出典:写真紀行・旅おりおり
とらやを第2の実家と思っている、ブリプリオです。
みなさんは「男はつらいよ」という映画をご存じですか?
40代以上の方は大体ご存じかと思いますが、若い人は知らない方が多いかも知れませんね。
この映画、2019年で公開50周年を迎える、娯楽映画の超大作なのであります。なんとそのシリーズ合計は怒濤の48作品。ギネスにも認定された、後にも先にも類を見ない日本映画が誇る、モンスターシリーズなのであります。
そしてなんとなんと、先頃、男はつらいよ50周年プロジェクトとして、来年寅さんの新作が公開されることが決まりました。一体どんな作品になるのか期待に胸が膨らみます。詳細はこちらの記事をご覧ください☟
今回は「男はつらいよ」シリーズの大大大ファンであるブリプリオが「寅さんを取り巻く人々」と題して、寅さんをあたたかく見守るレギュラーキャスト陣を詳しく紹介したいと思います。
寅さんを取り巻く人々 (満男・泉)
諏訪満男
中村はやと(第1作~第8作、第10作~第26作)・沖田康浩(9作のみ) 吉岡秀隆(第27作~第48作)
さくらと博の長男で一人っ子。第1作(1969年)の終盤に誕生。寅さんからは甥にあたります。
主に幼少期を演じた初代中村はやとは少しぽっちゃりとしたタイプ。まだ幼かったので、ストーリーに大きく絡むということはありませんでした。
中村のシーンで最も印象に残っているのは第11作「寅次郎忘れな草」のピアノ騒動です。
満男のためにピアノがほしいというさくらの願いを叶えるために寅さんが奔走して、手に入れてきたのは「おもちゃのピアノ」でした。
本物のピアノがほしかった満男は当然うかぬ顔・・・寅さんがそのことを察し、大騒動に発展するこの名場面は必見のとらやシーンです。
第9作目は中村はやとの代役として沖田康浩が起用されます。この作品だけの出演でした。
詳細は不明ですが、おそらく中村はやとがこの時だけ出演できない理由(体調や家庭事情?)があったのだと思います。
そして第27作目からはおなじみ吉岡秀隆の満男となります。
小学生の設定でスタートしたので、比較的セリフも多く、年を追うごとに寅さんとの絡みも増えてきました。
吉岡のシーンで最も印象に残っているのは第29作「寅次郎あじさいの恋」です。
マドンナにいしだあゆみを迎えた今作品では吉岡演じる満男が寅さんとマドンナのデートの付き添いを渋々務めます。
3人はあじさいが美しく咲く、鎌倉の成就院(あじさい寺)を訪れます。
いしだ演じるかがりは寅さんに好意を抱いていましたが、満男がいる手前、意思表示もできぬまま、終始ぎくしゃくした雰囲気となり、またしても寅さんの恋は成就しませんでした。
寅さんがマドンナから積極的にアプローチを受ける珍しいケースだっただけになんとも言えぬ歯がゆさと切なさが残る名場面となっています。ぜひ見ていただきたいです。
吉岡といしだあゆみは奇しくもドラマ「北の国から」では親子役で共演しています。
吉岡秀隆と言えば「北の国から」シリーズの純のイメージも強いですが、私にとってはやっぱり「男はつらいよ」の満男ですね。
『北の国から』
1981年10月から1982年3月にかけてフジテレビで放送された人気ドラマ。原作・脚本は日本を代表する脚本家である倉本聰。
北海道富良野の大自然の中で暮らす一家の姿を描いた作品。
主演は田中邦衛、他に吉岡秀隆、中嶋朋子、いしだあゆみ、岩城滉一、原田美枝子 等が出演。
※吉岡秀隆は黒板五郎(田中邦衛)の息子「純」役を演じている。
及川泉 / 後藤久美子
満男の高校時代のブラスバンド部の後輩で交際相手。
後藤久美子は当時、元祖国民的美少女のキャッチフレーズで人気を博し、美少女ブームの火付け役となりました。
第42作「ぼくの伯父さん」で初登場し、それ以降の恋愛エピソードは寅さんとマドンナから満男と泉のそれに徐々に移行されることになりました。
二人の恋は双方に思いを抱きながらも、満男が寅さん同様に泉に対して煮え切らぬ態度を取るなど不器用なため、なかなか進展せず、とうとう第48作(最終話)で泉は医師の卵と結婚することになります。
