ブリプリオのブログでカーレビュー!
今回はジャガーE-PACE試乗の後編をお送りします。
前回のP250 (ガソリンターボ) に続き、ディーゼルモデルのD180試乗の模様をお伝えします。
今注目のSUV×ディーゼル×4WDの組み合わせはガソリンターボの走りを超えることができるのか!?
どうぞご覧ください !
【外観】見た目のかっこよさ
【内装】インパネやシートの質感
【速さ】排気量、パワー、加速感
【燃費】燃費性能、エコ度
【広さ】居住性、荷物を積める量
【静かさ】エンジン音、静粛性
【コスパ】価格と装備のバランス
【乗り心地】足回り、フィーリング
【取りまわし】動かしやすさ
E-PACE試乗 モデル比較
内に秘めたポテンシャルは驚異。F-TYPEの魂が宿った真のスポーツSUV!
車名 | E-PACE D180 |
---|---|
メーカー | ジャガー |
車種 | SUV |
排気量 | 2L直4 クリーンディーゼル ターボ |
最高出力 | 180ps |
最大トルク | 430Nm |
サイズ | 全長4410×全幅1900×全高1650 |
燃費 | 14.9km/L (JC08モード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | E-PACE S D-180 / 519万円 |
車名 | E-PACE P250 |
---|---|
メーカー | ジャガー |
車種 | SUV |
排気量 | 2L直4 DOHC ターボ |
最高出力 | 249ps |
最大トルク | 365Nm |
サイズ | 全長4410×全幅1900×全高1650 |
燃費 | 11.2km/L (JC08モード) |
乗車定員 | 5名 |
車両本体価格 | E-PACE S P-250 / 543万円 |
ジャガーE-PACEの主なラインナップを紹介 ☟
ジャガーE-PACE
◆E-PACE
※各グレードにガソリン3タイプ・ディーゼル1タイプを設定
E-PACE
443万円~
E-PACE S
501万円~
E-PACE SE
556万円~
611万円~
◆R-DYNAMIC
※各グレードにガソリン3タイプ・ディーゼル1タイプを設定
E-PACE R-DYNAMIC
486万円~
E-PACE R-DYNAMIC S
544万円~
E-PACE R-DYNAMIC SE
599万円~
655万円~
※全て税込みの金額
☆今回の比較モデル☆
〇E-PACE S D180(ディーゼルターボ)
〇E-PACE S P250(ガソリンターボ)
※クルマのサイズ、デザインなどモデル別のちがいは特にありません。
①最高出力
P250 > D180
【+69ps】
②最大トルク
D180 > P250
【+65Nm】
最高出力ではガソリンエンジンのP250が69ps上回ります。逆に最大トルクはディーゼルエンジンのD180が65Nmのプラスです。
このクラスのディーゼルモデルのスタンダードな数字が400Nmぐらいであることを考えるとD180の430Nmという数値はクラスでもトップレベルのパワフルさと言えそうです。
しかしガソリンの249psってえらく中途半端、よく言えば正直な申告数値ですね。
モデル名はさすがにP249ではなく、P250になっていますね (笑)
③燃費
D180 > P250
【+3.8km/L】
燃費は当然ディーゼルがいいわけですが、4WDということもあって、そこまでいいとは言えないですね。
ガソリンも含めてもう少し高い数値だとよかったかなと思えます。
またD180は7000kmに1回ぐらいの割合で
※アドブルー(尿素水)を交換する必要があります。
必ずしもディーラーで交換する必要はなく、オイルと同様にガソリンスタンドでも交換可能のようです。
※アドブルーとは、ディーゼルエンジンが排出するNOx(窒素酸化物)を水と窒素に変えるために使う高品位尿素水のことです。
このアドブルーを使って排気ガスを浄化することで、環境にもしっかり配慮する取り組みがなされています。
④車両本体価格
P250 > D180
【+24万円】
本体価格は同じSグレードで比べて、P250が24万円高いです。
ディーゼルの方が取得税も非課税なので、コスパは優れていると言えます。
出典:webCG
お待たせしました。次のコーナーでいよいよD180試乗です。
Coming up Next !!
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E-PACE D180試乗レビュー
今回はE-PACE S (ディーゼルモデル)のD180、カラーはユーロンホワイトを用意していただきました。
今回はE-PACE試乗を通じて、世界的に人気も高まってきているディーゼルモデルは走りを楽しむことができるのか?
という個人的なテーマを持って挑みました。
結果は後ほどお伝えします。
いざ試乗スタート!
