全国の「道の駅」巡りをしてみたいブリプリオです。
今回はドイツ御三家の一角アウディの最小SUV Q2に試乗してきました。
小型SUVは国内外問わずニーズが高く世界的にも競争が激化しており、各メーカーがこぞって戦略的なモデルを投入しているカテゴリーです。
アウディQ2も例外ではなく、強力なライバルたちと戦うために作られた革新的なモデルです。
今回は先頃発売されたレクサスUXとの比較も交えて、アウディの最新モデルQ2についてじっくりレビューしていきたいと思います。
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
アウディQ2 試乗の前にどんな車?
□クルマの概要
Q2は2017年6月に日本に登場したアウディQシリーズの中で最もコンパクトなSUVです。
アウディQシリーズは末っ子のQ2から上にQ3・Q5・Q7とグレードアップしていくラインナップとなっています。
Q2には「型破り」というキーワードが与えられ、既存の車とはデザイン面で一線を画すモデルになっているようです。
「型破り」だから唯一偶数となっているのかは定かではありません。
ちなみにQシリーズのQはアウディ独自のフルタイム4駆機構システムであるquattro(クワトロ)システムのQから来ています。
そのためQシリーズのモデルは全てクワトロであるはずなのですが、Q2に限ってはそうではないようです。
Q2にクアトロが採用されない理由としては排気量の小さいモデルゆえに、車両の軽量化、駆動ロスの低減やハンドリングの軽快さ、燃費などを優先した結果であるとのことです。
それらの理由もひっくるめて「型破り」なのかもしれないですね。
次のコーナーでは先日発売され、ライバルと目されているレクサスUXとの比較を交えながら、Q2の内外装やスペックについて見ていきたいと思います。
アウディQ2 vs レクサスUX 比較
車名 | Q2 |
---|---|
メーカー | アウディ |
車種 | 小型SUV |
排気量 | 1.0ℓ直列3気筒DOHCインタークーラー付ターボ |
サイズ | 全長4200×全幅1795×全高1530 |
乗車定員 | 5名 |
パワー | 116ps |
トルク | 200N・m |
燃費 | 17.9km/ℓ |
車両本体価格 | 1.0 TFSI sport 364万円 |
車名 | UX200 |
---|---|
メーカー | レクサス |
車種 | 小型SUV |
排気量 | 2.0ℓ 直列4気筒エンジン |
パワー | 174ps |
トルク | 209N・m |
サイズ | 全長4495×全幅1840×全高1540 |
燃費 | 17.2km/ℓ |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | UX200 390万円 F Sport 443万円 |
☆今回はQ2の売れ筋モデルである1.0 TFSI sportとレクサスUXのエントリーモデルUX200との比較を行います。
①全長
アウディ Q2 (-29cm)< レクサスUX200
全長はQ2が29cm下回り、一回り小さいですね。UXはサイズ的にはもう一つ上のモデルQ3(4400cm)と近いです。
②パワー/トルク
アウディ Q2 < レクサスUX200
(-93ps) (-9Nm)
Q2は1.0ℓ直列3気筒エンジン、UXは2.0ℓ 直列4気筒エンジンなのでパワーはQ2の方がだいぶ劣りますがトルクはわずかな差です。
UXはまだ試乗していないのでなんとも言えませんが、スペックだけの比較では動力性能の差がけっこうあるのではないかと思います。
Q2には上のグレードに1.4ℓ直列4気筒のターボモデルがありますので、そちらとならいい勝負になるでしょう。
ただし、現在購入者の大半が1.0ℓモデルの方を選択しているとのことです。
③燃費
アウディ Q2 < レクサスUX200
(+0.7km/ℓ)
燃費はわずかではありますが、Q2の方が上回ります。排気量がちがいますので、当然と言えば当然ですが…。
④車両本体価格
アウディ Q2 < レクサスUX200
(-26万円)
Q2の売れ筋グレードとUXのエントリーグレードの比較なのでその差は26万円ほどですが、UXの売れ筋のF Sportとの比較ならその差はさらに広がります。
ここまでの比較では同じ小型SUVのジャンルではあっても、Q2の方がUXよりも車格は一つ下のように感じられる。
アウディはQ3がまもなくフルモデルチェンジを向かえるようなので、そちらとの比較が適正かもしれない。
参考のため両車の主なグレード別の価格を上げておきます。
アウディ Q2
(FF)
1.0 TFSI → 299万円
1.0 TFSI sport → 364万円
1.4 TFSI cylinder on demand sport versionC
