平成最後のブログでカーレビュー更新!
今回は三菱から今年3月に発売された軽SUVの異名を取るekクロスに試乗してきました。
このモデルを初めて見たときはちょっと驚きました。フロントマスクが新型デリカと瓜二つだったからです。
インパクト絶大なデリカ顔の軽SUV、その走りの実力はいかに?
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
eKクロス 試乗 どんなクルマ?
デリカ似の顔のみならず走りも俊足!軽SUVのキャッチコピーは伊達じゃない!
車名 | eKクロス |
---|---|
メーカー | 三菱 |
車種 | 軽SUV |
排気量 | DOHC12バルブ3気筒659CC |
最高出力 | 64ps |
最大トルク | 100Nm |
サイズ | 全長3395×全幅1475×全高1640 |
燃費 | 19.2km/L (WLTCモード) |
乗車定員 | 4名 |
車両本体価格 | T 163万6200円 |
eKクロス 主なラインナップを紹介 ☟
eKクロス
T (ターボ)
163万6200円(2WD)
176万5800円(4WD)
G (ノーマル)
155万5200円(2WD)
168万4800円(4WD)
M (ノーマル)
141万4800円(2WD)
154万4400円(4WD)
※全て税込みの金額
□クルマの概要
三菱eKシリーズの「ek」とは「Excellent K-car」の頭文字を取って「いい軽」と語呂合わせしたのが由来です。
先代モデルではeKワゴンに「ウツクシeK」ekカスタムに「カッコeK」というキャッチコピーが与えられて売り出されていたのをよく覚えています。
さてそのekシリーズが今年(2019年)3月にフルモデルチェンジを迎え、ekクロスというクロスオーバーモデルが新たに登場しました。
このekクロスをテレビCMで初めて見たときはちょっとしたサプライズでした。
その顔つきが新型デリカD:5にそっくりだったからです。
CMには今をときめく人気俳優、竹内涼真を起用し、デリカ顔×イエローボディーを大胆に打ち出しています。
軽自動車を検討していた人の中にはこのCM効果で即決めした人もいるのではないでしょうか。
eKシリーズは三菱と日産による合弁会社NMKV(Nissan Mitsubishi Kei Vehicleの略)によって開発されました。
日産の軽自動車であるデイズはeKシリーズの姉妹車にあたります。
従来モデルでは三菱が開発と生産を担当してきましたが、今回の新型では企画は両社で行い、開発には日産が携わりました。
詳しくは試乗コーナーでお伝えしますが、どうりで走りのフィーリングが三菱っぽくないなと思ったのも事実で、あとで日産の開発と聞いて合点がいきました。
eKシリーズのグレード構成はノーマルモデルのeKワゴンとクロスオーバーモデルのeKクロスに分かれ、先代までのエアロパーツを備えたeKカスタムは廃止されました。
軽SUVの異名が与えられたこのekクロス、外観はインパクト十分ですが、その走りの実力は一体どうなのか?
N-BOX、タント、スペーシアなど強豪ひしめく軽ハイトワゴンのカテゴリーに一石を投じることはできるのか?
