試乗には厳しいシーズンの到来を感じるブリプリオです。
今回は12月14日に発売されたばかりのホンダ新型インサイトに速攻試乗してきました。
インサイトはこれまで燃費性能においてトヨタプリウスとライバル関係にあるハイブリッド専用のモデルでした。
果たして3代目となる新型はどのような進化を遂げたのか?
ホンダの気合の新作、インサイトの魅力をいち早くお伝えします。
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
インサイト試乗の前にどんなクルマ?
シビックがベースのエレガントな大人向けハイブリッドセダン。
車名 | インサイト |
---|---|
メーカー | ホンダ |
車種 | セダン |
排気量 | 1.5L |
パワー | エンジン109ps モーター131ps |
トルク | エンジン134N・m モーター267N・m |
サイズ | 全長4675×全幅1820×全高1410 |
燃費 | 31.4km/L |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | EX・ブラックスタイル 362万8800円 |
まずはインサイトのラインナップから紹介 ☟
インサイト
◆全グレードハイブリッドモデル/FF
LX
(326万1600円)
EX
(349万9200円)
EX・BLACK STYLE
(362万8800円)
□クルマの概要
インサイトが日本市場で販売されるのは2014年以来約4年ぶりで通算3代目のモデルとなります。
2代目インサイトが5ナンバーサイズの5ドアハッチバックだったのに対し3代目の新型では3ナンバーのセダンへと大きく変貌を遂げました。
ホンダによれば、インサイトはちょうどシビックとアコードの中間に位置づけられるミドルサイズセダンになるとのことです。
インサイトのベースとなるのはシビックセダンですが、フロント、リア、そしてホイールなどに専用デザインが与えられ差別化が図られています。
スポーティでアメリカンなテイストをもつシビックに対し、インサイトは大人の雰囲気のエレガントとさをアピールしている点で対照的と言えます。
ボディーサイズは先代モデルよりも全長が280mm長く、全幅が125mm広く、全高は25mm低くなっています。
グレードはベーシックなLX、17インチホイールや前席パワーシートなどを装備したEX、さらにEXの外装をブラックパーツで飾ったEX・ブラックスタイルの3タイプのシンプルなラインナップです。
全グレードハイブリッド/FFモデルで全てのグレードにホンダセンシング(安全装備)が搭載されており、ドライバーをしっかりサポートしてくれます。
フロント
サイド 出典: webCG
リア 出典: webCG
□エクステリア・インテリア
インサイトの外観のデザインテーマはエレガント×ダイナミック。フロントマスクには刀身をイメージしたというグリルと左右に広がるクロームバーが備えられています。
なかなかに近未来的なデザインですね。シビックによく似てはいますが、中央バンパー部のメッキグリルのおかげでシビックよりも落ち着いた大人の雰囲気となっています。
試乗車はEX・ブラックスタイルだったので、バンパー部分がブラックメッキ仕上げとなっており、つやつやとしたボディーカラーとの相性もよくかっこよかったですね。
(☟写真参照)
EX・ブラックスタイルのボディーカラーは写真のクリスタルブラックパールとルーセブラック・メタリック(少し紫がかった黒)の2種類があります。
フロントマスク
インテリアのデザインテーマはエレガンス&クオリティー。コートの襟を立てたような仕立てを目指したとホンダは説明しています。
リアルステッチのソフトパッドや、エレクトリックギアセレクターを採用したセンターコンソール、液晶とアナログ式を組み合わせたメーターパネルなど先進性と上質さを兼ね備えた仕様となっています。
インテリアもベースはシビックですが、シビックよりもシックで高級感はだいぶ勝っていますね。
特にフロントボックスなどに使われているスエード調のソフトパッドは手触りもよくとても好印象でした。
運転席
スエード調のソフトパッド
エレクトリックギアセレクター
出典: AUTOCAR
リアシートにも座ってみましたが、背もたれの傾き加減もほどよく座り心地のよいシート感触で゙大人2人ならゆったりとくつろげる空間を確保できています。
ラゲッジルームの容量は走行用バッテリーをリアシート下にレイアウトすることで、先代モデルよりも広いスペースとなっています。
先般レビューしたカムリ同様にリアシートを倒せば貫通トランクとなってゴルフバックなども難なく入り、使い勝手もよさそうです。
リアシート
トランク 出典: AUTOCAR
□動力性能・燃費
注目のパワートレインはホンダの2モーター式ハイブリッドシステムSPORT HYBRID i-MMDを1.5リッターエンジンと組み合わせたものです。
モーターは最高出力131psと最大トルク267N・mを、エンジンは109psと134N・mをそれぞれ発生。
単純計算では240馬力、401N・mの数値を誇り、力強い走りが期待できそうです。
燃費はLXが34.2km/Lで、売れ筋となりそうなEXおよびEXブラックスタイルが31.4km/Lとなります。
ハイブリッド車としてはプリウスには少し及ばないものの立派な燃費性能だと言えます。
内外装共に新しく生まれ変わったインサイト。
果たしてどんな走りを見せてくれるのか?