→ 405万円
レクサスUX200
(2WD)
UX200→ 535万円
versionC → 414万円
F Sport → 443万円
versionL → 474万円
⑤フロントデザイン
フロントマスクはどちらもデザインに定評があるので、甲乙付けがたいですね。
UXは上位グレードの流れを受け継ぐ定番のデザインですが、Q2は確かにパッと見、アウディ?と思わせる型破り感がありますね。
Q2のエクステリアはポリゴン(=多面体)をモチーフに平面や直線を多用した多角形がイメージされています。
そのため従来のアウディモデルの全体的に丸みを帯びたデザインと比べるとより近代的なフォルムとなっています。
特にバンパーやフロントグリル、ショルダー部分のプレスラインに採用されている陰影のハッキリとしたフォルムが特徴的ですね。
出典:webCG
出典:carview
⑥サイドデザイン
UXの方が伸びやかなプロポーションでバランスもいいですね。
Q2はUXに比べると全長が短い分ずんどうでSUVと言うより、背が高めのコンパクトカーといった趣きです。Cピラーのグレーがアクセント色になっているのが特徴的ですね。
出典:webCG
出典: dime
⑦リアデザイン
Q2のリアランプの形状は他のQモデルとは全くちがいますね。キュッとスクウエアにまとめた感じです。すっきりとしたモダンなデザインでなかなかいいです。
Q2は全体的にかわいらしく女性受けしそうなデザインですね。逆にUXは男性受けするシャープなデザインではないでしょうか。
出典:webCG
出典:carview
⑧インテリア
Q2の内装の素材や各スイッチ・レバーの質感・操作感などはプレミアムブランドらしく洗練されています。
ただ電動パワーシートがないのはちょっと残念です。
UXはシックで落ち着いた雰囲気です。コックピットの座り心地やドライビングポジションもUXの方がより「よっしゃ走るぞ!」的な気分にさせる雰囲気です。
Q2内装 出典:webCG
UX内装 出典: webCG
⑨後部座席・ラゲッジ
後部座席の居住性は座ってみた感じ、そこまで差はないと思います。
ラゲッジは写真の通り、ボディーサイズで上回るUXの方が容積も広々としています。
Q2後部座席 出典:webCG
UX後部座席 出典:webCG
Q2ラゲッジ 出典:webCG
UXラゲッジ 出典:webCG
お待たせしました。次のコーナーでいよいよ試乗です!
スポンサーリンク
アウディQ2 試乗レビュー
今回の試乗車は1.0 TFSI sportを用意していただきました。
いざ試乗スタート !
アウディの試乗は約5年ぶりぐらいで、当時は気の合う担当者の方がいて、A1からA6まで一通り試乗させてもらったことをよく覚えています。
回数を重ねたこともあり、アウディの走りやインテリアはとても印象がよく、御三家の中でも一番好感度の高いメーカーでした。
久々の試乗であれからどれだけ進歩したのか楽しみだったのですが、実際Q2に乗り込んでみての率直な印象は「あまり変わってないなあ」というものでした。
先般のBMW X2の時はインテリアに関しては明らかに大きな進化を感じました。
それに比べるとQ2の方は相変わらず上質で機能的なインテリアではありますが、5年ぶりのインパクトはさほど感じませんでした。
「シートを調節してください」と担当者に言われ、いつものようにシートの右サイドに手を差し伸べると「すいません手動なんです」と言われてしましいました。
トップグレードではないとは言え、オプションを追加すると400万超えにもなる車に電動パワーシートがつかないというのも興醒めに追い打ちをかけることになってしまいました。
とにもかくにも少々複雑な思いを持ってのスタートとなりました。
インテリアで感じたマイナスの印象はそのまま連鎖感を伴って、走りに関してもつきまとうことになります。
出足はそこそこスムーズでしたが、走り始めてすぐにその乗り味について
「これは固いなあ」と感じました。
だいたいにドイツ車は固い足回りであること(※メモを参照)は理解していましたが、久々に乗ってみて、
それにしてもここまで固かったっけ?と驚いてしまうほどでした。
路面のデコボコなどがけっこうダイレクトに伝わってくる感じ。それが好みの人もいるかもしれないですが、今のぼくにはちょっと受け入れがたいセッティングです。
ドイツ車が足回りを固くして高い走行性能にこだわるのは、世界的に有名な高速道路「アウトバーン」での走行を見据えているからである。
ドイツのアウトバーンは全体の約半分が速度無制限区間であるため時速200kmや300kmで走ることも可能。
そのためドイツ車は安定した高速走行が可能な車づくりが必須となり、日本車などに比べると足回りも固い設定となる。
バイパスに入り、スピードを上げて右レーンにチェンジしました。