試乗コーナーでたっぷりとお伝えします。
eKクロス CMイメージ
出典:webCG
□エクステリア・インテリア
ekクロスのフロントマスクは三菱の共通アイコン「ダイナミックシールド」を採用したデリカの縮小版で「子デリカ」といったネーミングもしっくりきそうです。
ボディーが大きいデリカでは、このデザインに多少威圧感も感じましたが、ekクロスのサイズだとなぜだか妙にしっくりくる気がします。
フロントグリルを誇張した軽ハイトワゴンのカスタム系では、各社似通ったデザインが多いと感じる中、
軽SUVのコンセプトを持つekクロスはかなり個性的でデザイン面での差別化は大いに図れていると思います。
リアはフロントに比べるとすっきりとしていて、どうやらekワゴンと共通のようですね。どうせならこちらもデリカっぽく仕上げてほしかったです。
eKクロス 出典:response
デリカD:5とeKクロス
出典:response
インテリアの質感も従来モデルに比べると、だいぶ向上しています。
写真のグレー&ホワイトのデザインはなかなかオシャレな雰囲気で、女性にも受けそうですね。(試乗車はグレー単色でした)
後部座席の足元、見ての通り広いです。最近の軽の居住性は驚くほど進歩してますよね。
これなら多少の長距離は快適に過ごせるのではないでしょうか。
eKクロス 運転席/後部座席
出典:response
ラゲッジはシートを倒さない状態 (写真1枚目)でも、けっこうスペースがありますね。
ちょっとした荷物や買い物袋などは余裕で収まりそうです。
後席を倒すと(写真2枚目)、小さめの自転車なら入るぐらいのスペースは生まれます。
見たところ完全にフラットにはならないようです。
eKクロス ラゲッジ
出典:response
□動力性能・燃費
ekクロスのパワートレインはDOHC12バルブ3気筒エンジンを採用。
ノーマル仕様とターボ付き仕様に分かれ、今回の試乗車であるターボモデルの最高出力は64ps、最大トルクは100Nmとなります。
いつも普通車の200~300ps、200~400Nmといった数字を見ているので、非力なスペックに見えなくもないですが、軽自動車は排気量も決まっていますし、その名の通り軽いですからね。
おそらく数値以上にきびきびと走ってくれるのではないでしょうか。
燃費はWLTCモードで16.8~21.2km/Lとなっています。
数値に幅があるのは、ノーマルとターボ付き、また2WDか4WDのちがいによるものと思われます。
軽自動車ですから当然燃費はいいですね。ライバル車と比べても遜色はないと思います。
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
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eKクロス 試乗レビュー
今回のグレードはT、カラーはオリーブグリーンメタリック/チタニウムグレーメタリックの2トーンカラーを用意していただきました。
ちなみにekクロスのカラーはモノトーンが6色、2トーンカラーが5パターンから選べます。
(詳しくはekクロス スペシャルサイトをご覧ください)
CMのイエローベースのカラーが先行しているイメージですが、試乗車の色もとても落ち着いた深緑で、いい雰囲気の色でした。
いざ試乗スタート!
ekクロスの室内はそこそこ広く、大人2名が並んでも全く問題ないスペースが確保されていました。
スイッチを押して、アクセルに軽く足を乗せると「フワ~ッ」と車体が前に出ていきました。
(おっ元気、元気!)
軽自動車のノーマルエンジンは出足のエンジン音もそれなりに勇ましい「もっさりスタート」の場合が多いです。
しかしこのモデルはさすがにターボ付きということもあって、トルクモリモリそしてエンジンも静かです。
市街地へ出てさらに踏み込んでみます。グワッ、グワッ。
(おーーー!?軽なのにGーーー!!!!!)
今まで何台か軽自動車のターボモデルに乗ったことがありますが、加速時に背中を強烈に押しつけられる「G」を体感したのはこれがお初ではないでしょうか。
車重860kgに対し64psの100Nm、スペックからはその具体的な動力性能はピンときませんでしたが、このクルマ、正直「速い」です。
軽にしてはという前置きなしに、普通に速いですよ。いやマジで。
「速いッすね」
そのままの感想を口にすると、
「はい。自分では実際に運転したことなかったのですが、助手席に座っていてもかなりのGを感じます」と担当者も少し驚いた様子。
今回はいつもとは別のエリアでの試乗だったので、高速走行は試せません。
これは高速でもぜひ試してみたいと思わせる俊足ぶりです。ちょっと残念。
おまけに静粛性も高く、アクセルをある程度踏んでも不快な音はほとんど聞こえてきません。
乗り心地は、う~~ん?まあ普通でしょうか。
デリカ縮小版とはいえ、そこは軽なので、さすがにボディー剛性がめちゃくちゃ高いとまではいきません。
まあそれでも走りの質感はライバルに比べても高めの方ではないかと思います。
やはり開発を日産が担当したことによる恩恵が大きいですかね。
何となくですが、このエンジンは三菱っぽくない気がします。
オプションですが、なんとパイロットシステム(運転支援システム)も付くとのこと。これも日産の十八番ですよね。
今後エクリプスクロスやアウトランダーといった三菱のSUVにも日産の技術が絡めば、
三菱独自のハイブリッドシステムや4WD性能とうまくマッチして、さらに先進的なパワートレインを搭載できそうですが、そのあたりどうでしょう?