次のコーナーでいよいよ試乗です。
Coming up Next !!
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インサイト試乗レビュー
今回の試乗車は最上級グレードのEXブラックスタイルを用意していただきました。
卸立てほやほやの車なのでつやつやと黒光りしています。運転席に身を沈めると新車の匂いがぷんぷんとして気分も上々です。
いざ試乗スタート !
スタートボタンを押してもハイブリッド車なので、当然エンジンはかからず気品に満ちた静寂とともに車がスタートします。
セダンなのでドライビングポジションは低めとなります。この間からアテンザワゴン、カムリと車高が低めの車に乗ってきたので、この感じに違和感はなく、だいぶ慣れてきました。
出足はシビックハッチバックほどの鋭さはありませんが、モータートルクの分厚い力を感じさせる身のこなしですね。
市街地へ出て60~70kmくらいで軽く流します。運転し始めて気づきましたがシートの出来がなかなか素晴らしいですね。
しっとりとした包まれ感とボディー剛性の強さがうまくミックスされ、非常にコンフォート性能の高いドライバビリティーが得られます。
(要するに快適に運転できますよということ)
これまでの試乗では1~2を争うクオリティーだなと感じました。
担当者の話ではここ数年でホンダが一番気合を入れて、ていねいに作り込んできた車がこのインサイトであるとのことでした。
営業社員向けの発売前の勉強会でも、一番評価が高く反響が大きかったそうです。
なるほど。そう言われてみればハンドルを握り、アクセル・ブレーキの一挙手一投足を通じて開発者のクルマ作りへの細かいこだわりがひしひしと伝わってくる気もします。
いつものバイパスへ上がる登りの坂で、すかさずスポーツモードに入れアクセルを踏んでみました。
それまでの快適重視の走りから一転して、シビックハッチバックにも似た俊敏な野獣を思わせる加速と共に一気にインサイトは坂を駆け上がっていきます。
勢いそのままにスムーズにレーンチェンジ。走りのトータル性能ではシビックハッチに比べて幾分穏やかな味付けですが、高速域での余裕は同等の力を感じました。
ホンダのハイブリッドはトヨタに比べると、アクセルをある程度踏めばすぐにエンジンがかかってモーターをアシストする仕組みになっているようです。
つまりほしい時に即座に車が反応してドライバーの意のままに操れるというわけですね。このあたりもホンダの走りへのこだわりが見て取れます。
ハイブリッド独特のくせやモーターの異音のようなものは全く感じられませんでした。
前回のカムリと比べてもホンダのハイブリッド性能は全く遜色ないレベルにあると感じました。
乗り心地はシビックハッチバックよりも少しやわらかめですかね。
シビックハッチをやんちゃな息子とするなら、インサイトはそれをたしなめる落ち着いたお父さん的なキャラクターとでも言えるでしょうか。
試乗を終えた率直な感想としては「走りや運転の楽しさにこだわるなら十分セダンもありだな」ということです。
前回のカムリも燃費・動力性能共にレベルの高いクルマでしたが、このインサイトも全く負けていないですね。
特に運転の心地よさは秀逸でした。ずっと乗っていたくなるようなそんな感覚を味わえるよい車でした。
◇インサイトとプリウスの比較記事を書きました。
☟ぜひご覧ください!
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インサイト試乗【総評】
総合評価/80点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★★ |
広さ | ★★★★ |
静かさ | ★★★★ |
乗り心地 | ★★★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★★ |
インサイトはこんな人に向いている
〇運転におけるコンフォート性能を重視するタイプの方。
〇走りと燃費を両立したセダンに乗りたい。
〇ホンダ好きでシビックよりもエレガントな車に乗りたい。
担当者がおっしゃっていたが、もう少し価格設定が低く抑えられていれば、尚顧客にアピールしやすいのだが・・・ということだった。
試乗車のブラックスタイルは特にオプションを付ける必要はなく、360万程なら相応の価格とも思うが、言われてみればミドルサイズのセダンとしてはちょっと高めかもしれない。
インサイトのベースとなるシビックセダンはガソリン仕様ではあるが価格も265万弱なので、こちらとの比較検討もありだと思う。
シビックセダン 出典: webCG
インサイト 出典: webCG
ライバル車… トヨタプリウス
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回は新型インサイトをご紹介しました。
3代目にして大きく様変わりしたインサイト。ホンダの技術がしっかり注ぎ込まれたなかなか魅力的なモデルでした。
とにかく心地よいドライブフィールと、十分な動力性能を持っていますので長時間の運転などではストレスもかなり軽減されるのではないかと思います。
ボディーサイズもアテンザやカムリほど大きくはないので、普段の足としても使い勝手はよいと思います。
気になる方はぜひディーラーまで足を運んでみてください。
今後も話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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