Q2はコンパクトなサイズを生かして、キビキビと走りますが、特筆するほどの速さがあるわけではありません。
このモデルは3気筒の1.3ℓエンジンなので、多少のパワー不足はしょうがないですが、ドイツプレミアムの車であることにはちがいないわけで、ちょっともの足りないなあという印象でした。
ここでプリオは、はたと気づいたのです。
アウディが変わったのではなくて、おそらく自分が変わったのだ…ということに。
言い方を変えれば、日本の各メーカーの技術がこの数年間で上がったのだ…とも言えるかもしれません。
実はこの日、アウディに行く前にホンダで発売ホヤホヤのインサイトに乗ってきたばかりだったのです。
詳しいレビューは記事にまとめていますので、そちらを読んでいただくとして、インサイトの印象が相当よかったのは確かです。
知らず知らずのうちに体が勝手に比較していたんですね。インサイトに乗っていなければ、ここまでQ2について否定的な感想を抱くことはなかったでしょう。
つまりは5年の間に日本のメーカーがドイツプレミアムに追いつけ追い越せの勢いでコツコツと実力をつけたのだということをQ2の試乗を持ってまざまざと体感したというわけです。
インサイトに限らず、その前に乗ったカムリやシビックハッチバック、マツダCX兄弟など、印象のよかった車が総掛かりでドイツプレミアムに挑んでいったのだと思われます。
走りの面だけではなく、エクステリア、インテリアなどを含む全てにおいて国産車のレベルアップを改めて感じます。
もちろんインサイトとQ2では車格が違うので、差があるのは当然かもしれませんが、価格は360万程でほぼ同じかオプションの具合ではQ2の方が高くなります。
ドイツ側を多少フォローするならば、インサイトを初めとする快適な乗り心地にフォーカスした国産車の乗り味が少し柔らか過ぎるのかもしれないですね。
今回の試乗シリーズで国産車の乗り心地のよさに慣れきってしまったので、ドイツ仕込みの固めの足に余計違和感を覚えてしまったのは事実です。
もちろんアウディもモデルの数字が上がればクオリティーも比例して上がっていくことは十分に理解しています。
仕切り直して、他のモデルにもまた乗ってみたいです。
こうなってくると最後の砦となるメルセデスはどうなのだろう?という興味が俄然沸いてきますね。
5年前の試乗体験ではベンツはモデルにもよりますが、走りの面でBMWやアウディにやや劣るというのが率直な感想でした。
その反面内装の豪華さやボディー剛性ではライバルに一歩抜きんでた印象がありました。
来年あたり、機会があればそのあたりを確かめたいと思います。
出典:webCG
◇新型アウディA4アバントと新型レヴォーグSTI Sportの比較記事を書きました!
☟ぜひご覧ください!
新型レクサスISの記事を書きました!
☟ぜひご覧ください!
新型アウディQ3ガソリンモデルの記事を書きました!
☟ぜひご覧ください!
他の関連記事も☟ぜひご覧ください!
スポンサーリンク
アウディQ2試乗【総評】
総合評価/72点 (100点満点中)
外観 | ★★★★ |
---|---|
内装 | ★★★★ |
速さ | ★★★ |
広さ | ★★★ |
静かさ | ★★★ |
乗り心地 | ★★★ |
燃費 | ★★★★ |
取りまわし |
★★★★★ |
コスパ | ★★★ |
人気度 |
★★★★ |
アウディQ2はこんな人に向いている
〇目を引くオシャレな車で通勤や街乗りをこなしたい。
〇Qシリーズの中でもちょっとデザインが変わったSUVがほしい。
〇一度はドイツ御三家の車を所有してみたい。
ドイツ車特有の固めの乗り心地は少し慣れが必要かもしれませんが、毎日使っていると慣れてきてむしろしっくりくるようになるでしょう。あとはお好みで。
パワーがもう少しほしい人は来年発売予定のQ3を待つのも一考だと思います。
Q2は価格だけで見ると、レクサスUXやBMW X2よりもお求めやすくはなると思います。決して安くはないですけれど…。
ライバル車… レクサスUX、BMW X2、メルセデス・ベンツ GLA、マツダCX-3 など
おわりに
ブリプリオのブログでカーレビュー
今回はアウディQ2についてレクサスUXとの比較をを交えてお伝えいたしました。
Q2に関しては「型破り」の異名通り今までのアウディにない、斬新なかわいらしい感じの車だなと思いました。
またアウディの、SUVだけでなく現行のA4やA5などにも機会があれば乗って、先代からの進化を実感してみたいと思います。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます!
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
☆★☆Back Number☆★☆
☟記事が「おもしろかった」「ためになった」場合はバナーをクリックいただけると、とてもうれしいです。