さてそんなこんなを頭に巡らしながら、走っておりますが、気持ちよい走りのまま、随分時間と距離を消費した気がします。
♩思えば遠くへ来たもんだ (懐かしの昭和歌謡/海援隊)
ekクロスの走りに刺激を受け、話がある程度弾んでいるということもありますが、走れど、走れど、担当者から道の指示などは一向に出ません。
さすがにちょっと不安になって
「まだ走ってもいいですか?」と問うと
「どうぞ、どうぞ。試乗では大体30~40分は走ってもらうようにしています。5分~10分走ったところで車のよさはわからないと思いますので。」
(おっしゃる通り! この姿勢はすばらしい!)
「もどりたいタイミングで戻ってください。特に道の指定もありませんので」
(憎いね! ミツビシ! 太っ腹!)
ではお言葉に甘えて…ということで、その後10分~15分いろいろな道を存分に試してディーラーに帰還しました。
これまでの試乗で単独なら、コース自由(時間は10~15分に指定)というのはありましたが、担当者同乗で「好き勝手に走っていい」というのはさすがに初めてでした。
考えてみれば、どんなクルマでも新車なら100万以上は絶対するわけで、それぐらい走らせてもらってもいいですよね。
逆に言えば、試乗時間やコースをおまかせにすることが購入の決め手になるなら、販売店側としても願ったり叶ったりなわけですからね。
他の車種、とりわけ「ずっと乗っていたくなるような速くて楽しいクルマ」でも、こんなふうに、気兼ねなく思いっきり試せればいいだろうにと思いながら、充実した気分で今回の試乗を終えました。
ナチュラルアイボリーメタリック / サンシャインオレンジメタリックの2トーンカラー
出典:三菱公式サイト
★デリカD:5の2記事も
ぜひご覧ください!!
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eKクロス 試乗【総評】
総合評価/78点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★★ |
広さ | ★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★ |
eKクロス はこんな人に向いている
〇速くて気持ちよい軽自動車を求める方
〇走りやデザインにおいてSUV感覚のクルマを求める方
〇新型デリカのデザインが気にいっているが、予算的に購入がむずかしいという方
ekクロスはデザイン・走りともにインパクトあるいいクルマだった。
ただし、最近の軽自動車はその性能に比例して価格もやたら高く、エスカレート気味。
このTというグレードだが、本体価格は163万円弱、これにあれこれオプションを付けていくと軽く200万は超えてしまいそうだ。
どうかするともう一つ上の車格であるコンパクトカーをも上回ってしまうほどの価格だ。
実際同じ三菱のコンパクトカー、ミラージュはトップグレードでも148万弱ということで、ekクロスの方が完全に逆転してしまっているという現実もある。
昔のように100万円あれば、事足りるという世界ではないので、このekクロスに限らず、各モデルを吟味して購入する必要があるだろう。
ライバル車… N-BOX、タント、ワゴンR、スペーシアギアなど
おわりに
今回は三菱eKクロスをご紹介しました。
デリカ似のデザインのみならず、想像以上の俊足ぶりにちょっとびっくりしました。
かっこよくて、元気のいい軽自動車をお探しの方はぜひ一度試乗してみてください。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
◇エクリプスクロスPHEVの記事を書きました!
☟ぜひご覧ください!
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