいて、同じようにブログにこの映画への思いをつづっておられることと思います。
その方たちに負けぬよう、独自の切り口も入れながら、記事を書いていきたいと思っております。できればwebを通じて、「男はつらいよ」ファンの方々と語り合ったり、思いを共有できればなどと、柄にもないことを考えております。
どうか今後とも、お見知り置きの程を。