ディーゼルモデルのインテリアは同じSグレードということもあり、ガソリンモデルから特に変わった様子は見られません。
操作系も同じということなので、はやばやととエンジンスイッチを押しました。
(ふむ ふむ)
ディーゼルエンジンの音に注目していたのですが、ガソリンエンジン同様に静かですね。
耳を澄ませばかすかにカラカラ音が聞こえてくる程度で、意識しなければ特に気になるレベルではありません。
一昔前はエンジンを起動した瞬間にカラカラ音や細かい振動が伝わってきて、
「ああディーゼルなんだなあ」と意識させられたものですが、ここ数年でディーゼルエンジンの静粛性は全体的にかなり高まりましたね。
試しに外へ出てエンジン音を確認してみました。
やはり外ではガラガラガラガラ…と濁音が加わる感じのわりと大きなヴォリュームで音が鳴っています。
再び中へ戻ると、やっぱり静かです。ボディー剛性が高く、しっかりと遮音が効いているようですね。
さて改めましてスタートです。
ここからはP250の試乗も振り返りながら、レビューしてまいりましょう。
注目のファーストタッチ!
(ふむ ふむ、ガソリンといっしょだな)
ガソリンのP250と同じで軽く足をのせる程度では、車体がすっと前に出ませんね。
コンフォートモード (ノーマル) ではどちらかと言えば穏やかな出足です。
公道に出てすぐの信号がタイミングよく青だったので、そのままアクセルオーーーーン!
(グワッ、グア、グア) →加速の雰囲気
ある程度踏み込めばトルクがなみなみと放出され、ディーゼルの加速もガソリンと遜色なく強烈です。
さっきガソリンに乗ったばかりなのでよくわかるのですが、加速するタイミングやGによってリアが浮き上がるような感覚など全くと言っていいほど同じに思えます。
どちらのエンジンかを伝えられずに試乗したとしたら、このそっくりぶりはちょっと当てるのが難しいレベルですね。
(おまけに車の色も同じホワイト系)
わざと吹かし気味に2度・3度アクセルを踏むと「ブオン、ブオン」となかなか官能的なサウンドが響いてきます。
決して不快な音ではなく、ガソリンエンジンに限りなく近い音に聞こえます。
そしていったんスピードにのってしまえば、エンジン音はほとんど聞こえなくなり、ロードノイズの方が目立つ感じでした。
プリオ
「いやー、さっきとほとんど同じフィーリングですね。驚きました。」
担当者
「ええ。正直、100kmくらいまでは、私たちでもわからないくらいですね。」
プリオ
「100km超えると、変化がありますか?」
担当者
「やっぱり、ガソリンエンジンの方が高回転まで気持ちよく回って、伸びやかに加速していきます。」
「ディーゼルは常に同量のトルクが出ている感じで、伸びがあるというよりは気づいたらスピードが出ているといった感覚ですかね。」
ここで満を持して、今回の試乗の最大のテーマである質問を投げかけました。
プリオ
「ディーゼルでも走りを楽しめますか?」
担当者
「乗っていただいてわかると思いますが、日常域ならほとんどフィーリングや扱いやすさも変わりません。」
「高速での伸びはさすがにガソリンの方がいいですね。」
「でもこのインジニウムエンジンはディーゼルの方もけっこう上まで回せますから、全然問題なく、楽しめると思いますよ。」
「長距離を走ることが多い場合はディーゼルの方が断然向いてますしね。」
プリオ
「なるほど、なるほど。」
今回の試乗コースに高速が含まれないのは少し悔やまれますが、担当者の言っていることは感覚的に理解できますし、
実際に高速を走ってみてもこのD180はガソリンに劣らない走りをするのだろうということは十分予測できます。
そのあと、先ほどと同じくワインディングへ向かい、今度はダイナミックモードを試しました。
ダイナミックモードでは出足もかなり俊敏になりますね。
やや荒々しいフィーリングなので、車の多い市街地などではコンフォートの方がいいかもしれません。
切れのよいハンドリング、コーナーでのロールの少なさ、路面に吸いつくかのようなスタビリティーの高さ。
このD180とガソリンモデルとの差はワインディングへ来てもほとんど感じられません。
普通はガソリンに比べてディーゼルの方がやや面白みに欠ける場合もあるわけですが、それを感じさせないということはこのディーゼルエンジン、相当よい出来ですね。
2台を乗り比べて走りのフィーリングに差がなければ、
「さてどっちにする?」ってなった場合、そりゃあ燃費や価格面で有利な「こっちのディーゼルにする」ってなるわなという感じです。
ディーゼルのシェアがE-PACE全体の70%というのも十分うなづけますね。
というわけで、P250vsD180の高速を除く試乗比較はドローという結果になりました。
それではここから最初に述べた「テーマ」への解答をまとめます。
以前紹介したモータージャーナリストの河口まなぶ氏は自身がプロデュースする動画の中でSUV×ディーゼルの組み合わせをけっこう推しています。
ボディーも大きく、その名の通りレジャーや長距離移動にも使う機会の多いSUVだからこそ、燃費性能に勝るディーゼルとの相性がいいという意見ですね。
さらに4WDとの組み合わせなら、冬の雪山やちょっとした悪路などにも安心して入っていくこともできるというわけです。
河口氏の意見にはおおむね賛成です。
これまでのSUV試乗の中でも「走りを楽しむ」というよりは「おおらかにクルージングする」という味付けのクルマが多く、
その意味でSUVにはディーゼルエンジンの方がよりマッチングするということを肌で感じてきました。
例えばクリーンディーゼルに注力しているマツダのCX-8。
ディーゼルとガソリンターボの両方試しましたが、やはりディーゼルの方がよかったですね。
ではこのE-PACEはどうでしょうか?