それを知った満男は岡山を訪れ、泉の結婚を妨害し、破談となるという中途半端な幕切れとなっています。
来年(2019年)に公開となる新作では満男と泉のその後のストーリーが中心となり、めでたく2人のゴールインが果たされるという予測もできそうです。
出典: 『男はつらいよ』公式サイト
寅さんを取り巻く人々 (ご近所さん)
桂梅太郎(タコ社長) / 太宰久雄
とらやの裏に構える印刷工場「朝日印刷」の社長。
とらやの人々とは家族ぐるみの付き合いをしています。常に工場の資金繰りと人手不足に頭を悩ませており、そのことをとらやの面々に愚痴るのがルーティーンとなっています。
寅さんとは親友と言ってもいいほど、気心の知れた仲ではありますが、お人好しでおしゃべりな性格が仇となり、タイミングの悪い発言が、毎度寅さんの怒りを買い、とらやで乱闘を演じることもしばしばあります。
シリーズ後半では長女のあけみ(演・美保純)が年頃になり、何かとトラブルを引き起こすことでより悩みを増やしています。
そんなタコ社長絡みの最も印象深いシーンは第13作「寅次郎恋やつれ」の中のワンシーン。
寅さんが旅先でいよいよ本気で結婚したいという女性(絹代さん/高田敏江)を見つけたということで、寅さんとさくらはタコ社長をお供に寅さんが居候していたという島根県の温泉津まではるばる出かけます。
ところが現地に着いた3人に絹代さんから突然の知らせが・・・何と蒸発していた絹代の夫が3年ぶりに帰ってきたというのです。
いきなりのカウンターパンチによろめきながらも、寅さんは「よかったなあ。帰って来て。」と絹代に優しく声をかけ、序盤であっさり失恋となります。
「社長、すいませんでした」と謝るさくらにタコ社長は徒労に終わった旅のことについて一言も文句を言わず、その晩は寅さんのやけ酒につきあうなど、社長らしい懐の深さを見せたのです。
普段はとらやでの格闘シーンばかりが目立つ間柄ですが、このシーンはとても印象に残っています。
御前様 / 笠智衆
柴又題経寺の住職。
とらやをはじめ近所の人々からは親しみを込めて御前様と呼ばれています。
人格者であり、幼い頃からの寅さんの理解者ですが、その言動からは世間知らずで少しとぼけた一面もうかがわれます。
とらやの面々は寅さんのことでトラブルがあると御前様のところに相談や愚痴を言いにいき、御前様はそれを受けて時として寅さんを叱りつけることもあり、寅さんは御前様にはまったく頭が上がりません。
寅さんがトラブルを起こすたびに頭をかかえて「困ったぁ」と嘆くのが御前様の口癖です。
源公 / 佐藤蛾次郎
題経寺の寺男。
寅さんの幼なじみで孤児。寅さんを「兄貴」として慕っており、シリーズのそこかしこでいわゆる寅さんのパシリとして活躍します。
東京の下町に住みながら、生まれは大阪で関西弁を話します。シリーズ初期ではとらやの従業員や寅さんの舎弟だったこともあります。
シリーズが進むにつれて、徐々に存在感を増し、どこかとぼけたキャラクターになっていきました。
台詞もほとんど喋りませんが、独特の風貌と所作で、シリーズのアクセント的な存在となっています。
寅さんが柴又に帰ってきた時にはマドンナとのデートに付き添うなど、腰巾着のようにひょこひょこと寅さんについてまわる姿がなんともユニークです。
出典: 『男はつらいよ』公式サイト
おわりに
「男はつらいよ」コラム、今回は寅さんを取り巻く人々PART②をお送りしました。いかがだったでしょうか?
寅さんを取り巻く人々はみな心優しく、ユーモアがあり、この映画を存分に盛り立ててくれます。
中でも太宰さん演じる「タコ社長」は特にお気に入りですね。
私も細々と自営業を営んでおりますので、常にぼやいているタコ社長の気持ちは痛いほどわかります。
今回紹介したキャストにもしっかり注目して、ぜひこの映画を楽しんでいただきたいと思います。みなさん、本当にいい味を出していますので……。
それではまた次回、お会いいたしましょう。
出典: ウィキペディア「男はつらいよ」
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