E-PACEは全幅こそ大きいですが、全長は短いため、ユーティリティーや積載性はあまり期待できません。
それもあって「家族でレジャーに出かける」というよりは「パーソナルな走りを楽しむ」方が似合うキャラクターだと言えます。
SUVはセダンなどと比べて加速感を感じにくい点やコーナーでロールしやすいなどのネガディブな部分もありますが、このE-PACEはそんなことは全く感じさせず、SUVらしからぬハンドリングや運動性能を持っています。
F-TYPEの魂を受け継いだまさにスポーツSUVという呼び名がぴったりくるモデルですね。
よって、他のSUVはともかくこのE-PACEに関して言えば、
距離はそこまで乗らないけど、走りにはけっこうこだわる、つまり私のようなタイプはガソリンを選択するのがベストかもしれないですね。
ディーゼルの走りも捨てがたいですが、自分なら少々高くついても、高速での気持ちよさで勝るガソリンを選ぶような気がします。
機会があれば高速でも試し、そこらあたりをぜひ確認したいですね。
もしかしたらディーゼルの逆転ってこともあり得ますしね。
今後も「ディーゼルでも走りを楽しめるのか?」というテーマは継続し、色々なモデルを試しながら考察していきたいです。
出典:webCG
◇E-PACE試乗前編ではクルマの概要・内外装・動力性能などについてまとめています。
☟ぜひご覧ください!
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おまけ ジャガー他のSUVプチ紹介
F-PACE
2016年から日本に導入されたジャガー初のSUV。
E-PACEと同様に同社のスポーツカーであるF-TYPEのDNAを持つSUVとして開発された。
実車は遠目から見ても「あれ何てクルマ?かっこいいんだけどー!」とうならせるほどの迫力とオーラにあふれている。
E-PACEよりもサイズはひとまわり大きく、伸びやかなスタイリング。
セダンシリーズにも通ずるジャガー顔でデザインはこちらの方が好み。ただし価格もそれなりにする。
パワートレインは3LV6ターボエンジンとE-PACEと同じディーゼルエンジン。
F-PACE SのV6エンジンは怒濤の380馬力450Nmを発揮。ディーゼルはE-PACEと同じスペック。
乗るなら断然V6がいい、なんて思っていたら、いつのまにかさらに上級のF-PACE SVRが2019年モデルとして追加となっていた
(写真参照)☟
こちらはV8エンジン搭載で、なんと驚愕の550馬力680Nmを発生、お値段1272万円也!
走りに妥協しないスポーツメーカージャガーの魂を感じるハイパフォーマンスモデルだ。
F-PACE SVR 出典:webCG
I-PACE
最新のSUVであるI-PACEはジャガー初のEV(電気自動車)。
プラットフォームや足まわりも専用に開発され、駆動方式は前後にモーターを備えた4WDを採用する。
最高出力は合計400馬力で最大トルクは696Nmに達する。
リチウムイオン電池の容量は90kWhで航続可能距離は438km (WLTCモード)
ちなみに先頃登場した日産リーフe+は458km (WLTCモード)ということで、航続可能距離では僅差ながらリーフe+が勝っている。
EVとなってもさすがはジャガー。その走りはスポーツカー並の性能でこららも相当速いようだ。価格はもちろん1000万超え。気軽に手を出せるクルマではないことは確か。
エクステリアはEVらしく近未来感を伴ってはいるが、もちろんジャガーらしさも損なわれていないスタイリッシュなデザインだ。
I-PACE 出典:webCG
E-PACE D180はこんな人に向いている
〇年間を通じて、走行距離が長めの方
〇流行りのSUV×ディーゼルに乗りたい方
〇効率よく高速クルージングを楽しみたい方
ライバル車… ベンツGLA、BMW X2、アウディQ3、ボルボXC40など
おわりに
今回はジャガーE-PACE D180をご紹介しました。
クラストップレベルの動力性能でガソリンモデルに遜色ない走りを見せてくれました。
ディーゼルということを意識させず、お財布にも優しくなっているので、コスパで選ぶならこちらですかね。
ただしガソリンモデルの高回転まで吹け上がるスポーティーさも大変魅力です。
検討中の方はぜひ両方とも試した上で、決めていただきたいと思います。
今後も各メーカーのニューモデルや話題の車をバッチリ紹介していきます。
次回もお楽しみに! ではでは。
Enjoy driving !!
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